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星河の覇皇

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第六十六部第一章 新兵器その一

                       新兵器
 エウロパ軍が新型兵器の開発を設計の段階で進めていると聞いてだ、クリシュナータはマウリア国家主席の席から言った。
「これは売れるな」
「連合、サハラ各国にですね」
「情報として」
「いい情報だ」 
 報告をした武官達にも述べる。
「これはな」
「売れるからですね」
「まさに」
「情報は売り買いするものでもある」
 確かな声での言葉だった。
「だからだ、ここはだ」
「売る」
「そうされるのですね」
「双方にな。しかし我々はその情報を掴んだが」
「その全てはですね」
「教えないですね」
「それはしない」
 決して、というのだ。
「このことについてはな」
「あえて、ですね」
「そうされますか」
「今は」
「情報は売るのならだ」
 商品、それならというのだ。
「こちらが最も得をする様に売るべきだな」
「はい、確かに」
「そのことはその通りです」
「適切な値段で適切な状況で売る」
「そうあるべきですね」
「だからですか」
「この場合も」
「連合にもサハラ各国にも全て教えない」
 手に入れた情報の全てをというのだ。
「あえてな。しかしだ」
「それでもですか」
「ある程度はですね」
「売ってそして」
「こちらが利益を得ますか」
「そうする、今回もな」
 そうしてだった、クリシュナータはエウロパの新兵器の情報をだった。連合とサハラ各国即ちオムダーマンとティムールに流すことにした。
 そしてだ、その新兵器をだった。彼も手に入れた情報からチェックしたが。
 それを見てだ、彼は言った。
「艦艇の主砲等は武器は変わっていないな」
「あまり、ですね」
「これといってですね」
「変わっていませんね」
「これといって」
「そうだな、考えてみればだ」
 ここでだ、クリシュナータはこうも言った。
「今の状況でだ、エウロパの艦艇はだ」
「その武器の状況はですね」
「最高の状況でしたね」
「エウロパの軍事技術からは」
「そうした状況でしたね」
「軍事技術的にもそうだしだ」
 それにというのだ。
「艦艇の状況でもな」
「搭載出来るぎりぎりですね」
「主砲やミサイル、魚雷も」
「あれ以上はですね」
「変えられないですね」
「そうだ、それに防御力もだ」
 それもだった。
「特に変わっていないが」
「それもですね」
「今の時点で限界だったからこそ」
「これもですね」
「変わっていませんね」
「変えられる筈がない」
 とてもというのだ。
「だから攻撃力と防御力は変わっていないな」
「索敵能力もですね」
「偵察艇自体の性能はです」
 無人のそれのだ、連合軍もエウロパ軍も偵察艇は無人だ。無人のものを出してそして送っているのである。
「それも変わっていません」
「特にです」
「それもまた」
「ただ、数は」
「増やしているな」
 そうなのだった、偵察艇の数は変わっていなくともだ。
 搭載数は増えていた、クリシュナータはそれをチェックして言った。
「エウロパ戦役の教訓だな」
「敵だった連合軍は偵察艇を多く持っていて」
 しかもかなり高性能のだ。 
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