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鋼の錬金術師 貴方を守りたい――12人の巫女と1人の神――

作者:猫丸
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第十三章 腹の中に眠る異世界への扉

第十三章 腹の中に眠る異世界への扉




エドが目を覚ますとそこは血の池地獄だった。
周りには何かの破片らしきものとそれに灯る火。
そして足元には海のように何処までも広がっている血の海。
ここが何処なのか全然分かっていないがとにかく皆を探してみることにした。

『ザブーン ザブーン』
エド「おい、誰かいないのかァ?! アル、返事しろォ! 何処なんだよ! ここは!!」
誰かに向かって言ってみるが、誰からも返事がない…。
エド「ええい、バカ王子ーーーー!!!!」
???「バカとはなんだ、バカとハ。」
エド「おっ? リン!」
なんと、今度は返事が来た。
タイマツを持ったリンがエドの方へと歩いてくる。
リン「一国の皇子になんたる言い草だ……。」
エド「無事だったか…! ……おめぇ…。」
再会を喜びリンの元へ駆け寄るエドだったが何かに気が付き、行くのを止める。
リン「なんダ?」
エド「エンヴィが化けたりしてねぇーよな?」
リン「あのな……なんだったらホテルのルームサービスのメニュー全部言ってやろうカ?!」
エド「よしっ、本物だ。」
リン「そっちこそ、偽物じゃないだろうな…このマメ…」
エド「誰がァァァァ、マメツブドチビだボケェェェェェ!!!!」
リン「よしっ、本物ダ」
それぞれの方法でそれぞれが本物であることを確認し合った二人。
そんな二人の元にもう一人お客が来る。

アルト「あ、エド! リン!」
アルトっぽい人が二人の方へと走ってくる。
二人はその人物を見て、
エド&リン「お前誰だ?」
と聞いてみて、
アルト「酷い! アルト・リンクだよ!!」
エド&リン「よしっ、本物だ。」
アルトが本物かどうか確かめた。
結果は本物だったらしい…。
それから、三人はここが何処なのかを探索しながら考えることにした。

エド「しっかし、ここは何処だ…?」
辺りを探索しながらここが何処なのか調べる三人。
急にリンが足を止め、
リン「確かあの時、グラトニーにばっくり飲まれて…。」
アルト「さすがに、お腹の中がこんなに広いわけないでしょ。」
ここはグラトニーの腹の中ではないと思って居るエドとアルトに腹の中である証拠を見せる。
リン「だけど、見ろヨ。」
エド&アルト「っ!」
リン「さっきまで俺達が居たはいよくダ…。それにこっちモ。」
次にリンがタイマツを向けた場所には一台の車が転がっていた。
エド「これは…中尉の車?」
リン「そこいらの火もおそらく大佐のじゃ無いカ?」
ここに来る前グラトニーがロイの焔を飲んでいたのを思い出した二人。
アルトは「やっぱりここは……」という恐怖心にかられた。
エド「ってことはマジでここはグラトニーの腹の中なのか?」
リン「分からン。ろくでもない場所だってことは確かだろうけド……。」
エド「ん? ちょっとそれ貸してくれ!」
暗闇の中からエドが何かを見つけた。
エドはリンからタイマツを借りて、見つけたものへ駆け寄った。
アルト「エド、何を見つけたの?」
エド「二人とも…これ…。」
エドの手にはアルの片手が握られていた。
リン「アルのか?」
エド「手だけってことはアルは飲まれてないんだ…。良かった…。
   心配してるだろうな…アルの奴。ココが何処かもわかんねぇーし…。」
アルは無事だがここがどこだか分からない。
悩みに悩んだエドの答えは…


エド「あーーーーー、目覚めよ俺のテレパシーーーーーーエルリックテレパシー―ー!!!」
意味の分からない方向に走ったものだった…。
呆れたリンとアルトは…
リン「勝手にやってロ。」
アルト「…うん、そうだね。」
しれ~とその場から離れて行った…。
……変なこともあったが気を取り直してまた探索を開始する三人。
エド「いろんな建物や白骨死体が転がっているけど、時代がばらばらだ…。」
リン「そもそも、出口があるのか? ここ。」
エド「知らん。無けりゃ、作る!」
アルト「作るって何処に…?」
エド「…………。」


***


錬金術を使って大きなを作りそこから脱出することにした。
みんなは、忘れていないだろうか?
三人はすっかり忘れてしまっているがここにはあとレンリとシレーナとエンヴィもさまよって居ることを…。
エドが錬金術で大きな穴を作り出した。
エド「よっし、火をくれ。」
リン「おお~、凄い…。よしどれっ!」
穴の中にタイマツを落として見る。
『コンッ』




エド「そこにあたる音がしない……。」
リン「壁だァァァァ壁を探そうォォォォォ!!!」
アルト「そうだァァァ!!」
エド「こんな真っ広い場所でもまっすぐ走り続けてたらいつか端にたどり着く!!
   出口だって見つかるはずだァァァァァ!!!!」
もうやけくそじゃぁぁぁぁ的なノリで三人は出口を探すため、壁を探すために全力質素で走り続けた。


