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オズのトロット

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第三幕その三

「そうするから」
「それでその途中にだね」
「こっちに寄ったんだね」
「僕達がいるこの場所に」
「そうなのね」
「そうなの、この子達に恐竜のお話をしたらね」
 カルロス達を見ながら恐竜達にお話をします。
「皆ここに来たいって言ったから」
「成程ね」
「その子達は私達を見たことがなかったから」
「だから会いに来てくれたんだ」
「旅の途中に」
「うん、そうなんだ」
 カルロスが五人を代表して恐竜達に答えました。
「外の世界ではもう恐竜はいないって言われていてね」
「そう聞いたけれど」
 アロサウルスがカルロスに言ってきました。
「トロット王女達も見たっていう人いるっていうけれど」
「うん、そうしたお話もあるよ」
「それでもなのかしら」
 イグアノドンはカルロスの返事に首を傾げさせました。
「いないのかしら」
「はっきりいるって証拠は見つかっていないから」
 だからと答えたカルロスでした。
「絶滅したってなっているんだ」
「外の世界ではね」 
 キャプテンも恐竜達にお話します。
「そうなっているよ、ただ海ではね」
「昔からそうしたお話が多いわね」
 トロットは今度はキャプテンに応えました。
「海は特に」
「そう、シー=サーペントのお話がね」
「クラーケンとは別に」
「その話があるんだ」
 キャプテンは元々海の人です、それで海のそうしたお話はよく聞いていてとても詳しいのです。何しろ船長だったのですから。
「巨大なウミヘビだけれど」
「実はよね」
「恐竜だってよく言われているんだ」
「そうなのね」
「見たっていう人の話を聞いてると」
 実際にです。
「恐竜に近い場合も多いんだ」
「今湖にいる」
「そう、まさにね」 
 湖の方にいる彼等を見ての返事でした。
「ああしてね、ただね」
「ただ?」
「恐竜とは限らないから」
 シー=サーペントの正体はというのです。
「実際にはね」
「海には他にも沢山の生きものがいるから」
「鯨や大きなお魚かも知れないし」
「鯨ね」
「鯨も色々でね」
 一口にそうだと言ってもというのです。
「昔の鯨は身体が細長いけれど」
「あっ、それじゃあ」
「ウミヘビの大きなものにも見えるね」
「そうよね」
「そうだったかも知れないしね」
 恐竜ではなく、というのです。
「色々考えられるんだ、けれどね」
「シー=サーペントの中に恐竜もいる」
「その可能性もあるから」
「そうなの」
「そう、やっぱりこちらもね」
「可能性があるのね」
「そうなんだ」
 こうトロットにお話をするのでした。
「一口にシー=サーペントといってもね」
「色々な可能性がある」
「そういうことなんだ」
「よくわかったわ」
「まあ恐竜はね」
「まだいるかも知れないのね」
「外の世界もね」
 キャプテンは海のことからトロットに答えました。 
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