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ドリトル先生と春の花達

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第七幕その八

「道教の神や祖先の霊も考えているしね」
「老荘思想だよね」
「儒学は修身だしね」
「老荘思想は道教だよね」
「そちらだよね」
「道教は老荘思想が源流の一つでね」
 先生は皆に中国の思想のお話もします。
「その中には中国の昔の神々のことが結構書かれているんだ」
「確か老子や荘子だよね」
「他にも本があったけれど」
「そうした本にもなんだ」
「しっかりと書かれてるんだ」
「そうなのね」
「そうだよ、神が人に人生や思想、世界について考える楽しみに導いてくれたのがね」
 まさにそれがというのです。
「哲学なんだよ」
「じゃあ神は死んだっていうけれど」
「あの考えは?」
「あれはキリスト教の否定であってね」 
 そちらの神様だというのです。
「北欧の神様へ戻ろうという一面があったとも言われているね」
「そう言った人はなんだ」
「神様の存在自体を否定していなかったんだ」
「神は死んだと言っても」
「キリスト教の神様だね」
「うん、ニーチェという人が言ったけれどね」
 この神は死んだという言葉をです。
「それを無神論と言うのはちょっと違うかもね」
「神様をキリスト教の神様と考えると」
「そこで勘違いする言葉なのね」
「いや、そうしたものなんだ」
「成程」
「僕はこう考えているんだ、哲学もね」
 先生はさらにお話しました。
「解釈次第だからね」
「それで大きく変わるんだね」
「本当に何かと」
「これこそ正解は一つじゃない」
「そうした学問なんだね
「そう、ただ数学とかはね」 
 こうした学問はといいますと。
「正解は一つだよ、その一つの正解を目指して楽しむんだ」
「哲学も楽しくて数学も楽しい」
「文系も理系もだね」
「どっちも楽しい学問なんだね」
「そうなのね」
「うん、何か日本の作家さんでやけに理系が嫌いな人がいるけれど」
 この作家さんはといいますと。
「どうかと思うよ」
「文系も理系も必要だよね」
「どちらも欠かせなくて」
「それで楽しむもの」
「先生はそう考えてるんだね」
「うん、何かその作家さんはおかしいね」 
 その理系を異様に嫌う作家さんはです。
「もっと普通にね」
「理系の学問もだね」
「ちゃんと認めたらいいんだね」
「そんな妙に嫌わなくても」
「そうなんだね」
「うん、何かと日本も嫌いみたいだし」
 日本に生まれて住んでいる人なのにというのです。
「おかしな人だよ」
「その人日本にいるのよね」
「それで日本が嫌いなのね」
「作品でも色々書いて」
「日本の悪口も書いているんだ」
「どうもこうした人が稀にいるんだ」
 日本に生まれ住んでいるのに日本の悪口ばかり言って書いている人がです。 
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