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仮面ライダーディザード ~女子高生は竜の魔法使い~

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epic2 困惑…土壁だらけの街角

日曜日…まだ夜が明け切らない早朝。
エリカはベッドの中で、夢を見ていた。

大地は辺り一面に花が咲き乱れ、空には…竜に乗り楽しそうに笑うエリカの姿が。
その竜は全身が黄金に輝いており、巨大な翼を広げて大空をなめらかに舞っている。

『エリカちゃん、今日は空がスカッと晴れ渡って気持ちいいね。気分はどう?』
「はい、気持ちいいです!マック、あなたの方はどうですか?」
『もちろん、最高だよ!』

黄金竜…マギカドラゴンのマックはエリカと楽しげに語らいながら、無限の大空をどこまでも舞っていた。
だが、そんな楽しい時間も。

「な、何これェェェェェ!!」

エリカはサラの絶叫で完全に目が覚めてしまい…ボーっとした表情で天井を見つめていた。
せっかくいい夢を見ていたのに…と眠い目をこすりながら、エリカが窓の外を見ると…彼女の眠気が一気に吹き飛びそうな光景が広がっていた。

「え…何ですか、これえェェェェェ!!?」

二人が絶叫するのも無理はない。
町の道路が土壁にさえぎられ、さながら迷路の様になっていたからだ。
しかも、館の前のみならず町の主要道路は完全に土壁にはばまれ…せまい通路や商店街にまで被害はおよんでいた。
新聞配達の青年も土壁の出現により配達に出られず…青果店の店主に至っては腕を組んであきれ顔である。

「だあぁぁぁぁぁ!邪魔くせえェェェェェ!!何なんだこの壁は!!?」
「…こんな壁があると、商売にならないな。何とかならんものか…。」

あちこちで起きた土壁による妨害で怒声が響きわたり、とどまるところを知らない。
一体どうして…。
彼女は、胸が痛む思いでその光景を見渡していた。

「いたずらにしてもひどすぎます…。」

すると、彼女の腰にいきなりディスクが現れ手形が点滅し…何者かの声が手形から聞こえてきた。

『エリカちゃん、その壁を作ったのはおそらくホムンクルスだと思うよ。』
「マック、それは本当ですか?」

そう、先程夢の中でエリカと一緒に空を飛んだ黄金竜は…エリカの中にいるのである。
そして彼の声は、ディスクを通じて会話ができる様になっているのだ。

『うん、間違いないよ。現に土壁から薄い魔力反応があったから。』
「魔力反応が…。ならば!」
『コネクト!プリーズ!!』

魔力があると聞いたエリカは再び土壁に目を向け、コネクトリングを右手中指に装着しディスクにふれた。
現れた魔法陣からディザーソードガンを取り出し、ガンモードで土壁に向かって砲撃したが。

ヂュンッ、ヂュンッ。

弾は全て命中したが土壁はひび一つすら入らない。

「…やはり、ダメですね。」
『うん、そう簡単にはくずせないよ。壁自体がかなり頑丈だから。』

エリカがどうしたものかと首をひねっていると、そこに一台のパトカーが止まり窓から頭だけ出した男がエリカに声をかけてきた。
男は年にして45歳程、白い髪に男のダンディズムをにじませる細く渋い顔つき、そして細身の体をビシッと包むスーツに彼の年季を感じさせる。
彼の名は、片桐 飛鳥。
城北署きっての敏腕刑事である。

「おーい、エリカちゃん。」
「あっ、片桐さん!」



片桐は、エリカとサラの招きにより館内にあるリビングでエリカのいれたコーヒーを飲んで、一服していた。
その顔からしてかなり疲れていたのだろう、ため息が立て続けに出ている。

「……はぁ。」
「片桐さん、何かあったのですか?」
「いやね、今朝からあの土壁がニョキニョキと生えてきてね。いい加減げんなりしているんだ。」
「やはり…。」

片桐の話によると、午前4時29分頃に最初の壁が発見され、その後他の警官から「壁がいきなり現れて行く手を阻んでいる」といった連絡が相次いだのである。
しかも、壁の出現は時間を追う事に増えていき、あまりの数にとうとう警官全員がサジを投げてしまったのだ。

(確かにおかしな話ですね…。)

