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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百一話

「お嬢ちゃん。とりあえずここは危ない。
どこか話せる場所に…」

「なら私の家に来てください魔法使いさん!」

お嬢ちゃんが俺の手を掴もうとしたのでサッと手を引っ込める。

パレードはあくまで外観と情報を改竄するのであり肉体はそのまま…

というか原則として現代魔法で物質変換はできない。

「お嬢ちゃん。私には触れない方がいい。
呪いの塊だからね」

「そうですか…」

誤魔化せたかな…

「それに、知らない人を家に誘うのは良くないよ」

「あはは…えっと…」

お嬢ちゃんは、突然真面目な顔をした。

「魔法使いさん」

「なんだいお嬢ちゃん?」

「私のお母さんを助けていただけませんか?」

ふむ…お母さんねぇ…

「話を聞こうか」

お嬢ちゃんと自分に認識阻害をかける。

お嬢ちゃんの肩の高さに浮遊して、ついていく。

「今、私達を認識できるのは私と同等以上の術者だけだ。
ゆっくり行こうか」

「はい」

そうして、パリ郊外にあるというお嬢ちゃん…シャルロットの家へ向かう。

シャルロットが言うには、母親が病気らしいのだ。

しかし病院に行こうとも原因は不明。

仕方なく街の薬師から定期的に薬を貰っているという。

その薬も一時的な物に過ぎないそうだ。

「それで私を頼ったのかい?」

「はい…」

「ふむ。わかった。一応見る事としよう」

ISもメティス・サイトもある。

最悪はまた奏に頼むか…

『ますたー。束達には伝える?』

あぁ、そうだな…

ホロウィンドウを呼び出し、メールを打ち、送信する。

『っていうかいいの?ますたー?
今のますたーはシャルロットに都合よく使われてるだけだよ?』

いいんだ。

これは偽善。俺の自己満足。

後は、そうだな…母親の為に魔法使いを騙そうとする強かさと健気さに心を打たれた…という事にしといてくれ。

『あぁ、なるほど。ますたーは優しいね。
でも、親を無くすかもしれない子全てを救うつもり?』

目に入ったなら、そうする。

後悔したくないから。

『後悔…ね』

「シャルロット。お母さんは大きな病院には行ったのかい?」

「はい…でもわからないそうです…」

「何年前からなの?」

「五年前くらいから…」

五年? 結構長いな…

「五年前と比べて悪化している?」

「いえ…」

それだけ長く治らず、かつ死ぬような病でもなく悪化してないなら…土地や食べ物や水の問題か?

だがその手のやつは体内に溜まった毒で悪化していくハズだし…

それとも致死量に達していないだけか…?

いや、だとすればシャルロットや、ここら一帯の人間も同じく病に伏せるはずだ…

シャルロットの隣を浮遊しながらパリ周辺での水質データなどを各機関のデータベースに不正アクセスして調べたりしたが白…

「魔法使いさん。もうすぐつきます」

「ん。わかったよシャルロット」

シャルロットに案内されて到着したのは立派な一軒家だった。

母娘が暮らすには少し大きいが、家族が住む家としては相応しい大きさだ。

「シャルロット。君の家に入ってもいいかい?」

「かまいませんけど…?
どうぞ。お母さんを診てください」

深夜と早朝の境界で、俺はシャルロットの家に足を踏み入れた。

「こっちです」

シャルロットに案内された部屋には、一人の女性がベッドで寝ていた。

だが枕は氷枕だし、額には解熱シートが貼ってあり、呼吸も荒い。

「じゃぁ、診察しようか」

ベッドの脇で、シャルロットの母親を『視る』。

イデアへ接続。

コア・エイドスデータ 閲覧。

身体的損傷及び各種病状を確認できず。

霊体の損傷を確認。

外部からの干渉を確認。

術式を確認。

術者の存在を確認。

術者の現在地を確認。

「なるほど…」

さて…こうなってしまえば聞かない訳にはいかない。

憶測を確信にしなければいけない。

ここが『物語』ではなく『現実』だと認識せねばならない。

「シャルロット」

「は、はい」

「君はファミリーネームを明かせないと言ったね?」

「そ、そうです」

はぁ…あんまり聞きたくないなぁ…

こんな悲しそうな顔をした少女の隠し事なんて…





「しかし敢えて聞こう。君のファミリーネームは『デュノア』で合っているか?」
 
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