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とある3年4組の卑怯者

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46 歌留多(カルタ)

 
前書き
 マークと花輪クンの会話、英訳不安なんですが、間違っているところあればご指摘ください。訂正します。 

 
「さて、どんなgameをやろうかな・・・」
 花輪は迷った。
「アノ、花輪クン・・・」
「何だい?メイベル」
「私、日本に来たから、日本の遊びやりたい」
 メイベルは頼んだ。
「OK,OK。それじゃあ、みんなでカルタをやろうじゃないか」
「おお~いいねえ」
 まる子が賛成した。
「やろうブー!」
 ブー太郎も賛同した。マークが花輪にカルタとは何かを聞いた。
「Kazu,what’s karuta?(カズ、カルタって何だい?)」
「It’s Japanese playing cards.After the card to read was read,fight a card is correspondent(日本のカードゲームさ。読み札を読まれた後、それに対応した絵札を取り合う競技だよ)」
「OK,I see!(ああ、分かったよ!)」

 こうして皆はカルタをやることになり、部屋を移動した。ただ、マークは日本語を少ししか話せないこともあり、二人一組のチームで行うことにした。
(二人一組か・・・。リリィと組めたらなあ・・・。メイベルでもいいや)
 藤木はリリィかメイベルと組むことを望んだ。
「ではくじで決めようじゃないか。紙に書いてあるalphabet同士でpartnerを組みたまえ」
「ええ~、私花輪クンと一緒がいいわあ~」
 みぎわは暑苦しく花輪に近寄った。
「So,sorry・・・。僕は読む係をやらせてもらうよ。僕が入ると一人余ってしまうからね・・・」
「ええ~ん、じゃ、マークと・・・」
「く、くじで決めたまえ。ここは皆平等にだよ、baby」
「んもう、花輪クンったらあ~」
 こうして順番にくじを引いた。藤木の番になった。
(どうかリリィかメイベルと・・・)
 藤木はくじを引いた。紙には「C」と書いてあった。そしてリリィとメイベルの会話を耳に挟む。
「ア、私Aだわ」
 はまじが会話に入る。
「お、俺と一緒か!」
「アノ、私上手くないのでヨロシクお願いします」
「おー、もちろん、俺に任せてくれよ!」
(メイベルは浜崎君と一緒か・・・、リリィはどうかな、どうか僕と同じCを引いていてくれ・・・!)
 しかし、藤木の願いは儚く砕けた。リリィは「私はFだわ」と言ったのだった。
「僕と一緒か・・・」
 リリィは永沢と組む事になった。
(そんな・・・)
「おーい、この文字と同じの持ってる人いるかーい?」
 山田が大声で聞いた。よく見ると「C」とあった。
(何だよ!?僕は山田君と一緒かよ!?)
 藤木は心の中で止みそうにないくらい哀しんだ。なお、まる子とマークが「E」を引いて、山根とたまえが「B」を、みぎわとブー太郎は「D」を引いてそれぞれ組んだ。
「よろしく、マーク!」
「Yoroshiku,Maruko!」
「僕は穂波とか」
「頑張ろうね!」
「なんでアンタなんかとなのよ!気に食わないわ!」
「『アンタなんか』とは何だブー!」
「はあ~・・・」
 藤木は溜め息をついた。
「藤木君、どうしたんだい?ため息ついて」
「別に何でもないさ・・・」
 藤木は山田と組む事になって、変に引っ掻き回されると思い、モチベーションを大きく下げてしまった。
「それじゃあeverbody、gameを始めよう」
 花輪は絵札をテーブルに無造作に置き、片手に読み札を持った。花輪が第一の札を読む。藤木は探そうとするが、先に取ったのははまじだった。次はまる子、その次はリリィが、藤木は一枚も取れず、山田はそれでも能天気に「アハハハ、みんなすごいね~」などと言っていた。
 花輪が次の札を読む。藤木は目の前に絵札を見つけた。手を取ろうとするも、たまえにあと一歩で先を越された。
「アハハハハ、藤木君、おしかったね~。もうちょっとで取れたのに~」
 山田は藤木の悔しさを知らずに朗らかに言う。
(自分こそ笑ってないで一枚ぐらい取れよ・・・)
 藤木は山田への怒りを抑えていた。