話を聞いたエリカは軽く首をひねり、先程マックから聞いた『魔力反応がある』という話と合わせて今回の事件を推察した。

「…片桐さん、あの土壁はひょっとしたらホムンクルスと関係があるかもしれませんね。はっきりとした理由はわかりませんが。」
「ホムンクルスと?…それはあり得るな。」
「だとしたら、まず最初にやるべき事は…あの土壁を除去する事ですね。」
「そうだな。で、何か方法はあるのか?」

すると、近くで話を聞いていたサラが待ってましたとばかりにパジャマのポケットから一つのリングを取り出した。
どうやら、今回の事を想定して昨夜から作っていたらしい。

「エリカちゃん、これを使ってみて。」
「これは?」
「ディスペル・リング。魔法で作られた物体を除去するリングよ。」
「そうか、魔法には魔法で対抗するのか!」
「はぁ、なるほど!これでみんなを助ける事ができます!!」

サラからディスペル・リングを受け取ったエリカは、何かピンときたらしく急いで二階に上がり、私服に着替え直し準備を整えていた。



片桐とエリカが最初に向かったのは、商店街に高くそびえる巨大な土壁。
しかも、それが道路をはさんだ40m間隔で5枚もある。

「あぁエリカちゃん、待ってたよ。早くあの厄介な壁を破壊してくれないか?このままじゃ仕事にならないよ!」
「本当に頼むよ、竜の魔法使いさん!」
「わかりました、では皆さん…少し下がっていてください。危ないですよ!」

商店街の店主全員が出迎える中、エリカはディスクを出現させディスペル・リングを右手中指に装着しディスクにふれる。

『ディスペル!プリーズ!!』

そしてエリカは、温かい光の粒子が宿った左手で土壁にふれ、軽くなでた。
すると。

ドドドオォォォォ…ン。

何と、土壁が轟音をたてて崩れてゆくではないか。

「…よし!これなら、いけます!!」

エリカは一気呵成(いっきかせい)にリングの力を使い、商店街にあった土壁5枚全てを除去した。
これには商店街の全員も歓喜の声を上げて喜び合い、エリカをほめる。

「「「すごい、さすがは竜の魔法使いだ!!」」」
「ありがとう、これでやっと商売ができるよ!」
「よかったな、みんなに笑顔が戻って。」
「はい、では次にまいりましょう!!」

エリカはマシン・アバタールに乗り、パトカーに乗る片桐を率いて次の現場へと向かった。
だが、その様子を憎しみを込めて見つめる人影があった事に、誰も気がつかなかった。
そして、その背後にはホムンクルスの影も…。

「くそっ、とんだ邪魔者が現れたな。」
『…あぁ。』
「よし追いかけるぞ!何としても、あの魔法使いを倒す!!」
『もちろんだ!』



その後も、エリカは街のあちこちにそびえ立つ土壁を除去し、街としての機能を回復させていった。
ある時はビルの入り口、またある時は市立図書館の通路、またまたある時は目抜き通りの中央…。
その数は…数えていけばきりがないくらいに。
が、しかし。

「これで最後ですね。…あ、あれ?」
「…エリカちゃん?」

公園にある最後の土壁を除去した時点で、エリカは急に片桐に寄りかかる形で倒れ込んでしまったのである。
最初、片桐は疲れがたまっているのかと思っていたが、そうではないらしい。

「おっと!大丈夫かい、エリカちゃん?」
「はい…朝から何も食べてないので、お腹が空きました…。」
「そうか…そう言えば、朝から何も食べてないからな。とりあえずパトカーに戻って、そこで朝食にしよう。」
「…すみません。」

片桐はエリカを背負ってパトカーに連れて行き、後部座席にあったクリームパンと缶コーヒーを彼女に提供した。
片桐も助手席にあったアンパンをほおばり、缶コーヒーを口にし一息つく。
が、それもつかの間であった。

キイィィィィ…ン!

