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ドリトル先生と春の花達

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第五幕その五

「まあこの外見だから仕方ないね」
「スポーツも出来ないし」
「それでなのね」
「もうそれはわかっているから」
 そう思い込んでいるからです。
「もういいかなってね」
「そこが違うと考えないのもね」
「本当に先生ね」
「イギリスの頃からずっとだから」
「私達と一緒になった時もそうで」
「それで前からもなのね」
「こんな感じなのね」
 それはサラが言っています、サラにしても先生が実は女の人達からも人気があることを知っています。
「やれやれね」
「けれどそこはまあね」
「日笠さん次第?」
「あの人にかかってるわね」
「日笠さんと海に言って」
 先生は日笠さんのことはこう言いました。
「そしてね」
「そして?」
「それからは?」
「うん、和歌のインスピレーションをね」
 それをと皆に答えるのでした。
「得ないとね」
「はい、駄目」
「五十点よ」
「というかもっと点数悪い?」
「和歌だけじゃないから」
「もっと必要でしょ」
「あれっ、そうかな」 
 先生は皆の呆れた返事にかえって戸惑って応えました。
「これで駄目なんだ」
「駄目も駄目過ぎて」
「もう何て言えばいいのか」
「だからそう言うのが先生でね」
「先生らしいにしても」
「今のは不合格よ」
「不合格になったのは体育だけだったよ」
 先生のお返事は相変わらず的を得ないものでした。
「僕はね」
「だからそういうのじゃなくて」
「もっと違うことだよ」
「そこでそう言ったら駄目なの」
「もっと考えないと」
「日笠さんのことを」
「ううん、日笠さんって言われても」
 それでもと言う先生でした。
「皆何が言いたいのかな」
「だからずっと言ってるじゃない」
「それもはっきりと」
「それでわからないんだから」
「先生には困るよ」
「本当にね」
「私達にしても」
「ううん、皆何を言ってるのかわからないよ」
 先生にわかる筈もないです、だから戸惑っているのです。
 ですがその戸惑いは置いてです、先生はちょっと学園の土壌や草、お花や水質についてのここ数年のデータを調べました。
「植物園にあるのを思い出したよ」
「あっ、学園の中の」
「そこにあったんだ」
「そうだったの」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「すぐにわかるよ」
「それは便利だね」
「学園の中にある植物園だから調べているんだ」
「この学園に植物園があってよかったわ」
「そこは熱い勝ったね」
「うん、だからね」
 それがあるからというのです。
「今からね」
「調べるので」
「そちらを見て」
「そのうえで」
「うん、今からそうするよ」
 こうお話してでした、そのうえで。 
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