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星河の覇皇

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第六十六部第一章 新兵器その二

「それで常にエウロパ軍の動きをチェックしていてでしたから」
「そして動いていて」
「常に先手を打たれていましたから」
「だからですね」
「エウロパ軍も偵察の重要性は理解している」
 その彼等もというのだ。
「確かにな、しかしだ」
「それでもですね」
「連合軍の偵察能力は極めて優れていた」
「そのエウロパ軍より遥かに」
「それは仕方のないことですね」
「そうだ、連合軍の艦艇はとかく遅い」
 機動力には欠ける、それが連合軍の艦艇の特徴だ。重装備重防御であるだけにその部分においてはかなり劣っているのだ。
「しかしだ」
「その遅さを補う為にですね」
「能力の高い偵察艇を多く持っていて」
「常にあらゆる方角をチェックしている」
「そして敵の行動も見ていて」
「敵の動きを見て対応してくる」
「エウロパ軍もそれにやられましたね」
 連合軍の数とだ、その攻撃力と射程それに防御力だけでなくというのだ。
「敵に事前に居場所や数、編成等を察知される」
「それだけで戦術においては大きく遅れを取ります」
「エウロパ軍はよくそれで先制攻撃を受けました」
「それで、ですね」
「エウロパ軍はかなりの損害を出した」
「その教訓ですね」
「その結果だ」
 まさにというのだ。
「各艦艇に搭載している偵察艇の数を増やした」
「搭載出来る限りを」
「そしてですね」
「偵察能力を強化した」
「彼等の可能な限りですね」
「そうしたのですね」
「そうだ、だからエウロパ軍は偵察能力を強化したのだ」
 まさにというのだ。
「これが教訓だ」
「連合軍との戦争で得た」
「そうなりますか」
「そうだ、それにだ」
 それに加えてだった。
「ダメージコントロールもな」
「それもですね」
「上昇させていますね」
「艦艇、そして乗員が生き残る為に」
「是非にですね」
「ダメージコントロールを強化した」
「そうさせたのですね」
 官僚達もこのことがわかった、エウロパ軍のこの進歩がだ。
 そのことを知ってだ、彼等はまた話した。
「そういえば連合軍はダメージコントロールも相当なものです」
「攻撃を受けても容易には沈みません」
「すぐに回復しますし」
「乗員のサバイバル能力も高いです」
「そのことも知ってですか」
「ダメージコントロールも強化した」
「そうなのですね」
 官僚達が言うとだ、クリシュナータもまた言った。
「そうだ、最新の技術に艦内の設定も考慮してな」
「ダメージコントロール能力を上昇させて」
「サバイナル能力も高めた」
「そうなのですね」
「新兵器には」
「彼等とて愚かではない」
 エウロパ軍もというのだ、ただし彼等の敵である連合の者達からしてみれば違う。エウロパ軍だけでなくエウロパ全体が非常に愚かだ。
「決してな」
「その為ですね」
「教訓を得ている」
「そのうえで、ですね」
「次の戦争に備えている」
「勝利の為に」
「兵器は戦争を起こることを想定して開発、製造される」
 この状況は普遍である。 
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