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ブレイブソード×ブレイズソウル~蒼炎の焔刀~

作者:村雲恭夜
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第一話

「朝か…」

自宅の窓から太陽の光が差し込む。
罪火は欠伸をしながらベットから降り、椅子に掛けていたコートを羽織り、階段を下りる。

「起きたか、主」

刀の手入れをしながら、相棒の魔剣『神刀 フツノミタマ=カグツチ』が話しかけてくる。
罪火は机の上に置いてあるパンを掴み、齧りながらカグツチに聞く。

「他の奴らは?」

「今日はオフだからな。キングは奏霆鴉の付き添いで魔剣鍛冶病院へ、ヘルは買い物、ニルヴァーナはいつも通りロルリアンレット世界図書館に行っている。我は見ての通り、刀の手入れだ」

「そうか。奏霆鴉の奴、魔核機関が安定してねぇのか」

「如何やらそうみたいだな。流石は封印指定されていた魔剣、と言ったところか」

罪火はため息をつきながら、立てかけていた刀を装備する。

「出かけてくる。訪問者が来たら魔剣鍛冶病院にいると言っといてくれ」

罪火はそう言うと、扉から外に出た。


✙✙✙



魔剣鍛冶病院。
魔剣を治す際に魔剣使い達が利用する施設だ。その地下室に、罪火が所有する研究施設兼特別治療室がある。

「クランベリー、居るか」

その扉をあけながら、居るであろう鍛冶病院の主の名を呼ぶ。

「あら、そろそろ来る頃だと思っていたわ」

罪火の声に反応し、答える声が返ってくる。
ここの魔剣鍛冶病院の主、クランベリー。その奥には術着を着てベットで寝ている奏霆鴉が。

「奏霆鴉の様子はどうだ?」

難しい顔をしながらクランベリーがカルテを差し出し、言う。

「はっきり言って生きてるのが不思議なくらい。貴方の悪魔の鍵のお陰があっても、ここまで魔核機関がぼろぼろの状態で活動できている魔剣は彼女くらいよ」

罪火は首にかけている紅き鍵を掴みながら言う。

「『運命を掴む鍵《フェイトリンク》』…」

クランベリーがカルテを取り上げながら言う。

「貴方の悪魔の鍵は本来生まれるはずの無かった鍵。貴方の存在その物であり、彼女たちの存在その物」

クランベリーは遠い目をして言う。
それを見ながら罪火は奏霆鴉の近くまで歩を進めると、クランベリーからカルテを奪い取る。

「改めてみると、とんでもない能力だよな」

「魔剣と融合する能力『魔鍵統合(ユニゾンレイド)』、魔力供給することで魔核機関を同時に回復させる『魔核回復(マナリジェネレイド)』、他の魔剣使いを強化する『魔剣強化(バーストソウル)』…。魔剣使い全員泣かせの破格の能力よ全く」

罪火はため息をつきながら言う。

「それは俺に言うな…。で、奏霆鴉の魔核はどうにかなりそうか?」

「まぁ暫く検査しないことにはわからないわ。暫く預かってもいいかしら?」

「よろしく頼む。終わった後は連絡くれ」

罪火はコートを翻しながら扉に向かう。
そんな罪火に、クランベリーは小さく言う。

「…また無茶しなければいいのだけど」

その声は、扉の奥に消えた罪火の耳に届かなかった。



✙✙✙




階段をのぼり、地下室の扉を開くと、他の魔剣使いが利用する共有スペースに出る。
罪火はその一つのカーテンを開ける。

「おい、キング…」

罪火がカーテンを開けると、着替え中だったのか、セイブザキングスが半裸の状態でベットの上に座っていた。

「あ、我が王。奏霆鴉の様子は…」

「すまん!!」

罪火はすぐにカーテンを閉め、後ろを向く。

「なんで半裸なんだよおまえ!」

「着替えていたんです!あ、我が王が見たいのであれば見ていただいてもいいですよ?恥ずかしいところなどないので」

「恥じてくれ!頼むから恥じてくれ!とっとと服着ろばか!!」

罪火はため息をつきながらその場を離れると、にやにやしながら四人の魔剣を連れた男が寄ってくる。

「お前の周りには楽しいやつしか集まらねぇな、罪火?」

「げっ…、カナリア」

男の名はカナリア。『龍王(ドラグロイヤー)』の二つ名を持つ魔剣使いで、時々罪火とパーティを組む魔剣使いの一人だ。

「嫌そうな顔すんなよ、罪火」

「あんなとこみられて嫌そうな顔しない魔剣使いはいないだろうよ…」

「確かにな。で、そんなお前に依頼を持ってきてやったぞ」

ぴらぴらと依頼書を見せ、カナリアは言う。

「討伐系の依頼じゃねぇか。お前とバハムートたちなら問題ねぇだろ?」

「まぁ確かにそうなんだが…この一文が気になってな」

「一文?」

罪火は依頼書を奪い取り、説明文を見ると、ため息をつく。

「…確かに俺らの案件だな、この依頼は」

「だろ?だから一緒に行こうぜ?」

「俺は今日オフだったんだがな…」

罪火は出て来たセイブザキングスの方に向くと、ため息をつきながら言う。

「オフは終わりだ、悪いがカグツチたちを呼んできてくれ」

「了解しました」

セイブザキングスは扉から出ていくと、カナリアは笑いながら言う。

「なんか悪かったなぁ」

「悪いと思うなら持ってくるんじゃねぇよ仕事をよ…」

深い溜息を吐きながら、コートのポケットからゴーグルを取り出し、頭に付けた。 
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