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転生貴族の銀河

作者:ドンコ
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第二十話

ロルフの演説



「勇戦むなしく敵中に囚われた忠実なる兵士たちよ。私は卿らに約束する。捕虜となったことを罪としてそれを責めるごとき愚劣な慣習はこれを全面的に廃止するものである。
帰国した諸君全員に一時金と休暇を与える。
しかるのちに希望者は自らの意志をもって軍に復帰せよ。全員一階級を昇格させる。復帰しない者にも一階級を昇格させ、新たな職を用意する。
また、囚われていた期間の俸給も全額支給する事とする。
病気等の治療も帝国政府が責任を持ち完治まで面倒をみる事とする。
今回の捕虜交換に応じてくれた自由惑星同盟軍に感謝し、謝意を表すものである
帝国軍、宇宙艦隊副司令長官ロルフ・フォン・ジークヴァルト上級大将」


スクリーンが切れ、同盟軍幹部はその演説を聞き驚いていた。
帝国軍が正式の場で全兵士の今後を保証すると確約した事実が!


同盟政府は自分達の交渉の御蔭で捕虜交換が実現できたとマイクを持って演説していた。
兵士は直ぐにでも帰宅し、家族に会いたいのにとブーイングの嵐になっていた。

帰還し、今迄真面に食べていなかった者は食事に酒を要求したが、政府は演説を止める事無く式典は徐々に険悪な雰囲気を醸しだしていった。

300万人の帰還兵は暴徒になり、式典会場を破壊しMPに対しては数で圧倒し・・・
悲惨な光景になり、三日後に鎮圧された。もう今回の帰還兵に家族親戚はこの式典を行った政府や政治家に不信感を抱き、七割方の政治家が次の選挙で当選できなかったのは後の事だ。


要塞プラネート(惑星)



「めっちゃ、恥ずかしかったぞ。コレで良いのかもう二度とやらんからな」

「お見事でした、コレで帰還した兵士は軍に戻る意思を固めるでしょう」

「それとですが、、、勝手に酒と料理を調達しました。イゼルローン回廊に入れば全員に酒を解禁しますが宜しいですか?」

「流石副官の鏡だ、演説の事でそこまでは考えていなかったわ」

「それでも三長官達には仕返しが完了でしょう」

「そうだな、金額がエライ事になるだろう。財務尚書も驚いているだろうなぁ~」
要塞プラネート(惑星)
要塞内は仕返しが成功し、ご満悦な総司令官に最高幹部に幹部達は嬉しそうな顔でいたが

「緊急連絡がオーディンから着ています」

「早いナ、誰だ?」

「軍務尚書です」

「・・・・スクリーンに」

スクリーンにはコメカミに欠陥が浮き出ている、脳の血管が切れなければ良いが

「ロルフ貴様は勝手に好き放題したな」

「言質は取ってるので問題は無いでしょ?」

「それでも何故報告・連絡・相談をしないのだと言っている」

「好きにするぞと言って、やれと言われたのでやりました。
問題があるなら軍務尚書が帰還兵に家族に帝国領全体に放送して下さいね。」

「貴様は出来るハズが無いだろうが」
顔が真っ赤になっているが……大丈夫だろうか?

「過ぎた事は置いといて、同盟では崩壊の兆しが見えてますけど聞いてますか?」

「・・・・・・・」

「今回は飲んでください。向こうでは帰還兵の扱いが悪く暴徒になり鎮圧作戦で三日も掛かったそうです、弱体しますよ間違いなく」

「それで納得しろと言うのだな」

「他にもありますが、既にトーマス・ミュラー中将旗下の1万5000隻を惑星カプチェランカ向かわせています。
コレで一月以内全員を引き上げます。今後はこの要塞プラネート(惑星)を拠点に守りを強化し、同盟の兵力を削り三年で帝国軍の再編と!馬鹿共を根絶やしにします」

「やるのか、難しいぞ」

「この会話は後で直接連絡しますよ。重要な話ですからでも!パウルに聞いても良いですよ」

「オーベルシュタインには話して有るのだな」

「はい、辛辣な話ですので内密にお願いします」

「分かった、話はオーベルシュタインに聞いておこう」
パウルすまん、お前に全部丸投げするよ・・・・・


何時もの光景であったのだ


話も終わり


「皆ご苦労様、第一段階は無事に終わった。後はトーマス司令官が仲間を無事に此処まで運んでこれた時に終了だ」

「しかし、他の艦隊もイゼルローン回廊の出口に展開してますが大丈夫でしょうか」

「それは問題無い、向こうはこの時期に戦争をしたく無いんだよ。艦隊はエルファシルに釘付けだしな」

「それでも偶発的な事故などが気になりますが」

「無論計算している、それを全て任せられるのがトーマス・ミュラー司令官だ。
彼はこの要塞の中で一番臨機応変に対応できる司令官だ。疑うな」

「オフレッサー大将が付いて行きましたが良いので?」

「仕方が無い、古参幹部も居ると言ってたし。勇者の迎えには装甲擲弾兵副総監である自分がと真面目に言ってたたしね」

「仕方が無いですな」

オフレッサーの意外な一面を聞いた瞬殺だった。

「顔は怖いが部下には優しいからな」

「確かに、だが憲兵隊に喧嘩で負けると怖いんですよ!」

「憲兵にはね、昔飲んで喧嘩してオレもオフレッサーと7人で40人位に・・・・」

「気になります、言って下さい。皆が!自分も気になります」

 えっ!ミンナ注目ですか?

「実は14歳の時に飲み屋でオフレッサー達と出会ってさ、オレって14歳で身長178センチあったしね。
・・・・陛下に民衆の中で飲む酒は格別だと聞いてさ。
皆で飲んでたら喧嘩になってさ、憲兵隊きて喧嘩になって捕まったんだよね、アハハハハハ」

司令部の面々は驚いていた、陛下の話が此処で出た事にだ!

「陛下の昔のですか?」

「そうだよ、姉さまに呼ばれて遊びに行ったら陛下が来てさ、ワインを御馳走になったんだけどその時に聞いて直ぐに飲みに行ったんだけどね」
あっけらかんと言っているが!大変な事であった。

「総司令官は陛下と酒を飲んだのですか?」

「うん、13歳から週に一度は酒のワインの味を教えて下さってね。
今では何年物か!何処産か分かる位に詳しくなったよ、でも好きな銘柄はあるけどね」

「13歳からワインの味を?」

「あれ!みんなどうした?」

「13歳で普通は飲みませんが」

「ん!……そうなの?」

皆がコクコクと頷いている!

「嘘!俺の家では酒も料理も10歳になると教育でさ、毎日特訓を受けるけど?」

「普通はしません」

要塞の最高幹部、司令官、参謀、副官等の数十人が驚いていた。

「・・・・・俺はもしかしたら普通の人生を歩んでないの?」
銀河英雄伝説では貴族は小さい頃からそれが普通だと思っていたが!我が家が普通では無かった事に今気が付いた・・・・・



 
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