エド達3人がやけくそになって走っている頃、エド達とは別に集まったレンリ、シレーナ、エンヴィの3人は、
レンリ「シレちゃんはあっちに持ってて! エンヴィはそっち! 」
レンリの指揮のもと何かの準備をしていた。
そして動き回っている3人の事をある生き物が見守っていた……。
ハイキングベアのガ王「……アルトさんLOVE」
高さ50㎝のチビハイキングベアがダンボールの中に入っている…。
彼の名前は、ガ王。
この世界の住人で、突然現れたアルトに一目ぼれをした恋するクマなのである。
今はレンリのペット化してしまったが……。
レンリ「よしっ! 完成だァァァァ!!!」
シレーナ「……良かっ…た…。」
エンヴィ「ふぅ~、疲れた。」
みんな? 協力して作ったものは何かと言うと…


レンリ「出来ました! お茶のセットォォォ!!!」
お茶のセット……畳、傘、桜吹雪、スーパーで買ってきたお茶、紙コップのすべてを合わせて言う。
「って、これ前のⅡの奴で出てきた奴じゃねぇーかァァァ!!!」と誰か突っ込んでほしい。
ガ王「って、これ前のⅡの奴で出てきた奴じゃねぇーかァァァ!!!」
あ、ガ王がツッコんでくれた…。
そうこれはⅡで一番最初に出てきたネタなのである。
そして、Ⅱでは死んでいたハイキングベアこそがガ王なのである。
背が縮んでるし生き返ってるのは流してほしい。
だって、彼はやっと蘇生出来て恋を知ったのだから///


用意したお茶のセットで3人と1匹はまったりとした時間を過ごす。
レンリ「じゃあ、エド達が私達のフラグ建立てるまでここで休んでようか?」
エンヴィ「そうだね。これ以上することなんてないし。」
シレーナ「…ない…ない…」
ガ王「うんうん。」
いや、あるだろ!! いろいろと!!
全「……ないない。
駄目だ…こいつら人の話を聞く気0だ……。
エドォォォ、早くこのバカ達を出せるフラグを立てぇぇぇぇ!!!
心の底から叫ぶ作者であった……。

話はエド達に戻そう…。
人間の体力にも限界はある。やはりずっと走り続け出口を見つけようなどという考えは甘かった。
リン「足元こんなだとすげぇー疲れんナ。」
もう走っておらず皆ゆっくり歩いている。
アルトは結構体力を消耗したみたいで話す元気すらも無い。
エド「ああ……しかもずっと出口ねぇーし…。」
もう半分あきらめたという感じでエドは言う。
リン「腹減っタァ~」
エド「出られたら、好きなだけメシ食わしてやるよ…。
   好きなだけ食って、好きなだけ寝て…」
リン「あっ。」
『バシャン』
一番先を歩いていたエドの後ろから大きな音が聞こえて来た。
何事だと思って振り向いたエドの見たものは、
エド「リン?」
リン「もう駄目ダ……。」
エド「おーおー、もうリタイヤかよ。」
落ちていたマルタに倒れ込んでいるリンの姿だった。
アルトはその近くでしゃがみ込んでいる。


エド「だらしねぇーなぁ…。こんなところでも、行き倒れるつもりかよ!
   立てっ! 歩けっ! 先行くぞコラァ!!」
リン「行けヨ…。」
エド「けっ、この根性なし!! 俺は行くぞ! こんなところでくたばるわけにはいかないからなっ!!
   本当に俺一人で行っちゃうぞ?! 本当に本当だぞ?!」
本当に先に行きそうな雰囲気だったが、
エド「たぁっく……。」
タイマツを口にくわえ、アルトとリンを背負う。
リン「行くんじゃなかったのカ?」
エド「おめーらと共倒れなんて真っ平だ。けど、おめぇーにも待っている奴が居るんだろ?!」
この言葉を聞いてリンとアルトはハッとなった。
そして、大切な人たちの事を思い浮かべた。
エド「つーか、喋る体力を…お、おっ?!」
足元にあった大きな石に気が付かづにエドは転んでしまった。
そのあとすぐに立ち上がり、リンとアルトを近くの島みたいなところへと運び大の字に寝っころがった。
エドだって相当な体力を消耗しているのだ…。


全「ハァハァハァハァ……。」
リン「…せめて食い物でもあれバ……。」
エド「知ってかぁー。」
リン「あ?」
エド「うんっよっ。革製品って食えるんだぞ?」
自分の吐いていた靴を脱いでドヤ顔でエドは言う。
ここでエドの3分クッキングーといきたかったけど、1分で出来ちゃった……(泣)
エド「そろそろ……ほれ。」
錬金術で作った鍋に靴と緑色のスープのエド特性革靴料理。
それを手渡されたリンは…
リン「水虫無いよネ?」
と聞いた。これにエドは自分の左足を見せながら、
エド「あるように見えるかボケェェェェ!!!」
と言ってキレた。次にアルトが、
アルト「これ、食べれるの…?」
と聞いた。これにエドはお母さんみたいに、
エド「嫌だった食わんでもいいわァァァァ!!!」
とキレた。
これしか食べる者はないので、超仕方がなくリンとアルトは食べた。
味は皆様のご想像にお任せするそうです。


 
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