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オズのトロット

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第四幕その八

「他の作物もあるんだ」
「ジャガイモとジャガイモの間に」
「そうしてるんですね」
「それでジャガイモ以外のものも食べてるんですね」
「そうされてるんですね」
「トマトとかも」
「そうだよ、あとお家の向こうに牧場もあるから」
 それでというのです。
「ジャガイモも飼料にしてね」
「そこからお肉や乳製品もですか」
「手に入れてですか
「食べられてるんですか」
「そうされてですか」
「ここで生活されてますか」
「そうだよ、けれど何といってもメインはね」 
 それで食べるものはといいますと。
「わかるね」
「ジャガイモですね」
 笑顔で応えたカルロスでした。
「そうですよね」
「勿論だよ」
「やっぱりそうですか」
「とにかくジャガイモは色々なお料理に使えるからね」
 ここに来るまでに五人がそれぞれ言った様にというのです。
「その人も食べているんだ」
「ジャガイモをメインで」
「そうしているんだ」
「さて、着いたわよ」
 ここで笑顔で言ったトロットでした、もう皆はそのお家の前にいました。紫のとても大きなログハウスです。
 そのログハウスの扉の前に来てです、トロットは扉をノックしました。するとすぐに大柄な金色の髪の毛を短く刈っている紫の服を着た青い目の男の人が出てきてです、トロット達を見て笑顔で挨拶をしました。
「こんにちは」
「ええ、お久し振りペーターさん」
「こちらこそね。暫く振りだね」
「近くを通ることになったからお邪魔したの」
「そうなんだ、キャプテン達と一緒のところを見ると」
 その人ペーターさんはキャプテン達も見て言いました。
「冒険に出ているのかな」
「そうなの、これからイッソス王国に行くけれど」
「その前にだね」
「色々な国に行くの」
「ハイランドとかにかな」
「そうよ、使節団としてね」
 このこともお話したトロットでした。
「行くのひょ」
「そうなんだ、それでその子達は」
 ペーターさんは五人も見て言いました。
「噂のオズの国の名誉市民の」
「ええ、その子達よ」
 トロットはペーターさんに笑顔で答えました。
「今回の冒険ではね」
「その子達も一緒なんだね」
「そうなの」
「はじめまして」
 五人はペーターさんに礼儀正しく挨拶しました。
「宜しくお願いします」
「こちらこそね」
 ペーターさんも五人に笑顔で挨拶を返しました。
「宜しくね」
「はい、これからも」
「それでだけれど」
 トロットはペーターさんにあらためて言いました。
「これからね」
「うん、折角来てくれたからね」
 それでとです、ペーターさんも応えます。
「これからね」
「ジャガイモ料理をね」
「ご馳走するよ、ここに来てくれた人には誰でもね」
 分け隔てなくというのです。
「うちのジャガイモを食べてもらうから」
「それじゃあね」
「皆にご馳走するよ」
「それで我々からはね」 
 ここで教授があの本を出してペーターさんに言ってきました。
「この本をね」
「あっ、その本をなんだ」
「プレゼントさせてもらうよ」
「恋愛小説だね」
「そう、ピーターさんが好きなね」
 まさにそれだというのです。
「それをプレゼントとして持って来たよ」
「悪いね、僕は恋愛小説が大好きでね」 
 その彫の深いお顔で言うのでした。 
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