| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

雪音クリスの休日

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

02

 今週もクリスの後を付け回した切歌と調。
 先週はパパが車で来たので一瞬で巻かれてしまい、今週はリンカーをブチ込んでシンフォギアを装着してでも追う気概があった。
 一同はリディアンの寮から駅前の繁華街までクリスを追跡し、ロータリー付近で人待ち顔で立っている女子高生を見た。
 もう完全に「恋する乙女の表情」になって、デレッデレでスマホなど弄り、胸を抑えながら頬を染め、熱い溜息とか吐いている別人。
「まさか、アレがクリスセンパイ?」
 普段の男前で、べらんめえ調?のクリスとは全く別人で、通りがかった通行人とかも、リディアンの制服姿の巨乳美少女を見て振り返り、彼女にシバかれる男とかも大量。
 即ナンパされそうになったが、鉄拳制裁とかいつものクリスに戻って追い払っていた。

「あっ! パパァッ!」
 待つこと30分以上、ついにクリスの援助交際相手が来てしまい、一同も身構える。
「まさか……」
「シレー」
 それは見まごう事無く、風鳴 弦十郎、SONG司令官であった。
「やあ、待たせたな」
「ううんっ、今来た所だっ、パパ」
 定刻30分前行動、クリスには何度説明しても受け入れられない、学生や社会人としての行動。
 それがパパとのデートには45分前行動余裕で、「今来た所」の嘘発言まで余裕。
 周囲にも平気で「パパ」発言、すぐに司令の腕に縋り付いて、ご自慢の胸をこすりつけるように腕まで組んで、デレッデレでラブラブの顔をした。
「SONG司令と隊員の、穢れた肉体関係」
「センパイはシレーとデキてたんデスね」
「師匠…… ブッ殺~すっ」
 響は一瞬で闇落ちして黒響になり、ガングニールを聖詠して、街中でシンフォギアを装着し始めた。
「Balwisyall Nescell gun…」
 戦友のクリスを弄んで愛人契約して援助交際している師匠を叩きのめし、精神を注入してやろうとしたが、そこで未来に口を塞がれた。
「放してっ、未来、私は師匠を倒さないとっ」
「待って、響っ! 雪音さんさえ幸せなら、今だけの恋でも、家族がいると思える今だけでもっ」
 叶わない恋でも、学生時代の子供の遊びでも、穢れた大人の玩具として扱われていたとしても、あの幸せそうなクリスの表情を見てしまった未来は、その悲しい恋の手伝いをしたいとまで思った。
 まず手始めに、その恋愛を粉砕しようとした親友も止めた。
「どうしてっ? クリスちゃんは、クリスちゃんはっ!」
 穢れた大人に何もかも奪われ、金の力で良いように玩具にされ、それが家族との面会だと嘘を付いてでも、毎週のように自らの体を差し出し、逢瀬を重ねようとしていた。
「違うのっ、雪音さんは今、恋をしているの。悲しい恋でも、将来幸せにはなれなくても、司令官さんを本気で好きで、愛しているのよ」
 目の幅でガチ泣きしている親友にドン引きして、風鳴司令へのシンフォギア装着攻撃をも中断した響。その他二名もリンカーの注射と聖詠を中断した。

 その後、ハラワタが煮えくり返るような怒りの矛を収め、どうにか追跡を続けた一同。
「エヘヘッ、それでさあっ、響の野郎、前の出動でまた課題の提出できなくってさあ、補修とか受けさせられてんの、あははっ」
 休日の昼間、実の父親に腕を組んで胸を押し付け、学生服姿で父親を「パパ」と呼んで一緒に歩いてデートする女子高生は存在しない。
 誰の目からも明らかな援助交際で、愛人とのデートだったが、戦友の声は弾んで、とてもとても嬉しそうで幸せそうだった。
 響も未来と同じく目の幅で泣き始め、シンフォギア装者の休日、大人の恋愛、友人の転落と破滅の記録を涙で見送った。
 いつかこの恋に破れて、新しい愛人がクリスの前に現れて、パパを取り上げられてしまった時、果たしてクリスの精神は持つのだろうか?
 立場上、この穢れた援助交際が発覚してしまえば、大人の司令官は即座にクリスを切り捨てて保身を図る。
 その時クリスは自分の命を保つことができるのだろうか? 響の頭の中はそんな怖い考えばかりになって行った。
「くそっ、くそおっ!」
 自分の父親に続いて、信頼を寄せていた司令まで、こんなはしたない、恥ずべき行動をしていたのを知り、黒響の心は千路に乱れてグレてしまった。

