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星河の覇皇

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第六十六部第三章 幸せの国その四

「連合は政治風土的に開拓、開発を念頭に置いていますので」
「民主主義の方がいいのですね」
「議会制民主主義で」
「君主制、共和制の違いがあっても」
「それでもですね」
「むしろこの国は独裁の方がよくない面がある」
 連合はというのだ。
「じっくりと話して開発、開拓を行い内政を進めていく」
「強力な敵もいないので」
「内政を的確に進めていく為にですね」
「独裁よりも民主制の方がいい」
「そして多様さ故に」
「文明的、文化的多様性の他に巨大さもあるな」
 アッディーンは連合のその巨大さからも話した。
「連合は建国当初から多様であり巨大だ」
「だから分権ですね」
「各国に内政の権限を大きくしたのですね」
「巨大故に一つになってはかえって内政にムラが出来るので」
「それで、なのですね」
「そうだ、しかし分権が過ぎている」 
 連合を的確に統治する筈のそれがというのだ。
「分権は確かによくともだ」
「それが過ぎてはですね」
「国家としてのまとまりを欠いて、ですね」
「円滑かつ的確に機能出来なくもなる」
「そういうことですね」
「そうだ」
 連合の欠点がここでも話された、ブータンにおいても。
「それが難点だ、しかし」
「連合は議会制民主主義がですね」
「一番合っているのですね」
「それも分権制が」
「中央集権ではなく」
「そうなのだ、そしてオムダーマンもだ」
 議会制民主主義国家だったというのだ。
「長い間そうだった、しかしそれもだ」
「統一すればですね」
「その時はですね」
「帝政になり」
「中央集権国家になりますね」
「そうなる、その時はな」
 こう言うのだった。
「議会はあるがな」
「中央の権限が強く、ですね」
「国家元首である皇帝の権限が強い」
「そうした国家になりますね」
「サハラ全体を考えての統治システムになる」
 オムダーマン一国ではなく、というのだ。
「不思議と連合は君主制は認めていてもだ、中央政府のシステムはだ」
「絶対に共和制ですね」
「共和制以外のものは欲していませんね」
「むしろ拒絶反応さえですね」
「考えていませんね」
「そうだ、若し連合中央政府の国家元首が皇帝ならばだ」
 君主制でだ、そうであればというのだ。
「三百以上の国の上にだ」
「皇帝がいる」
「そうなるのですね」
「そしてそのことはですか」
「連合全体としましては」
「大統領は選挙で選ばれ任期がある」
 アッディーンはこのことも指摘した。
「つまりどの国の人間も大統領になれる」
「しかし君主は違いますね」
「血族によってのあるものです」
「皇帝も王も」
「そうですね」
「そうだ、三百以上の国が一つの血族に治められる。それはだ」
 連合全体としてはというのだ。
「一つの国の君主ではないのだ」
「連合全体の君主となれば」
「それは受け入れられない」
「それ故に連合中央政府の国家元首は大統領なのですね」
「共和制なのですね」
「そうでなければ動けない」
 連合という国はというのだ。 
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