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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第六幕その八

「この人もいるね」
「六郎なら望月六郎もだね」
 ホワイティはこの人を思い出しました。
「同じ六郎だから名字で確認だね」
「由利鎌之介って名前がいいわね」
 ガブガブはこの名前が気に入っているみたいです。
「如何にも忍者で」
「筧十蔵って名前もいいわね」
 ポリネシアはこの人がお気に入りみたいですy。
「恰好いいわ」
「そして最後は根津甚八」 
 にこりとして言ったのは老馬でした。
「これで全員だね」
「そうだよ、合わせて十人の一騎当千の忍達だよ」
 先生もこう答えます。
「普通忍者はあまり戦わないけれどね」
「この人達は違うよね」
「まさに大活躍」
「幸村さんと共にね」
「獅子奮迅の働きをしてくれるのよね」
「それがまた痛快なんだよ」
 先生は自然と笑顔になっています。
「読んでいてね」
「小説とか漫画でね」
「よく題材になってるしね」
「それで出て来る度に大活躍」
「そんなのだからね」
「うん、まさにヒーローだよ」
 幸村さんと十勇士の人達はです。
「最後は悲劇的でもね」
「もう大活躍」
「小説や漫画の中だと」
「どんな相手でも果敢に戦って負けない」
「そんなヒーローよね」
「アーサー王と円卓の騎士とはまた違うけれど」
 お国のヒーローを思い出した先生でした。
「凄いヒーローだね」
「何か僕が思うにはね」
 王子が先生にこう言ってきました。
「ロビンフッドに近いかな、幸村さん」
「王子はそう思うんだね」
「そう思ったけれどどうかな」
 こう言うのでした。
「痛快で権力者と戦うから」
「それも悪い権力者になってるね」
「幸村さんが主人公の時はね」
「家康さん、そして幕府はね」
「そうなっているね」
「家康さんは他だといい人であることが多いけれど」
 幸村さんが主人公の作品ではどうしてもです。
「その場合は悪役で」
「ジョン王みたいにだね」
「幸村さんにやられてるから」
 だからだというのです。
「そう思ったんだ」
「幸村さんはロビンフッドだね」
「民衆じゃなくて豊臣家を助けてね」
「森に隠れて森を拠点として戦う訳じゃないけれどね」
「けれど義の為に戦っているからね」
 このことがあってというのです。
「僕はそう思ったんだ」
「そうだね、そう言われるとね」
「アーサー王よりもだね」
「幸村さんはロビンフッドだね」
 先生も王子に答えました。
「そちらのヒーローだね」
「そうだよね」
「ヒーローといっても色々で」
「幸村さんはロビンフッドに近いね」
「そうだね、義に生き義に死す」
「悲しいけれど恰好いいヒーローだよ」
「そう思うと余計に死んでいるとは思いたくないね」
 大坂の陣で、です。先生は遠いものを見る目になって言いました。 
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