「片桐さん…敵の反応です。しかも、すぐ近くにいます!」
「…敵?まさか!」

あの音が、エリカの耳に聞こえたのだ。
しかも、すぐ近くまで来ているのかかなり音が大きい。
エリカはすぐさまドライバーオンリングを右手中指に変更し、同時に現れたディスクにふれ体制を整える。

『ドライバーオン!プリーズ!!』
「…エリカちゃん、まさか犯人がここに?」
「はい、もうそろそろ…来ました!」

彼女の言うとおり、その犯人はエリカの持つ魔力に吸い寄せられたかの様にやって来た。
見た目は二足歩行をするホワイトタイガーといった感じで、虎特有の鋭い爪はないものの右手には巨大な手斧を装備しており、屈強さをかもし出している。
ホムンクルスの一体…アースタイガー。
大地の力を持つ、パワータイプのホムンクルスだ。

『…貴様が竜の魔法使いか?』
「はい、私がそうです。」
「お前か、今回の事件の真犯人は!」

アースタイガーの問いにエリカは素直に答え、片桐はアースタイガーを見ていきどおる。
がしかし、今のエリカには笑顔はない。
そこには人々を困惑させ、絶望に追いやったホムンクルスに対する怒りが込められている。
その表情は…まさに阿修羅。

「なぜあなたが…この様な事を?」
『決まっているじゃないか、俺を出してくれたゲートの男の願いを実行したのだ!』
「願い?」

逆にエリカから問われたアースタイガーも、ゲートの男の心情を話しだした。
聞けば、ゲートの男は元々土木関係の現場監督をしており、かなり名が売れていた。
だがある日、工事の際に重大なミスをやらかし…日頃の人使いの荒さや費用の無駄づかいからリステラされてしまった。
その後、アースタイガーは男の怒りにより生まれたゲートを通って現れ、彼の復讐を手伝おうとしていたのである。

ホムンクルスはゲートを通過した際、相手の精神によっては肉体を乗っ取ったり自由に行動したりするが、中には相手の精神力に制御されたり心情を知って協力したり…といったケースもあるのだ。
だが、どちらにせよ『負の人造人間』に変わりはないため、悪しき願いしか聞き取れないのは事実ではあるが。

さて、リストラになった翌日…男はアースタイガーにある願いをかけた。
こうなったらヤケだ、この町にぬくぬくと住んでいる奴らに地獄を見せてやりたい…と。
ほとんど腹いせやうさ晴らしに等しいこの願いは、アースタイガーにしてみても負の力が手早く吸収でき更に自分自身が強化されるため、相当おいしい話ではある。
そして復讐鬼と化した男とアースタイガーは互いに合意し、今回の事件を引き起こしたのである。

「…話は大体わかりました。しかし、いくら何でも身勝手すぎます!」
「確かに、腹いせの類にしてもひどすぎる!今すぐやめろ!!」
『やかましい!…竜の魔法使いよ、お前を倒してもう一度あの男の願いをかなえてやる!』
「そんな悪しき願い…私が断ち切ります!」

エリカはドライバーを左手用に操作した後左手中指にリングを装着しバイザーを下げ、手形にふれる。

「…変身!!」
『オーケィ・ユータッチ・ヘンシーン!!…ディザード!プリーズ!!…ディーディー、ディーディーディー!!』
「イッツ…ショータイム!!」
『何がショータイムだ!ふざけるな!!』

ディザードに変身したエリカは素早くコネクト・リングでディザーソードガンを取り出しアースタイガーを迎え撃った。
片桐は懐から拳銃を取り出しアースタイガーに狙いを定めるが。

…ガサッ、ダダッ!!

脇の茂みから、何者かが片桐目がけて突っ込んできたのである。
それは、先程アースタイガーの話に出てきた元現場監督であった。
顔は多少やつれてはいるものの、ボサボサの髪に黒のジャンパーと紺のジーパンで身を固めており、ボクシングの心得があるのかファイティングポーズをとっている。

「貴様が、ゲートの男か…まさか自ら飛び込んでくるとはな!!」
「あいつに手出しはさせねぇ!俺の願いをかなえてもらうまではな!」

片桐は止むなく拳銃をしまい、何とかねじ伏せようと格闘戦に持ち込んだ。
犯人のストレートが片桐を捉え、片桐はギリギリで回避し犯人の腕をつかみ背負い投げを決めるが、犯人は綺麗に着地して再び片桐に迫り飛び蹴りを繰り出す。
片桐と強盗犯の力の差は五分と五分、二人による殴り合いは延々と続いた。

