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オズのトロット

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第四幕その九

「持って来てくれるなんて嬉しいよ」
「ではね」
「うん、後で読ませてもらうよ」
「それじゃあ今からだね」
「ジャガイモ料理をご馳走するよ」
 まさにそれをというのです、そしてでした。 
 ペーターさんは皆をお家の中に入れてくれました、お家の中はとても広くて立派なリビングやキッチンがあってしかも二階に行く立派な階段もありました。そしてお家の中から長い立派な金髪に青い大きな目をしたディアンドルを着たとても奇麗な女の人が出てきました。その人もトロット達に笑顔で挨拶をしてきました。
「今日はようこそ」
「お邪魔させてもらうわね」
「すぐにお料理作るわね」
「宜しくね」
「こちらこそね」
「あれっ、何か」
 ここで、でした。カルロスはその女の人を見て首を傾げさせて言いました。
「ドイツみたいな感じが」
「妻のエヴァの服や僕達の外見からだね」
「はい、そう思いました」
 見ればペーターさんの服もドイツのお百姓さんのものです。
「何か」
「そう、僕達はドイツ系だからね」
「それでなんですね」
「ドイツの雰囲気なんだよ」
「ジャガイモもそうですしね」
「何しろこの国はアメリカが反映されるからね」
 外の世界にあってドロシーやモジャボロの祖国でもあるこの国のです、ボームさんにしましてもアメリカで長い間生きていました。
「アメリカにはドイツ系の人もいるからね」
「それでペーターさん達もですね」
「オズの国にいてね」
 そしてというのです。
「ジャガイモ畑を持っているんだ」
「こんなに大きな」
「そうだよ、ただ僕と妻の趣味でね」
「五色のジャガイモをですね」
「栽培しているんだ」
「そうなんですね」
「そしてお家はね」
 こちらはといいますと。
「ドイツのお家だよ」
「木造のですね」
「そうだよ、オズの他のログハウスとはまた違うね」
「はい、確かに」
 このことは見ていてわかりました、造りとかがオズの国の他のログハウスとはまた違う感じになっていますので。
「ドイツのお家なんですね」
「これがね」
「煙突もあって」
「ははは、オズの国はいつも暖かいから使わないけれどね」
 煙突はとです、ペーターさんは笑って答えました。
「それでもあるよ、お風呂もね」
「ありますか」
「一階にね、じゃあ妻のジャガイモ料理が出来たら」
「皆で、ですね」
「食べようね」
 こう笑顔でお話してでした、皆はエヴァさんのジャガイモ料理が出来るまでは皆で王宮のことやこれまでの冒険のことをお話しました。
 そうして楽しいお喋りの後で、でした。皆でテーブルに着いてそのジャガイモ料理をご馳走になりますが。
 それぞれ五色のジャガイモで、でした。ポテトサラダにポテトシチュー、ジャーマンポテトにポテトフライ、マッシュポテトにポテトのパンケーキが出て来ました。そしてソーセージやザワークラフトもあります。
 そうしたジャガイモ料理達を一口ずつ食べてからです、カルロスは作ってくれたエヴァさんに明るい笑顔で言いました。
「どれも凄く美味しいです」
「そう言ってくれるのね」
「はい、本当に」
「エヴァさんはオズの国でもかなりのジャガイモ料理名人なのよ」
 トロットも笑顔でカルロスにお話します。
「だからね」
「こんなに美味しいんですね」
「ペーターさんはオズの国で一二を争うジャガイモ作りの名人だし」
 それで素材もいいというのです。 
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