「通報するDEATH」
 切歌はウサミちゃんみたいな顔をしてSONG事務所に通報。
 即座にエロ司令官の解任を要求して、携帯でクリスの痴態を撮影して、写メも動画もSONGに直送した。
 ニンジャの緒川は翼の護衛なのか、汚部屋の掃除をしているのか参加しなかったが、次第に人材が集結して、数少ない聖遺物イチイバル装者保護のためにヘリまで出動。
 大量の兵員で司令官をスワッティングさせるために通報した切歌。
 貴重なイチイバル装者の肉体を弄んだ穢れた大人に、5.56ミリとか7.62ミリを鱈腹ご馳走してやろうと思う隊員が緊急展開して、頑強な司令官のために50口径12.5ミリも用意され、次第に司令とクリスの周囲に悪意の贈り物が集結し始めた。

「あっ、今日はパパが言った通り、弓道着も持って来たんだっ」
 紙袋に入れた弓道着を出し、指令に見せびらかすクリス。
「ついにコスプレプレイの開始デスか?」
「汚らわしいっ!」
 道着までプレイの一環として提出し、愛人に少しでも気に入ってもらおうとしている、戦友の悲しすぎる、惨めな恋の行方。
 諦念の境地に達した未来と響は、その愚かな女の恋の終着地を見定めてやろうと思い、自ら恋愛の谷底に堕ちようとしている知人の破滅の足跡を見送った。
「「「「アレ?」」」」
 朝っぱらからラブホ入場は恥ずかしかったのか、遊興施設に到着した一同。そこにはバッティングセンターがあったり、何故かアーチェリーの設備まであった。
「パパッ」
 マッハで着替えて弓道着姿になったクリスが、レンタルのアーチェリーを構えて的を射抜く。
「うむ、射形が少し悪いようだ」
 弓道部警察でもない司令官が、艦娘のアニメ版加賀さんの射形が酷過ぎると苦情を言ったように、クリスの背後に回って大人の弓道指導を開始した。
「汚らわしいっ!」
「やっぱりコスプレデートの開始デス」
 もうデレッデレでベッタベタの娘に甘えまくられるパパ。
 背中を押し付けて、間違った振りをして防具の下の左胸を握らせて、「ホラ、こんなにドキドキしてる」とかホザいてみたり、誘いまくりの甘えまくりのクリスちゃん。
「ああ、雪音さんって、あんな可愛らしい女の子の表情をしたり、男性に甘えたりできるようになったんだね」
 良かった探しを始めた未来は、クリスがベタベタの甘々、男に体を預けてしまって、身も心も捧げそうな雰囲気で司令官に恋しちゃっているのを、お祖母ちゃんの目で見守った。
「そうですなあ、未来さんや」
 響も黒響と闇落ちを解除して、幸せそうで恋する女の子の顔をした戦友が、司令と幸せな一時を過ごしているのを、おじいちゃんの目で見送った。

 現在調が持って撮影中のビデオカメラは、光学40倍ズームで、電子ズームを入れると200倍ズームが可能、幸せで目が輝いちゃって、頬が紅潮しているクリスちゃんの表情を余す所なく4K保存した。
「通報するデス」
 切歌はもっかいSONG事務所に通報し、引き続いてエロ司令官の解任を要求して、携帯でクリスの痴態を撮影して、写メもSONGに直送した。
 陸上部隊の大量投入が決定され、数少ない聖遺物イチイバル装者保護のために装甲車両まで出動。
 ノイズ以外にはほぼ無敵の司令官を倒すために、街中での対戦車ロケットの使用許可も下りた。
 貴重なイチイバル装者の肉体を弄んだ穢れた大人に、炎竜を倒すのに用意されたのと同じロケットランチャーを鱈腹ご馳走してやろうと思う隊員や、頑強な司令官のためにRPGも多数用意され、ホムホムがワルプルギスの夜さんに発射した対艦ミサイルとか、郊外に司令を誘き出して潜水艦からトマホークミサイルを発射する準備も始まり、次第に司令とクリスの周囲に、悪意に満ち溢れた嫉妬マスク達の贈り物が集結し始めた。

