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必死の努力

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第二章

「最近ね」
「太ってきたの?」
「そうかも」
「そう思ったらね」
「気をつけろっていうのね」
「そうよ、あんたもね」
 こう言うのだった、そしてだった。
 そこも気をつける様にした、それでだった。
 卓球部の部活だけでなく自主トレにも励む様になった、その彼女に部長が部活の後で尋ねたのだった。
「あんた最近自主トレもしてるわね」
「はい、太って来た気がしまして」
 それでとだ、望は部長に答えた。
「それでなんです」
「部活以外にもなの」
「走って」 
「毎朝ね」
「部活の前に」
 朝練のその前にあえて早く来てだ。
「そうしてるんです」
「それで痩せるつもりなのね」
「そうなんです」
「いいわね、少なくとも走ることはね」
「部活にもですね」
「いいしね、じゃあ頑張ってね」
「そうします」
 こうして望はダイエットにも励みだ、その他にもだった。
 受験のことでだ、また寅美に言われた。
「いい?大学行きたいならね」
「やっぱり成績よくないと」
「あんた八条大学の福祉学部行きたいんでしょ」
「就職考えてね」
 それでというのだ。
「行きたいけれど」
「それならよ」
 寅美は晩御飯を食べつつ話した、メニューはアジフライにレタスと烏賊をオリーブオイルで炒めたもの、それと大根の味噌汁だ。
「勉強しなさい」
「それね」
「そう、そうしないとね」
「そこにも行けないから」
「わかってるじゃない」
「じゃあ勉強の方も」
「そう、頑張ってね」
 そうしてというのだ。
「勉強してね」
「わかりました」 
 こう話してだ、そしてだった。
 望は勉強の方も頑張った、そのうえで成績も上がってきたが。
 今度はだ、クラスでぼやいた。
「ダイエットも大変だし」
「勉強も?」
「ええ、そっちもね」
 こちらもというのだ。
「何かね」
「必死よね」
「そうしてるから」
 だからだというのだ。
「大学行きたいから」
「大学ね」
「そう、行きたいならね」
 そう思うならとだ、望はクラスメイトに話した。
「やっぱり勉強しないとで書」
「努力しないと」
「そういういことだから」
「何かをしたいならなのね」
「そう、努力しないとなのよね」
 ここで望はぼやいて言った。
「結局は」
「それは確かにね、まあ小雪ちゃんのお母さんはね」
 クラスメイトの話題も出た。
「何でも一日十二時間は寝てて」
「十二時間って凄いわね」
「起きてる間はずっと動いてるらしいけれど」
「スイッチの切り替えがはっきりしてるのね」
「起きてる間は休まないで」
 それでというのだ。
「休むイコール寝るらしいのよ」
「それはそれで努力してるのね」
「大学も言って就職もしてたらしいわよ」
「結局何もしないと何も出来ないってことね」
「小雪ちゃんのお母さんにしてもね」
 その一日十二時間は寝るという彼女にしてもというのだ。 
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