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進め!ブラックマジシャンガール!

作者:ドリ男
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21

一時間目〜算数

先生:「じゃあ問題だ。
山田さんはは32分で7.68Kmを走り、
吉田さんは46分で8.28Kmを走りました。
2人の内、どちらが早く走ったでしょう」


マジシャンガール(速さの問題ね。
主、頑張って!)

リグラス(難しい計算ですねぇ)

アックスレイダー(2人はどこを走ってるのだ)

人喰い(くだらねーな)


エルフの剣士(ガール、お前にこの問題は
解けるか?)

マジシャンガール(もちろんよ♪
速さの勉強内容で使う計算式はね、
速さを求める時は”速さ=道のり÷時間”
道のりを求める時は、”道のり=速さ×時間”
時間を求める時は、”時間=道のり÷速さ”
の計算式で計算するの♪
単位時間を1時間とした速さを”時速”、
1分間とした速さを”分速”、
1秒間とした速さを”秒速”と呼ぶんだけど、
この問題は時間と道のりから2人の
速さを求めるみたいね。
山田さんは32÷7.68。吉田さんは46÷8.28。
これを計算すれば、
どちらが速いのか答えが解るわ♪)

ソニックバード(めんどくさいな)

ホーリーエルフ(別にどっちでもいいじゃん)

マジシャンガール(山田さんは0.24、
吉田さんは0.18。つまり、分速240mで走る
山田さんの方が、分速180mで走る吉田さんより
速いって事♪つまり、答えは山田さんよ♪)

エルフの剣士(ほほう)

リグラス(おぉ…さすがはマジシャンガール)

ソニックバード(俺ならもっと速く飛べるぜ?)


マジシャンガール(主は解けたかな…)


先生:「よし、なら当てて行くか…
ふふん。じゃあ、いま先生と目があったツカサ!
答えてくれ」

ツカサ:「えっ……」


リグラス(いきなり主が当てられました)

マジシャンガール(よし!いいわよ主!
頑張って!)


ツカサ:「えぇと……山田…さん?」小声


エルフの剣士(おぉ、主が答えを当てた!)

マジシャンガール(良し♪正解よ主!)


でも、先生は甘くなかった…



先生:「ほほぅ……どうしてそう思う?」


ツカサ:「えっ?…」ビクッ

先生:「どうして山田さんの方が速いと思う?」

ツカサ:「そ、それはその…」


先生は追い打ちをかけるように主に質問し、
クラス中が静まる中、主は固まってしまった。
主、頑張って!これも先生の愛よ!


ツカサ:「その…山田さんの方が……
足が速い…」

先生:「うん。だからどうして、山田さんの
方が速いと解るんだ?」

ツカサ:「えぇと…」


ソニックバード(ありゃダメだ。
勘で答えてその場を凌ごうとしてるな)

アックスレイダー(中身を分かっていない事を
見透かされたか主)

マジシャンガール(割り算よ割り算!
時間と道のりを割り算で計算するの!
主〜!)

エルフの剣士(主が何か言うぞ)



ツカサ:「その……陸上部だった…から」


マジシャンガール(はっ!!)




クラス:「わはははは〜!!」


さっきまでの静寂を主の一言が
切り裂くかのように、クラスには
笑いが巻き起こった。

もぉ主ったら…。


先生:「ツカサぁ、確かに山田さんは
陸上部なのかも知れない。けど、
これは算数だ。ちゃんと計算式を使って
答えないと、正しい答えにならないぞ?」

ツカサ:「す、すみません…」

クラス:「わはははは〜!!」



ソニックバード(笑いもんになってんじゃん、)

人喰い虫(ケッ。情けねぇ)

マジシャンガール(コラ〜!うちの主を
笑うな〜)プンプン


先生:「はいみんな静かにー。
でもツカサ…。問題が分からないのは別として、
物事に疑問や想像力を働かせる事は良い事だ」

ツカサ:「えっ…」

クラス:「……」シーン


この時、私達は先生の本領を知った。





先生:「何故この人は速いんだろう。
もしかしたら、この人は陸上部かも知れない。
もしかしたら2人とも陸上部かも知れない。
1つの文章から沢山の想像力を膨らませる
と言う事は、それだけ発想力や想像力が
豊かだと言う事だ。つまり、とっさに
答えたツカサは、そのような感性、想像力を
持っているって事だ。想像力は、
その想像から新しい何かを生み出す力がある。
それは、とても素晴らしい事なんだ」


マジシャンガール(先生……)



先生:「みんなにも少し考えて欲しい。
今のツカサは問題に間違った答え方を
してしまった…。これはかっこいい事とは
言えないが、同時に情けないとか、
恥ずかしい事ではないと先生は思うんだ。
間違いは誰にもあるし、誰にだって
分からない事は沢山ある。それはみんなにも、
そして先生にも…。だから、次に誰かが
間違った時は、笑わないで欲しいと
先生は思います。むしろ、人が
間違った時や分からない時は、
誰かが教えてあげたり、代わりに答えてあげる。
みんなにはそんな優しい心を持って、
来年中学生になって欲しいなと、先生は思う」


クラス:「……」


ソニックバード(なんだ、急に学園ドラマ
みたいになったぞ)

リグラス(何故でしょう。先生のお言葉、
胸に響きます)感動



先生:「だからツカサも、あまり
落ち込むなよ?解らないなら解るまで
勉強すればいいんだ。解らないままにだけは、
絶対にするなよ?ちゃんと勉強するようにな?」

ツカサ:「先生……。はい!」

女子7:「先生!山田さんは分速240m、
吉田さんは分速180mだから、山田さんの方が
速いです!」

先生:「玉木、正解だ」

女子7:「陸上部ですから」

マジシャンガール(先生……。
ありがとうございます)グスッ

エルフの剣士(良き先生だ)

アックスレイダー(勉学も鍛錬か…)


先生:「それじゃ、
こないだのテスト返すぞ〜。ツカサは
あとで職員室に来るように」

ツカサ:「はっ!」ビクッ


1時間目が終わった後、主は何故か
答案用紙を持って職員室に
連行されちゃったけど、
先生の授業はその後も続いた。








 
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