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ソードアートオンライン VIRUS

作者:暗黒少年
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入団

 
前書き
ソードアート11巻読み終えたぜ!! 

 
「おおー!似合う似合う!やっぱゲツガ君は白が似合うよ」

「そうか……でも、なんか今までに着てたやつよりも高級感?みたいなのがあって少し変な感じだな。何かこう……落ち着かない……」

 今着ているのは、今日の朝にユキのメールに添付されていた血盟騎士団の服装だ。ユキは、そのメールが来た瞬間、俺に飛びついてからこれ着てと頼んできた。まあ、今度血盟騎士団に挨拶にいかなければならないため、着替えるのもいいだろうという考えで着替えたのだが、今まで着ていたコートよりも高級感があるためなのかもなれない。

「何か、こう……もっとこう地味なのはなかったのか?」

「それが一番地味なやつだと思うよ。他の何か派手なやつばっかだよ。それとも派手なやつにしてもらう?」

「遠慮しとく。しかし、二日間準備期間があるけどその後本部まで行くんだろ?めんどくせえな。何であいつは俺らを休ませてくれねえんだ」

「団長のことだし、使える人材は使わないと攻略が進まないとかそういう理由だと思うよ。でも残念だなー、ゲツガ君と一緒にいられるけど休める日が無いなんて……」

 ユキは残念そうに言う。

「じゃあ、この準備期間中にさ、結婚したことを色々な人に挨拶しに行かない?私の友達とか、ゲツガ君のお友達とか」

「やめてくれ。聖竜連合のやつらに言ったら、呪い殺されるか吊るし上げられる。それに俺とユキが結婚したって言うこと血盟騎士団の幹部しか知らないし、ギルメンにも言って無いんだろ?それならなるべく知らせないほうがいい。仲のいいやつ以外が知ったら俺が社会的抹殺をされるか、マジで殺されるかもしれない」

「それは危ないかも……」

 ユキもさすがに苦笑をしながら答える。

「だろ?だから、仲の良くて口の堅いやつならいい。でもアルゴ辺りに聞かれたらあぶねえな。まあ、なるべく多くの金を出して口止めさせるか」

 そう言って、血盟騎士団のコートから、いつものコートに着替える。

「じゃあ、今日は軽い運動と外で遊ぶことにしますか」

「うん。あっ……!」

「どうした?」

「ゲツガ君。私も料理スキル入れるからさ、料理教えてよ。いつもゲツガ君に任せっぱなしだから申し訳ないって思うし」

「よし、じゃあ今度教えてやるよ」

「ありがと」

 そして、ゲツガとユキは準備期間を有意義に過ごすことが出来た。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 そして、二日後。俺はこの日を持って正式な血盟騎士団のメンバーとなった。新しいコートの袖に腕を通し、グランザムに置かれている本部へと向かおうと準備をしていた。

