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艦隊これくしょん~男艦娘 木曾~

作者:V・B
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クリスマス準備編~その一~

 
前書き
どうも、本来なら日曜に投稿しようとしていたのですが、訳あって今日になりました。すいませんでした。 

 

 
 
「クリスマスですよ!千尋さん!」 
 
夜中に突然やって来た青葉が、明らかに時期外れなことを言ってきた。
 
「は?いや、今九月なんだけど、ついに頭おかしくなったか?」
 
いやまぁ、青葉の頭がおかしいのはいつもの事だけどさ。流石に九月にクリスマスって…………。
 
「何言ってるんですか!確かにここでは九月ですけど、『あっち』ではもう十二月ですよ!師走ですよ!」
 
「『あっち』?」
 
本気で意味分からない。
 
「ふむ、信じていないようですね。では、窓の外を見てください。」
 
青葉はそう言いながら、閉まっていたカーテンを開けて外を見るように促す。
 
「あ?なんでまた……………………は?」
 
俺は外の景色を見て呆然としていた。
 
 
 
 
雪が、降ってた。
 
 
 
 
「はい!と言うわけで!」
 
「おい、ちょっと待て。」
 
「今週は、クリスマス特番!」
 
「異常気象発生してるんだけど。」
 
「更に!年末には年末特別編!元日にはお正月特別編!」
 
「まって、誰か、ちょっと、おい。」
 
「どうぞ!お楽しみ下さい!」
 
「頼むから説明してくれ。」
 

 
 
 
 
―翌日 大会議室―
 

「……………………。」
 
俺は朝礼のために大会議室にやって来ていた。
 
正直、皆の順応力とやらに驚いていた。
 
~木曾の場合~
 
「なぁ、木曾、雪積もってるんだけど。」
 
「そうだな。今日は雪合戦にするか。」
 
「」
 
~間宮さん&羽黒さんの場所~
 
「あの、今日寒くないですか?」
 
「そうねぇ。手足が冷えるから嫌ですね。」
 
「間宮さん、ケーキの材料って冷蔵庫で良いですか?」
 
「うん、置いといて。あ、羽黒さん!小麦粉は棚にお願いね!」
 
「」
 
とまぁ、こんな感じで。
 
なんか、俺だけ理解してないように感じる。
 
「千尋さん?どうしたんですか?」
 
すると、俺の隣に座っていた春雨が俺に声をかけてきた。

「いや、まだ九月なのになんでクリスマスなのかなぁと。」
 
「んー、私もここに来てから日が浅いですから、正直意味わかりません…………。」
 
良かった。仲間がいた。
 
俺がそんな感じで安心していると、扉が開いた。提督と大淀さんが来たんだろう。
 
「ぶっ。」
 
俺は大淀さんの格好を見て、思わず吹いてしまった。
 
 
 
 
 
 
サンタコスしてた。
 
 
 
 
 
 
 
似合ってた。
 
「起立!」
 
長門さんはそれをスルーして号令をかける。ちょっと、さっきから理解が追い付かない。
 
「敬礼!」
 
筒がなくいつものように敬礼する皆。おいてかれてるのは俺たちだけだ。
 
「えー、本日は出撃はなし。ノルマを達成したら全員クリスマス会の準備だ。年に一回しかないからな。しっかり楽しもうじゃないか。それと、全員着替えを各部屋に届けているから着替えること、以上。質問は。」
 
さっそく手を上げようかとしたが、もう天龍あたりに聞くことにした。
 
「提督ー、や」
 
「無い。」
 
いつものやり取りも済ませ、提督と思うさんは大会議室を去っていった。
 
「さてと、着替えるか。」
 
誰かがそう言った途端に、全員が一斉に動き始めた。
 
「お、おい天龍。どーゆこと?」
 
「あ?クリスマス会するんだよ!」
 
会話にならなかった。
 
取り残された俺と春雨。
 
「えっと、とりあえず、部屋に行って着替えてみるか。いつも通り、図書館で。」
 
「は、はい…………。」
 
仕方なく、俺と春雨も外に出た。
 
 
 
 
―図書館―
 
 
 
 
鼻血が出るかと思った。
 
「ど、どうですか…………?」
 
春雨は、真っ赤なサンタクロースの衣装に着替えていた。寒いのにミニスカートで、黒いタイツがもうヤバイ。
 
「うん、似合ってる。」
 
かくいう俺もサンタクロースになってるわけだが。
 
「さてと、正直この異常気象とかみんながすんなり受け入れてる事とかに突っ込みたくって仕方無いんだけど、もう俺達も受け入れよう。」
 
「ですよね。なぜか知らないですけど、皆理解してますし。」
 
「…………とりあえず、今日は早めに訓練を終わらせよっか?」
 
「ですね…………はぁ。」
 
俺達は、一先ず外に出て、訓練を終わらせることにした。
 
もう、この際だから楽しんでしまおう。
 

 
 
―三時間後―
 
 
 
 
 
なぜ、俺はケーキを作るはめになっているのか。俺はボウルと卵を両手に持って、遠い目をしていた。
 
あの後、訓練をさくっと終らせて中に戻ると、間宮さんが俺に話し掛けてきた。 

「ごめん、二号くん!手伝って!」

まぁ、引き受けるよな。そしたら、あれよあれよと言う間に今に至る。
 
「二号くん急いで!まだまだ足りないよ!」
 
今、厨房には間宮さん、羽黒さんに加えて、古鷹さんと由良さんまでいる。限界体制だ。
 
「ちなみに、ノルマってどれくらいですか?」
 
「ケーキは五十!それと、七面鳥がまだまだ!あと七時間だよ、ボーッとしない!」
 
間宮さんの表情が鬼気迫るものになっていた。どうやら、本当に時間が無いらしい。
 
俺は本日何度目か分からないため息をした後、卵を割り始めたのだった。
 
  
 

 
後書き
読んでくれてありがとうございます。このあと、その二も投稿します。お楽しみに。

それでは、また次回。 
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