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オズのトロット

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第六幕その十一

「友達がいないと」
「どうしようもないのね」
「何かがあれば助け合えるし」
「それによね」
「若しいないと」
 お友達がです。
「こんなに寂しいことはないよ」
「教授も寂しいことは苦手よね」
「大のだよ」
 ただ苦手なだけでないというのです。
「私もオズの国の住人だからね」
「オズの国の人はどの人も寂しいことが苦手だから」
「私もだよ」
 まさにというのです。
「苦手でね」
「だからよね」
「友達がいないと」
 それこそというのです。
「どうしようもないよ」
「そうよね」
「まさに持つべきものはね」
「友達ね」
「何といってもね」
「私の一番の財産は」
 トロットはしみじみと思いました。
「やっぱりお友達ね」
「わしもだよ」
「そしてオズの国にいると」
「皆がそうなるよ」
 お友達が一番の財産になるというのです。
「本当にね」
「その通りよね」
「全くだよ」
「若し私が一人だったら」
 その場合について思う教授でした。
「今の私は絶対にないからね」
「オズの国に来られても」
 モジャボロも思うのでした。
「果たしてここまで楽しかったか」
「わからないね」
「全くだよ」
 モジャボロは教授のその言葉に頷きました。
「こうして今もね」
「楽しく旅をしていないよ」
「全くだよ」
「こうして段々畑や空中都市を見られるのも」
 どうしてかと言うトロットでした。
「私がキャプテンと一緒にいてかかしさん達ともお友達になれて」
「それからだからね」
「そう思うとね」
「やっぱりお友達は第一の財産だね」
「そうよね」
 こう言うトロットでした、そうしてでした。
 五人の外の世界からのお友達にです、笑顔を向けて言いました。
「そして貴方達もね」
「トロットさん達のお友達ですね」
「僕達五人も」
「そうなんですね」
「五人共お友達同士で」
「そしてトロットさん達とも」
「そう、オズの国の皆とよ」
 今一緒にいるトロット達だけでなくオズマやドロシー達オズの国のそうそうたる名士達ともというのです。
「お友達だからね」
「じゃあそのお友達皆とですね」
「オズの国にいる時はね」
「楽しくですね」
「過ごしてね」
 こう言うのでした、そしてです。
 皆でドウ一世の王宮に向かうのでした。第一の目的地に。 
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