「しかし、キリトも入ったんだっけな。あいつ、黒色のコートしか着てないから白のこの制服を着たときの姿は想像がしにくい」

「確かに、キリト君黒のコートしか着てないから、うちの制服を着たときの姿が浮かびにくい……」

「とりあえず、俺と同じやつを着てるって考えてみようぜ」

 そう言って、今着てるコートをキリトが着ていると考えてみる。

「ぶはっ!!」

「ぷっ!!」

 キリトがこのコートを着ているトコを想像したら吹いてしまった。

「やっべ、腹いてー……」

「ゲツガ君、さすがにそこまではひどいと思うよ……ぷはっ」

 俺とユキは腹を抱えて、治まるまで待った。

 ようやく治まってから、グランザムの本部に来て、ヒースクリフに一度挨拶をした。その後、本部の一室でゆっくりしていると、キリトとアスナがやってきた。

「ぶはっ!!」

 キリトが着ている制服を見て吹いてしまう。想像していた通り、自分の着ているものと同じで白のコート。予想していた通りの姿で吹いてしまった。

「キリト……似合わねー……しかも、ギャップが違いすぎて笑える……」

「もうゲツガ君、目の前で笑うのは失礼だと思うよ」

 そう言うとキリトがツッコンでくる。

「いや、二人ともどっちにしろひでぇーこと言ってるからな!!」

「あはは……」

 アスナは苦笑してその光景を眺めていた。ようやく、治まった後ソファーに座って話し合っていた。

「しかし、俺もキリトもヒースクリフに負けるとか、あいつどんだけチートなんだよ。絶対どっちか片方は勝てると思ってたのによ」

「そうだよなー。俺的にゲツガがいい線いってたと思うけど負けたし」

「ホントだよ。ゲツガ君応援してたのに」

「まあまあ、アスナ。キリト君もギルド入ったことだしいいじゃない」

 そう話し合っていると、一人の男が入って来た。たしか、幹部の男だった気がする。そいつはいきなり入ってきて俺とキリトに訓練するから準備をしろといってきた。

「「訓練……?」」

 二人同時に答える。

「そうだ。私を含む団員五人のパーティーを組み、ここ五十五層の迷宮区を突破して五十六層主街区まで到達してもらう」

 そういった瞬間、俺の隣に座ってるユキと、キリトの隣にあるソファーに座っていたアスナが勢いよく立ち上がって言った。

「ちょっと、ゴドフリーさん!ゲツガ君は私と一緒に攻略とかするの!」

「そうよ!キリト君も私が……」

 食ってかかるアスナとユキに片方の眉毛を吊り上げて堂々した態度でユキとアスナに言い返す。

「副団長とユキ殿、いくらあなたたちの地位が高いからといって、ギルド内の規律をないがしろにして戴いては困りますな。実際の攻略時のパーティーについては了承しますが一度はフォワードを預かるこの私に実力を見せて貰わねば。たとえユニークスキル持ちや強いと言っても使えるかどうかはまた別」

「あ、あんたなんか問題ならないくらいキリト君は強いわよ!」

「そうだよ!ゲツガ君は強いんだから!」

 アスナとユキがこれ以上なんか言う前にキリトがアスナ、俺がユキを制して言った。

「見たいって言うなら見せるさ。ただ、今更こんな低層の迷宮で時間つぶすのはごめんだな、一気に突破するけど構わないだろう?」

「それは、俺に対するいじめか?キリト?俺の足の速さじゃお前らの歩きについていくのが精一杯だろうが。まあ、迷宮内は俺も一気に突破するけどな。まあ、そんなトコだから俺も後のほうは一気に突破させてもらう」

 ゴドフリーと言う男は口をへの字に曲げて三十分後に街の西門に集合と言って部屋から出て行った。その後、ユキとアスナが机の足を蹴飛ばして叫ぶ。

「なにあれ!!」

「さすがに私もあれにはイラッときた!!」

 そして、ユキを落ち着かせるように頭を撫でて言う。

「まあまあ、落ち着けって。どうせ突破したら二人でいられるんだ。それまでの我慢だろ?」

「……わかった。じゃあ、どうせなら私も着いて行く」

「すぐに帰ってくるから待っとけって」

「うん……。じゃあ、気をつけていってらっしゃい」

「ああ、行ってくる」

 ユキの頬にキスをして俺はアスナと話を終えたキリトとともにギルド本部を出た。しかし、俺とキリトが西門に来たとき、驚愕した。そこにいたのは、あんまり見たくないと思っていた奴、クラディールの姿があった。

「……どういうことだ」

「何であいつがここにいるんだ」

 俺とキリトは小声でゴドフリーに尋ねる。

「ウム。君たちの間の事情は承知している。だがこれからは同じギルドメンバー、ここらで過去の争いは水に流そうと思ってな!」

 そう言って大笑いするゴドフリーを呆然と眺めているとクラディールが俺らにのっそりと近づいてきた。一応身構える。キリトから聞いたがこいつは俺とキリトを良く思っておらず、目の敵にしてるらしい。しかも、キリトはこいつをデュエルで負かしたこともあり、何かするかもしれないと思った。しかし、俺らの予想を裏切って頭を下げて、聞き取りにくい声でぼそぼそと言う。

「先日は……ご迷惑をおかけしました……」

 その言葉を聞いて耳を疑った。

「二度と無礼な真似をしませんので……許していただきたい……」

 どうやら聞き間違いではなかったらしい。

「「あ……ああ……」」

 俺とキリトはどうにか頷いた。どうやったら数日で人の性格を変えたんだろうか?強制?それとも洗脳?マインドコントロール?そんなことばかりが浮かぶが何か違うような気がする。(意味が)

「よしよし、これで一件落着だな!!」

 そして、ゴドフリーはまたでかい声で笑った。クラディールが下を向いて感情が読み取れない。絶対に裏があると思っておいたほうがいいと思って警戒をしておく。そして、もう一人の団員が来たところで出発しようとしたがゴドフリーが野太い声で引き止める。

「……待て。今日の訓練は限りなく実戦に近い形式で行う。危機対処能力も見たいので諸君らの結晶アイテムは全て預からせてもらおう」

「転移結晶もか?」

 キリトの問いに当然とばかりに頷く。クリスタルは非常事態の時には最後の生命線であるため、いつも一度もストックをゼロにしたことがなかった。拒否しようとしたがここでまた波風を立てるとユキの立場も悪くなるだろうと思い、言葉を呑む。クラディールともう一人の団員はおとなしくアイテムを差し出す。それを見てしぶしぶ渡す。しかし、俺はみんなには悪いが絶対に見つからないように剣と背中の間に回廊結晶を隠しておく。ゴドフリーに念入りにポーチを確認される。

「よし、では出発!!」

 ゴドフリーを先導され俺たちは五十五層の迷宮区に向けて歩き始めた。 
 

 
後書き
誤字指摘お願いします。


 
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