「ひゃっほう~~っ!」
 まだ「午前中は」健康的にバッティングセンターにも入り、150キロ台のボールを打ち返して楽しんでいるクリス。
 今日はパパから「重要な話がある」と言われていたので舞い上がっていて、足が地についていない。
(も、もしかしてよう、け、ケッコンとかよう、その前に一緒に暮らそうとか言われてみやがれ、心臓止まっちまうゾ)
 昼の事とかも一応考えて、「パパにお弁当作って来たの~」みたいな感じで、可愛らしいサンドイッチとかも作成して、主婦業も可能な女なんだとアピールする予定だが、翼とかに見られるとハラキリ物で、もし響に見られて半笑いの顔とかされるとSATSUGAIするしか無い。
 クリスさんからすると、非常に真面目な交際で、将来的に結婚にハッテンするように祈り続けているのだが、周囲の目から見ると完全に援助交際で愛人。
「ああ、私だ、これからクリス君にあの話を切り出すつもりだ、成功するよう祈っていてくれ」
 電話が入って席を外した司令だが、クリスの常人の聴力を遥かに超えた耳、クリスイヤーの力で、パパの声だけは鮮明に聞き取れるように調整されている。
 バッティングとかどうでもよかったのだが、鼻血吹きそうなクリスは、大リーグボールを打ち込んだ時の花形みたいに、荒木調で劇画調の輪郭線でバッティングをして、大ホームランをかっ飛ばした。

 気の毒なクリスは、フィーネに見捨てられてから集合住宅に潜伏していた時、風鳴司令の訪問を受け、大人のマジ土下座とかマジ謝罪、大人の男のマジ涙とか見せられて、胸の奥とかをベッキボキに締め上げられて、デカイ乳の奥から「ギュ~~~~~~~!」と言う心臓を鷲掴みにされた音がして、ジャッジメントチェーンで刺されて支配され陥落。
 ファザコンなのもあって、オッサンにマジ惚れしてしまった。
 捜索が遅れて、両親が命を失った後も救出が遅れたこと、真心で話せば説得できると思った司令が、単身クリスの元を訪れて、差し入れと一緒にマジ謝罪された。
 それでもう真心の正拳突き、デッカクてあったかいグー100本連続でブチ込まれて、胸の奥も肋骨もベッキボキ、骨どころか胸郭全損の被害を受けて、大切な聖遺物(ハート)の中身は丸ごと風鳴司令に「持って行かれた~~っ」状態。
 もう草津の湯でも今生の間修復不能、神獣鏡(シェンショウジン)でもこの恋心は消去不能、マジ恋させられてしまい、腹パンマジゲロじゃなくて股間から下り物とかバルトリン氏線液とか排卵開始とかガンガン命令が出てしまったり、もう泣いてしまって告白の言葉とか首元まで来たのを無理に飲み込んで、司令に抱き着いて泣いてしまわないように窓から脱走。
 その時は説得が嫌で窓から飛び降りたのでは無く、顔真っ赤でもうすぐ耳まで真っ赤。頭の上から蒸気が出て、安全弁吹っ飛ばして蒸気噴き出しそうだったので、恥ずかしさから飛び降り逃亡した。
 その後はもう、「べ、別にお前のためじゃないんだからなっ(///)」なツンデレ行為をリアルにやらかしまくり、司令がノイズに食われたりするのが我慢できなくて常時警護。
 響だとか翼だとか聖遺物もフィーネも、ど~~~~~でも良かったクリスなのだが、司令のパパがラブラブの女の子になってしまい、ストーカー並みに警護した。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