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『遺り続ける傷』

作者:零那
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『唯ひとつの願い』



好きな音楽
聴くことさえ
出来ない家

必要な勉強
宿題さえ
させて貰えない

ご飯すら
貰えないのは
もう当前の事で

此の家が異常
ってのは随分前に
シッカリ解ってる

そんな事にも
もう慣れてた筈で
其れでもたまに
憎くてたまらない

理不尽に覆われた
腐った空間で
一体何が出来る?

法的な裁きを
する為にも何を
どうすれば
良いか調べ方も
解らないような
無力な子供に
一体何が出来る?

筋トレと称した
自己満足の虐めに
耐える意味は?

身体測定と称した
性的虐待に
穢され続けて
腐り果てた此の躰
生きる価値は
無いだろう

警察すら
どうにも出来ない
手が届かない
そう言うだけ...

冷水を浴びせられ
雪降る夜風に
曝され惨めな人生
震えた理由は
寒さと悲しみでは
無かったんだ

あれはきっと
強烈な殺意を抱き
己に怯える程の
狂気を抱えた
其の瞬間...

もし願いが
叶うならば...
本気で唯ひとつ
願っただろう

永遠に朽ち果てろ
唯々、二度と生を
受けるなと...


 
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