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ドリトル先生と春の花達

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第九幕その一


           第九幕  春の希望
 先生は学園の中をお散歩していて一緒にいる動物の皆に言いました。
「今日は昨日より暖かいね」
「うん、そうだね」
「昨日よりは暖かいね」
「そうなってきたね」
「急に暖かくなる時もあるけれど」
 それでもというのです。
「徐々に暖かくなってきたらね」
「それだけでだよね」
「嬉しいよね」
「そしていつも通り桜が咲いたらね」
「もうそれでいいよね」
「そうだよ、桜があればこそね」 
 こうも言った先生でした。
「助六も五人男も忠臣蔵も映えるからね」
「歌舞伎も?」
「そちらもなんだ」
「そうだよ、忠臣蔵にしてもね」
 歌舞伎だけでなく時代劇でも有名な作品です、日本にいると絶対に何度も観ることになります。
「桜はあるね」
「ええと、切腹する場面?」
「あの殿様が」
「浅野内匠頭さんがね」
「その時だね」
「歌舞伎ではお部屋の中で切腹するけれどね」
 実際とは違ってです。
「ドラマとかじゃね」
「そうだね、桜が散る中でね」
「あの人切腹するよね」
「だからだね」
「桜は必要なんだね」
「忠臣蔵でもね、あと忠臣蔵はね」
 さらにお話する先生でした。
「雪も必要だよ」
「最後の討ち入りの場面だね」
「あの時は雪だね」
「雪が降ってる中で討ち入りするんだよね」
「太鼓叩いてね」
「だから必要なんだ」
 雪もというのだ。
「あの桜と雪の舞うのがまたいいね」
「雪は寒いけれどね」
「舞うのは奇麗だし」
「忠臣蔵はそこも見せるんだね」
「素敵な場面だよね」
「僕もそう思うよ、忠臣蔵はね」
 それはといいますと。
「日本以外では知られていないけれどね」
「僕達も知らなかったよ」
「ああした作品があるなんてね」
「こっちじゃイギリスで言うアーサー王みたいに有名だけれど」
「それでもね」
「他の国では知られていないよね」
「そうだね」
「そうだよ、けれどね」
 それでもというのです。
「日本じゃ誰でも知ってるね」
「有名な作品だね」
「そこまでね」
「そしてその忠臣蔵にも桜は欠かせない」
「そうなんだね」
「その通りなんだ、あとね」
 さらに言う先生でした。
「奈良には面白い桜があるよ」
「面白い?」
「面白いっていうと?」
「うん、又兵衛桜があるけれど」
「それどんな桜なの?」
「その又兵衛桜って」
「戦から逃れたある武将にまつわる桜なんだ」
 その桜はというのです。
「その人は死んだと思われていたけれど」
「そこに逃れてたんだ」
「それでその人にまつわる桜なんだ」
「その又兵衛桜っていうのは」
「そうなんだね」
「そうだよ、その又兵衛桜もね」
 先生は言いました。
「一度観てみたいね」
「奈良に行って」
「そうしてだね」
「そう思ってるよ、奈良の桜はね」
 さらにお話した先生でした。 
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