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転生貴族の銀河

作者:ドンコ
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第十九話

帝国暦479年10月



エルファシル


帝国軍は5000隻の護衛艦隊に巨大輸送船が3万5千隻。
輸送船はオーディンからイゼルローン要塞等の要塞に兵士の交代の時に使われる、それを全隻集め今回の捕虜交換に投入していたのだ。


同盟軍はシトレ大将が捕虜交換の責任者であった、全権代理のヨハン・フォン・クロシュットップは後方支援能力に特化していた、ロルフが昨年から部下に呼ぶまで、クロシュットップ家の領地の経営を手伝っていた。

そこで後方支援の能力を知らない内に身に付けていたのだった。

ロルフはクロシュットップ家の内政能力に目を付け配下に迎えた。

ヨハンは腐っていなかった、自分が出来る事を自分のペースで確実に後方支援の工程管理等を行いパウルが注目し、ロルフに報告し今に至る。

ヨハンを此処で使い捕虜交換を成功すれば、クロシュットップ家が我が家の味方になるとパウルは言っていた、侯爵家が味方に付けばこれから楽になる事は決定だ。

それに!ヨハンの性格は内向的であったが、そこには芯があった。

自分の意見は皆に先に言うが、他に良い意見が有ればそれを尊重し皆でアイデアを考える。
上司と言うよりも仲間として皆に対して接していた、それが功を奏した・・・・・



ロルフはヨハンに対してエバス中将の下に付け、そして才能が開花したのであった。


ヨハンは要塞プラネートの後方支援部隊の一員として半年過ぎ、ロルフはクロシュットップ家の繁栄を祈り全権を与え送り出した。




ヴァンフリート4=2の撤退交渉はシトレ大将にとっては幸運だった、同盟国内に居る帝国軍が戦いもしないで撤退するのは好条件であった。

話は進み、政府に許可を貰わなければ独断で決めれないのでと言う事で!

次の日には!同盟政府から許可が出た、


「失礼、ヨハン中将、正式に政府から許可が出ましたがコレは非公式な許可です」
相手の出方を見ているのは分かるが・・・

「それにしても早かったですな」

「そうですな、国内から帝国軍が居なくなるのは嬉しいのでしょう。捕虜には投票権は無いが帰還兵には有るのです、300万票です目も眩むでしょう」

「良いのですか?正式な会話でも無いが大将閣下がその発言は・・・」

「仲間も無事に帰って来る、非公式に軍人同士で腹を割って話すのも良いのかもと」

「飲みますか?  410年物の白です、今回の成功にどうです」

「いただきますか」
嬉しい顔を・・・本当にうれしいのだな

「では、オイ早いナ」

「準備してましたので」

「では、卿が注いでくれロイエンタール」
ロイエンタールはロルフに急遽、捕虜交換に付いて行けと命令された。
前世の記憶でロイエンタールは!その状況で一番の方策を立て実践している。銀河英雄伝説で恐らくは全ての分野でナンバー1だと思っていたのだ。

それで、急遽付いて行かせたのだが。それでも辛辣な言葉も今は少なく無くなっているから、7割程は仲間を立てる事を今のロイエンタールはだ。
それなら今から、自分が25歳で予備役になった時に宇宙艦隊の中枢にいる事を祈り、信じこの捕虜交換で何かを得る事を信じて送り出した。

ヨハン中将はロイエンタールのさり気ない気遣いに驚きを感じていた。

「では「「乾杯」」」

「美味いですな、これが410年物ですか、我が国では手に入れても高額で私等が飲める物ではない」

「それは良かった、今回の出会いに410年物を三本を送ります。出来れば今後は話し合いで・・・」

「話し合いに乾杯」

「乾杯」

それから、1時間程二人で飲み

「一月以内にヴァンフリート4=2の撤退を開始します、二月以内に撤退は完遂します。
それで宜しいかな」

「問題は無い、しかし、艦隊を派遣します。ビュッコック中将といって古参の二等兵からの叩ぎあげです。信頼も出来るし融通が聞かない点は申し訳ないのだが」

「構いませんよ、仲間が戻って来るなら泥水でも飲んででも」
真剣な顔でシトレの顔をみつめる

「それ程の覚悟ですか?」

「帝国貴族としてのメンツが掛かっています。我が家の存亡も掛かっていますしね」

「・・・・・分かっています。我が軍の情報がありますよ、ですので問題無く進める事が出来るビュッコック中将を選んだのですから」

「そうですか、ご配慮有難うございます。」

それからは、有意義な時間を過ごし捕虜を迎え入れ帰還した。






要塞プラネート(惑星)



「何でだ!俺が?」

「しかし、直接に機密暗号化された連絡が来ましたので」

「でもだ、それは宇宙艦隊の司令長官がやる事だろう普通は?」

「総司令官は副司令長官でも在りますので」

何を話してるかと言えば!捕虜の迎える言葉を俺に言えと三長官から連絡が有ったのだ。

正直にアレは恥ずかしいのでやりたくない、堂々と何故あのような言葉を俺がかよ・・・・


「諦めて下さい、原稿は作りますので」

「勇戦むなしく敵中に囚われた忠実なる兵士たちよ。私は卿らに約束する。捕虜となったことを罪としてそれを責めるごとき愚劣な慣習はこれを全面的に廃止するものである。帰国した諸君全員に一時金と休暇を与える。しかるのちに希望者は自らの意志をもって軍に復帰せよ。全員一階級を昇格させる」

「素晴らしいですな、それを少し変更すれば完成ですな。」

「素晴らしい出来ですな、何時の間に考えたのですか?」

「俺には無理だな、参謀長なら芸術にも秀でているし頭もいいから・・・」

「ベッケンバウアー司令官は兵士の指揮、士気が卓越してますし、兵士の信頼も高い私には真似できません」

「人には人の向き不向きが有りますので」

「総司令官は人を使うのが巧い、俺は!俺達司令官は気分よく艦隊を動かせる事が出来る。基本的作戦に後は俺達を信じてくれる、指揮官冥利に尽きる」

「ルッツは新規艦隊の訓練に行ってるし、ビッテンフェルトも付いて行ってるしな」

「それよりも先程の話を少し手を入れましょう」


「勇戦むなしく敵中に囚われた忠実なる兵士たちよ。私は卿らに約束する。捕虜となったことを罪としてそれを責めるごとき愚劣な慣習はこれを全面的に廃止するものである。
帰国した諸君全員に一時金と休暇を与える。
しかるのちに希望者は自らの意志をもって軍に復帰せよ。全員一階級を昇格させる。復帰しない者にも一階級を昇格させ、新たな職を用意する。
また、囚われていた期間の俸給も全額支給する事とする。
病気等の治療も帝国政府が責任を持ち完治まで面倒をみる事とする。
帝国軍、宇宙艦隊副司令長官ロルフ・フォン・ジークヴァルト上級大将」

「っと、いう感じでは?」

「良いですな、決定ですな。三長官に嫌がらせも出来るので」

「どれだけの金が消えるか分かりませんが、仕返しには良いですな」

「それでは決まりで良いかな?」

「問題無いでしょう」


 
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