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碧い銀河

作者:fw187
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賊軍の潰滅

 救国軍事会議のクーデター、アーサー・リンチ元少将の煽動と破壊工作は行われなかった。

 自己顕示欲と権勢欲の強い政治家、最高評議会議員達は帝国領侵攻を画策したけど。
 第11艦隊司令官ルグランジュ中将に、ヤン提督の追討は無理だよね。
 同盟軍の戦力は鋼鉄の砦に集中され、ハイネセン警備の艦艇は航続距離が短い。
 慣熟訓練中の戦艦を掻き集めたけど、遥か手前で事故続出の事態に陥っている。

 宇宙暦797年6月22日、スタジアムの虐殺が起こる事は無かったんだけど。
 ラップ少佐の婚約者、ジェシカ・エドワーズさんは数多の求愛者を完璧に撃退。
 同盟軍の双璧と尊称される撃墜王、某隊長も畏敬の念を抱いたみたい。

 女の少ない要塞だから男性は選り取り見取り、と踏んでいた同性達は想定外の強敵に戦慄。
 様々な黒い噂が乱れ飛び、男性陣の想像を絶する(ルール)無用の激闘が展開された。
 冗談や噂話の種は尽きないけど、一旦、置いといて。
 ヤン提督の留守中、ヨブ・トリューニヒト最高評議会議長が脱走した。

 人心収攬の天才は魔術師に対する羨望と嫉妬を籠め、煽情的(センセーショナル)な演説を開始。
 帝国と手を組む売国奴、民主主義の敵と誹謗中傷の嵐が自由惑星同盟の全領域に拡散している。


 蒼氷色《アイス・ブルー》の巨弾は敵味方の度肝を抜き、ガルミッシュ要塞は放棄された。
 キフォイザー星域会戦で貴族軍は惨敗、5万隻の艦艇は約3千隻に激減したけど。
 シャンタウ星域に老練な帝国軍の宿将が現れ、ロイエンタール提督に撤退を強いる事は無かった。
 メルカッツ上級大将の妻子は僕の上司が匿い、厳重な警備を敷き脅迫の事態を未然に防いでいる。

 水色の瞳を持つ艦隊指揮官、ファーレンハイト中将にも捕虜交換式の前から勧誘が開始された。
 アスターテ会戦に参加の際、各個撃破の戦術に好感を抱いた提督に異存は無かった。
 富と権勢を誇示する傲慢な門閥貴族の勧誘を断り、ローエングラム陣営に名を連ねている。

 キフォイザー星域会戦の後で要塞の中枢、司令官室で自爆した狙撃兵大隊のラウディッツ中佐。
 味方から砲撃された補給部隊の生存者、コンラート・リンザー中尉も僕達の同僚になっている。
 カストロプ動乱で昇進した際、優秀な人材と認めた僕の上司が引き抜いていたんだ。

 対ラインハルト強硬派の筆頭、フレーゲル男爵は戦艦ウィルヘルミナ艦橋で部下に射殺され戦死。
 ブラウンシュヴァイク公の旗艦は要塞周辺宙域の艦隊戦で被弾、捕虜となり戦死を免れている。
 連戦連敗の門閥貴族は完全に民衆の支持を失い、ローエングラム侯爵の評価は急激に高まった。 
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