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ロザリオとバンパイア〜Another story〜

作者:じーくw
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第68話 新聞部の修羅場

 
前書き
~一言~

またまた遅くなってすみませんっっ! その上メッチャ短いです……。
何とか少しずつ頑張りますので 暖かい目で見てくだされば幸いです……。


                                じーくw  

 



 昨日はつくねの誕生日で大いに盛り上がり、英気を養う事も出来ただろう。
 そして、これから始まるのが新聞部の本番。
 今まさに始まっているのが修羅場。つまり、締め切り前と言う名の修羅場である。

「そういえばさ……、季節感無いよね? オレ達って いつまで冬服なんだろ?」

 つくねは、窓の外を見ながらこの学園の不可思議さを改めて実感していた。

「(今更だけど、 マジで人間界とは遮断されてんだなぁ。 学園(ここ)って……)」

 つくねは完全に上の空になっていた。つまり現実逃避だ。
 そうなってしまうのも判らなくもないが、今は正直頂けないから カイトは檄を飛ばした。

「コラ! 現実逃避するのは結構だが 手は動かせ!! つくね!」

 どうにか正気に戻った様でつくねは苦笑いをしていた。

「あははは…… ばれちゃってた? オレ現実逃避に入ってたの?」
「まあ、気持ちはわかるが、業務全部押し付けんなってこった。皆大変なんだぞ?」
「あはは、確かにわたしも気持ちは分かるよ? 昨日つくねの誕生日だったのに いきなり締切前でハードだもんねー……。しょうがないよ」
「はぁ、モカって結構つくねに甘いよなぁ……。ま、ぼやいても始まらないし、ちゃっちゃと済ませよう」

 恐らくは今の修羅場を体験してる全員がそう思った事だろう。
 今は先日の美術教師の事件を新聞にしているところなのだ。


 そして新聞はスピードが命である。


 新鮮な情報を新鮮な内に購読者に届ける。(購読者、と言うよりは生徒だけど ご愛敬)

 誕生日のわいわいムードから一転。命がけと言っても過言ではない。全力回転せねばならない新聞部なのであった。








 ちゃっちゃと済ませよう、と頑張りだしたカイト。暫くは無言で 集中して取り掛かっていたのだが、段々表情が変わってきた。


「………ふ、……フフ……」


 突然笑いだしたのだ。当然だけど カイトは普段そんなキャラじゃないからビックリして全員の視線が一気に集まってた。


「いつまでも 部活トラウマになってるオレじゃないぞッ! オラオラオラオラァーーー!! 修羅場だろうがなんだろうが、どんどんかかって来いやぁー!! ぜーーーんぶ殺ってやんよぉぉぉぉ!!!」


 オラオラオラオラオラッ!! と、何処かのラッシュ攻撃でもしようとしているのか、叫びながら、それでいて指は繊細に動いていて カリカリ~~と書いている。思わず声に出して笑ってしまいそうな光景だけど、今は本当に修羅場だからあまり声には出さない様に笑った。

「ははは 良かったね? カイト、部活病? 克服できたじゃん……」
「そうみたいだねー……」
「へー カイトがすっごいやる気なのは素敵だと思うけど~ さすがに折角の土日に部活でカンズメなんてね~」

 いつもなら、カイトに向かって 素敵ーっと飛びついてくる くるむなのだが、さすがに疲れているのか、ややげんなりしていた。

「本当ですー これじゃ まるで締切に追われる漫画家ですぅ。……おまけにノーギャラ?」

 ゆかりは、何やらリアルな事を言っていた。漫画家事情に詳しいのだろうか?

 そして、頼りになる我が部の部長はと言うと。

「甘ったれんな!! 新聞も漫画と同じで締切厳守やッ!!! 」

 編集長、ではない。ギン部長から檄が飛ぶ・・・

「一面を飾る美術教師の事件がおとといの木曜!つまり来週の頭には そいつが記事にならへんと 〝新聞〟とは呼べんで ぜーいんカイトを見習えや! それに泣き言は締切守ってから聞いたるわ」

 新聞を読みながら珈琲を片手。まるで優雅な朝のよう・・・・・って!! 当然ながら皆怒る。

「ギン先輩もコーヒーでくつろいでないで手伝ってくださいッ!! 先輩こそカイトを見習ってよ!!」

 モカが第一声だった。効いている気配は全くなかったのは仕方がない。



「オラオラオラ……………」

 一心不乱にカイトはひたすら書いていた。全く周りが見えてない。

「あはは! カイトさん凄いですー それに比べ ギン先輩はえらそーな編集者みたいですぅ!」

 ゆかりは笑っていた。何だか説得力のあるたとえである。

「いや……、何で漫画に結びつけてんの!!? ま、まぁ別に問題ないけど」
「まあ わたしは つくねとカイトが一緒なら何やったっていいもん♪」

 そう言うとつくねにまずは抱きつく。
 カイトは今トランス状態の様だから一先ず後回しにして。

「ちょっとぉぉ! くるむちゃん!!」

 モカがくるむに詰め寄り 火花を散らせた。

「またまた泥沼の争いが始まったですーー!」

 ゆかりは そのやり取りを存分に楽しみ、つくねはただただビックリしていた。勿論ながらそうそう慣れるものじゃないから。女の子に抱き着かれる事なんて。

「モカ! つくねの誕生日に抜け駆けするつもりだったみたいだけど! そうはさせないよっ! つくねもカイトも絶対渡さないもん!!」
「もーーっ! くるむちゃーーん!! くるむちゃんのでもないでしょーっ!」




 楽しそうに騒いでいる新聞部。





 その新聞部の皆を遠くから監視……覗いている者がいた。



「うふふ いたいた……っ♪ ぼくの愛しいひと…… 今日も とってもかわいいなぁ やっぱり こうやって見ているだけじゃ我慢なんてできないよ・・・ まっててね・・・すぐに君のこと・・・抱きしめてあげるから・・・ フフフ・・・」

 ビデオカメラを片手に覗き、満足したのかその後は 校舎へと消えていった。


 
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