一方、ディザードとアースタイガーの戦いは…ディザードが不利であった。
ディザーソードガンで砲撃しても、アースタイガーは土壁を錬成し全て防いでしまうためダメージが通らないのである。

「…はぁっ!」
『おっと!』

続いてディザーソードガンをソードモードに組み直して斬りかかるが、やはり土壁で防がれ攻撃が通らない。
それどころか逆にアースタイガーの手斧がディザードの胸板を直撃し、一向にらちが開かない。

「くうぅっ、つ、強い…!」
『エリカちゃん、こうなったらナイトの力を借りるしかないよ。』
「うーん。…あ、ちょっと待って下さい。いい方法がありました!」

マギカドラゴンの提案にディザードはためらったが、何かひらめいたのか右手のリングを変更し、ディザーソードガンの手形を開かせ即座にふれた。

『カモン・タッチング・スラッシュ・ゴー!!…ディスペル!プリーズ!!』
「はぁっ!!」

ザシャアッ!!…ガシュッ!!

『ぐあっ!ま…まさか俺の壁が破られるとは!!』

ディザードは、ディスペルの光が宿ったディザーソードガンを一気に振り下ろした。
すると、土壁がまるで豆腐の様に斬り裂かれ、後ろにいたアースタイガーにまで攻撃が通じたのだ。
そう、土壁を除去するのに使用したディスペル・リングをディザーソードガンに応用したのである。
それによりアースタイガーの防御は完全に封じられ、ディザードが有利になった。
更にディザードは軽やかなステップでミドルキックを決め、ふり回してきた手斧には冷静にディザーソードガンで防御し、突き放した後左のハイキックをくり出して顔面を蹴りつけ、アースタイガーに攻め入るスキを与えない。

(くそっ、なかなか強い…俺にもっと力があれば!)
「さぁ、いきますよ!」

だが、アースタイガーもあきらめた訳ではなかった。
ディザードが追撃で斬りつけようとした次の瞬間。

シュッ!

「!!」
『こ、これは…!やった、やったぞ!』

そう、アースタイガーの背中に翼が生えたのである。
今まで街の人々から放出されていた、絶望や怒りを存分に吸い込んだアースタイガーは、ついに空を飛ぶ力を身につけたのだ。
こうなれば、アースタイガーにとっては願ってもないチャンスである。

「しまった、翼が…!」
『はっはっはっ、竜の魔法使いよ。俺に翼が生えた以上、もう邪魔はできないな。…さらばだ!』

アースタイガーは早速翼をはためかせ、大空へと飛翔する。
まるで水を得た魚の様に、悠々と。

「エリカちゃん、あいつが飛んでいってしまったぞ!どうするんだ!」
「大丈夫です。私は負けません!…マック、出番です。」
『OK、任せて!』

相変わらず元現場監督ともみ合う片桐の問いに、ディザードはあわてる様子もなく右手中指にリングを変更、手形を操作しふれる。

『ドラゴライーズ!プリーズ!!』

するとどうだろう、ドライバーのディスク部から光の玉が飛び出しマシン・アバタールに憑依したかと思うや、アバタール自体が粘土の様に変形し始め竜の姿に変わっていったのである。
マシン・アバタール…『化身』の名を持つそのバイクの、もう一つの能力。
それが『竜の精神体を宿らせ、具現化する』変形機能なのだ。

『エリカちゃん、さぁ乗って。』
「はい!」

黄金色に輝く竜…マギカ・ドラゴンはディザードを乗せ大空を舞い、アースタイガーを追っていった。

一方、片桐と元現場監督との格闘戦は長期戦に突入し、ついにはお互いの顔がパンパンに腫れあがっていた。
双方共に肩で息をしヨロヨロと立つ中、片桐は一呼吸して元現場監督の懐に飛び込むと、いきなりバックを取り…そして。

「どっせいぃぃぃぃぃ!!」
「ぶるほげらぁっ!!?」

何と、ジャーマンスープレックスで元現場監督を沈めてしまったのだ。
さすがの元現場監督も、頭にタンコブを作り…泡を吹いて気を失ってしまった。
いくら何でもやりすぎだ…と思うかもしれないが、これが片桐のやり方なのである。



