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俺のペットはアホガール

作者:猫丸
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『男子部屋/鬼さんと卓球勝負あるある』

「どうして……みんな僕様ではなく最藤君ばかりなんだろう……」

「アナタが変態だからじゃないですか~?」

「うぅ……ぶくぶくぶく………」

どうしてこの世界の登場人物達は僕様への扱いが雑といいいますか、なんか僕だけ違うような気がするのは気のせい??
沈む。温泉の湯の中にぶくぶく沈んでゆく。幼い頃から爺やに湯に入る時は頭までつかって100数えてから出るのですよっと教わって育ったからね。
勘違いしている諸君もいるかもしれないから、言っておくけど、別に悲しくて沈んでいるわけではないのだからね。沈みたいから沈んでいるだけで、別に沈みたいからというわけでは……ありゃ??

「まったくあのアホ共は……って飯。なんだそれは」

あれ? 水面の向こう側から見える最藤くんの顔が逆さまに見える。なして?? 腰に巻いている白いタオルの中身もばっちり見えているって僕様は誰に向けて報告しているのだよ。

「水仙時財閥の一族ですよ~」

「は?」

「どうせなら~、白い覆面マスク持ってくるんでしたね~」

「旅館で殺人事件とかベタすぎるだろ……」

「第一発見者は若女将が良かったですよね~」

「紅葉を入れておけばそれっぽくなるだろ」

死んでないからっ! 勝手に僕様を殺さないでくれよっ君たち。と、ゆうよりも。元ネタが分からないよ。もっと僕様にも分かるように言ってくれたまえっ。

「ふぅ。じゃあ~僕はあがりますね~」

「もうか」

「熱いのは苦手なんですよ。じゃあ、すけきよさんと2人仲良く~「いや俺もあがる」そうですか? つまらない」

「つまらなくて結構」

ちょ、ちょ、ちょ、ちょおおおお!!? 待ちたまえ君たち!! ごく自然に、僕様を置き去りにして温泉からあがろうとしているのかい。ごく普通に雑談しながら僕様の前を横切り脱衣所の方へ向かっているのかい。

「えっええ、無視!?」

僕様の言葉は虚しくも、バタンと勢いよく閉められた引き戸の音でかき消されてしまった_完。






いや「完」じゃないから!! 終わっちゃ駄目だから!!

慌てて起き上がり、脱衣所の方へ走って行ってみたけどもうそこには最藤君と飯野君の姿はどこにもなかった。とゆうより他のお客さんの姿もなかった。もしかして今ここに居るのは僕様1人?

「――――っ」

言いよなれない寂しさで胸がいっぱいになった。誰でもいい! 人間ひとに会いたくてたまらない。
コインロッカーと呼ばれる収納スペースから着替えの衣服を取り出し急いで着替える。だってもしかしたら、脱衣所の外で2人が待っててくれているかもしれないからね。……待っていないような気が凄くするけど。でも友を待たせるのは水仙時財閥の者として恥だからね。…だから急いで着替えているんだ。

着替えている最中、見知らぬ棒切れのような物が着替えの衣服に入れていたバックに紛れ込んでいたような気が……気のせいかな。

着替え終わり旅館の通路へ出る、出入り口の引き戸を開いていざ_。

「うぉっと!?」

出ようとすると大きな壁にぶつかり尻餅をついてしまった。僕様とあろうものが…ってこんなところに壁なんてあった?
顔をあげて確かめるように壁をじぃ~~と見てみる。

「すまない」

喋った!? あっいや正確に言うならば、壁だと思っていたのは実は人間で、振り返った彼の顔は……

「鬼ぃぃぃぃぃぃ!!!?」

そのものでした_。

 
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