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天国と地獄<中世ヨーロッパパロディー>

作者:Gabriella
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8 有名人は影でゴシップされ放題なのは、自然なことである。

そして、歓喜の波はハッフルパフにまで伝わった。



_「零杏もそうだけど、銀さんもそれに負けず劣らずスゴかったわよぉ~!私、銀さんのことしか見てないから!」

と、あやめちゃん。
そう、彼女は何を隠そう、銀時のストーカーである。


無論、銀時はツッコむ。

_「ってお前、オレばっかり観てんじゃねェかッ!オレばっかり観てないで、少しは零杏を観てやれよ。」

_「私は、銀さん専用の敏腕ストーカーだもの。そのくらい朝飯前よ!」


やれやれ。相変わらずだな。




あやめちゃんのストーカーは、今に始まったことではない。私たちが入学したときからである。同じく近藤さんも、ゴリゴリの敏腕ストーカーである。もちろん、妙先輩専属の。








だが、零杏を囲んで起こっているこの光景をじっと見ていた人物がいた。
スリザリンの高杉たちである。


相変わらず零杏を凝視している高杉の隣で、万斉とまた子が会話していた。

_「晋助様、また零杏ばっかり見てるッス。変わらないッスね。」

_「ま、晋助は零杏に夢中でござるからな。」

_「でも、麗奈様が悪魔族であるとすれば、零杏はその姉であり、天使族であるはずッス。
なぜ、麗奈様は零杏を連れ去るなんて、命令されたんスか?」

_「拙者も分からない話でござるよ。だが、その話は神威殿から伝わって来たのでござろう?」

_「麗奈様は、王座を狙っておられるんスか?」



_「多分、そうでしょう また子サン。」

後ろから口を挟んだのは、武市である。かれは、半分悪魔族になったばかりの下級悪魔族である。
高杉の一派に加わったが為に、元は一般人だったが、高杉に血を吸われ、悪魔族の仲間入りを果たした。
ちなみに、血を吸われた者は、血を吸ったものの部下となる。


_「武市変態!いきなりなんスか!?びっくりさせないでくださいよ、」

_「変態じゃありません、フェミニストです。おそらく零杏殿は、天使族の方です。だからこそ麗奈殿が探しておられるのでしょう、死ね猪女。」

_「天使族だからこそ、というわけッスか。なるほど、お前が死ねロリコン野郎。」

_「ロリコンじゃない、フェミニストです、って前からずっと言っているでしょう?いい加減学習しなさいよまた子サン!?」

_「まぁまぁ、ここは状況を見守るでござるよ、二人とも。」






一方、同じスリザリンの列に座っていた悪魔族の皆様は、零杏のゴシップをしていた。

_「ねぇねぇ、あの子があの”零杏”?」

_「どうやらそのようね。」

_「噂じゃあの子、天使族の上の方って聞いたんだけど、晋助様がご執心だわよね。」

_「晋助様は上級の悪魔族でしょう?なぜあのような身元も分からないような女に執着なさるのかしら?」

_「彼女は、伝説の双子の片割れらしいわ。」


そう、あの伝説である。
 
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