ディザード&マギカドラゴンとアースタイガーによる空中戦は更にヒートアップしていき、ついに城北町上空で斬り合いが始まった。
アースタイガーは土壁錬成の技を応用した、大気中の水分を圧縮した巨大な棒状の矢を数発放ち、ディザードはディザーソードガンで斬り落とし更に間を詰める。
が、アースタイガーも続いて巨大な氷を左腕に錬成し、それを粉砕した細かく鋭い投げナイフをディザードに向けて放つが、それもマギカドラゴンが放つ火炎弾により大半が溶かされ、逆に火炎弾がアースタイガーに命中する。
しかし、数発はディザードに当たってしまいバランスをくずしてしまったが何とか落下だけはまぬがれた。

「きゃっ!…ふぅー、あやうく落下するところでした。」
『…やるな、竜の魔法使い!…だがそれもここまでだ!!』
「いえ、まだ…まだです!!」
『そう、決着はまだついていない!エリカちゃん!!』
「はい!!」

ディザードはディザーソードガンをガンモードに組み直すと、リングホルダーから新たにリングを取り出し右手中指に変更、ディザーソードガンにある手形を展開させその手形にふれた。
そのリングには雷のシンボルが刻まれており、ディザーソードガンに雷のエネルギーがチャージされてゆく。

『カモン・タッチング・シューティング・ゴー!!…ライトニング・シューティング・ストライク!!』
「…いきます!」

雷の銃撃…ライトニング・バレット。
そこから放たれた竜の頭部を模した雷はアースタイガーに直撃し、悪しき両翼を焼き尽くした後大地へと突き落としていく。
だが、ディザードは追撃の手をゆるめない。
マギカドラゴンは巨体をゆっくりと下げ、急降下の体制に入りアースタイガーを追う。

『ぐおぉぉぉぉ!!』
「これで、フィナーレです!!」

ディザードはディザーソードガンを魔法陣の中にしまい、新しいリングを右手中指に変更し手形にふれる。

『グッドチョイス!キックストライク!!…レディゴー!!』

足元に魔法陣が展開され、右足に魔力が集中してゆき…マギカドラゴンは自らの首をまっすぐに伸ばしてディザードをサポートする。
そしてディザードはマギカドラゴンをカタパルトにして追撃のキックを放った。
魔力満ちしライダーキック…マギカ・ブラスト。

「はぁぁぁぁぁっ!!」
『くそぉ…あいつの願いをかなえてから散りたかったあァァァァァ!!』

竜の背から放たれたその一撃はアースタイガーのみぞおちに命中し、空中で爆発四散した。



ディザードがアースタイガーを撃破してから数分後、ようやく片桐が要請したパトカーが公園に到着し、警官達が元現場監督を引き取っていた。
もっとも、頭に巨大なタンコブをつけ気を失ってはいたが。
肝心のディザードは、エリカに戻った後片桐の横で本来のおだやかな笑みを警官達に見せていた。

「…片桐さん、またやったのですか?署長から大目玉を喰らっても知りませんよ。」
「何を言うか、相手はかなりの腕っぷしだったんだぞ。これぐらいはやらないと。」

だからと言って、プロレス技で逮捕はどうかと…。
警官達は心の内でツッコミを入れながらも、逮捕した元現場監督をパトカーに乗せサイレンも高らかに現場を後にした。

「…じゃ俺も署に戻るよ。コーヒー、ごちそうさま。」
「あ、いえ…片桐さんもお気をつけて。朝食、ありがとうございました。」
「あぁ、またいつでも声をかけてくれ。」

片桐はパトカーに乗り先に行った警官達の後を追い、エリカも館館へと引き返していった。



午後になり、エリカとサラは学校から出されていた写生の課題をこなすため、城北町を見渡せる丘に来ていた。
二人はスケッチブックにのびのびと町の風景を描き、時々水筒に詰めたミルクティーを口にしながら二人は納得いくまで写生を続ける。

「今回、ディスペル・リングを作って正解でしたね。」
「うん、夜中のうちに作っておいて本当によかった。」

二人の会話もかなりはずみ…夕方頃、課題を終えた二人は足どりも軽く丘を後にした。



 
 

 
後書き
次回、epic3「増殖!?植物人間」 
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