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ドリトル先生と春の花達

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第十幕その四

「官邸みたいに」
「ああ、そうも考えられるね」
「じゃあ日本の旧首相官邸にだね」
「言って来るわ」
 笑顔で言ってでした、そのうえで。
 サラは桜の和風ティーセットを楽しんでそうしてでした、家族の皆がいる大阪に戻りました。
 その後で、です。先生は一緒にいた動物の皆にこんなことを言いました。
「隣と言ってもいい場所なのに」
「それでもだよね」
 チーチーが先生に応えました。
「大阪ではもう満開なんだ」
「というか隣町でここまで気候が違うなんてね」
 トートーは不思議がっている感じでした。
「大阪と神戸で」
「神戸から大阪に行ったら気候が全然違って」
 ジップは体感からお話します。
「何度行っても違う世界に思えるよ」
「日本って地域で凄く気候が違うけれど」
 ここで老馬は北海道と沖縄を思い出しました。
「隣町でもそうなんだね」
「大阪と神戸なんて電車ですぐじゃない」
 ダブダブはこう言いました。
「それこそあっという間に行き来出来るのね」
「こっちは寒くてもあっちは暖かい」
「不思議な位に違うね」
 オシツオサレツも言います。
「それであっちはもう桜が咲いているんだ」
「こっちはこれからなのに」
「神戸と大阪で何でこう違うのかな」
「日本って不思議な国ね」
 ポリネシアから見てもです。
「凄くね」
「気候のことでも不思議だよ」
「隣同士でも桜が咲いてたり咲いてなかったり」
 チープザイドの家族が見てもです。
「同じ国でも離れてたらわかるけれど」
「電車や車でそれぞれ一時間もかからない場所でこうだから」
「というか神戸が寒いのは知ってるけれど」
 ガブガブは先生に神戸の前の海と後ろの山とそこから降りる風のことはしっかりと聞いているのでこう言ったのです。
「大阪は何でああ暑いのかな」
「何時でも気候が全然違ってて」
 最後にホワイティが言いました。
「桜にも影響するなんてね」
「大阪は海を前にした平地だからね」
 それでとお話した先生でした。
「後ろに山があっても神戸よりずっと離れてるよね」
「その分街も広いよね」
「それで風で熱気も抜けなくて」
「神戸より暑いんだ」
「そうなるのね」
「人も多いしね」
 神戸よりずっとです。
「関東の方が人が多いけれど」
「あっちも風吹くのよね」
「からっ風っていうのね」
「関東は風が強いから」
「人が多くて開けていても寒いのね」
「そうなのね」
「そうなんだ、大阪は風も少ないから」
 神戸や関東と比べてです。
「そのこともあってね」
「暑いのね」
「そうなのね」
「そうだよ、だから桜もね」
 暑い分です。
「早く咲いたんだよ」
「そういうことね」
「それでサラさんはその大阪の桜を観に行くんだね」
「大阪城で」
「そうしてくるのね」
「いいことだよ」
 にこりと笑って言う先生でした。
「サラもわかってるね」
「というか世界的に有名って言ってたよ」
「そうそう、日本のお花見は」
「そこまで有名なのね」
「日本でだけじゃなくて」
「そうだね、奇麗なものはね」 
 先生はにこりとしたままさらに言いました。 
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