 カルタは続く。リリィが3回連続で絵札を取ったところだった。
「やった!」
「なかなかやるじゃないか」
 永沢は無表情で褒めた。
(いいなあ、永沢君・・・。リリィとあんなに楽しくやってて・・・)
 藤木は永沢が羨ましかった。そして花輪が次の読み札を読むと、自分の目の前にその絵札があることに気付いた。
「よし!」
 藤木は勢いよくその札を取った。初めて自分で取った札だった(ちなみに山田は1枚も取れていない)。
「藤木君すごいじょ~、オイラなんか1まいも取れてないじょ~」
(真面目にやれよ・・・)
 藤木は山田に褒められても嬉しくなかった。

 全ての札が取り終わった。最も多かったのが、山根とたまえの組で14枚だった。次にリリィと永沢で11枚、まる子とマークで9枚、はまじとメイベルで7枚、みぎわとブー太郎で4枚、藤木と山田で2枚だった。結局藤木は最下位という惨憺たる結果で終わってしまった。
(ハハハ、ホント俺って運が悪いよな・・・)
 藤木は己の運の悪さを認めた。
「アハハハ、オイラたち負けちゃったじょ~」
 山田は笑いながら言った。
「楽しかったよ、マーク」
「It was very excited,Maruko!」
 まる子とマークは互いに楽しんでいるようだった。
「リリィ、君結構凄かったよ・・・」
「ありがとう、私も楽しかったわ」
 リリィと永沢は満喫したようだった。
「穂波すごいね」
「山根も頑張ってたよ」
 山根とたまえはお互い褒めあっていた。
「フンッ!花輪クンかマークと一緒だったらよかったのに・・・!」
「仕方ないだろブー。くじの結果なんだからブー」
 みぎわとブー太郎は仲悪そうだった。
「ゴメンナサイ、はまじさん。あまり役に立てなくて」
 メイベルははまじに謝っていた。
「気にすんなって。一緒に遊べて楽しかったぜ!」
 はまじは結果より楽しめた事に満足していた。
「Hey!いいgameだったよ、everybody」
 花輪が皆に呼び掛けた。その時、メイベルが花輪にある頼み事をする。
「アノ、花輪クン。私、清水の町を少しだけでも見て回りたいんだけど・・・」
「ああ、いいとも。OKかい?」
 皆は賛成した。こうして皆で街を周遊する事にした。

「カズちゃんったら、ホント逞しくなったわね。ヒデじい、ありがとう」
「いえいえ、奥様・・・」
 花輪の母は息子・和彦を自分の代わりに世話をするヒデじいに感謝していた。メイベルの父が花輪の母に話しかける。
「花輪さん、西条さん」
「はい?」
「私のことはヒデじいで結構ですよ。広岡さん」
「本当に部屋をお借りさせていただき、本当にありがとうございます」
「いえいえ、私もお客様が一緒で最高の帰国になりました」
「また清水においでになられた時はいつでも頼りになさってください」
「ありがとうございます・・・」

 皆はマークやメイベルなどに清水の町を紹介していた。巴川を綺麗にしている川田守や街路樹の世話をしている佐々木、そしてみまつやを紹介したり、入江小学校を紹介したりと楽しく歩き回った。そしてある公園に着いた時、にぎやかな声がした。
「みんな遊んでいるのかしら?」
 メイベルは日本の子供たちが遊ぶ所を見たくなった。
「そりゃそうだろうねえ」
 まる子はこれが日本の子供の元気の良さだというのをアピールするように言った。
「それじゃあ、ちょっと行ってみようか!」
 一同は公園に向かった。その時、3人の子供が公園の出入り口から大泣きをして出て行った。
「何があったんだ?」
 はまじが気になった。皆が入ると、集団の男子がその場にいて、他の男子2名を殴り、蹴っていた。
「ほら出ていきやがれエ!ここはもウ俺様たちの陣地なんだからよオ!フハハハハハ!!」
 男子たちは高笑いした。暴力を振るわれた男子達はあちこち傷を負わされていた。藤木は彼らの顔を覚えていた。
(あ、あいつらは、大野君と杉山君にやられたはずの隣町の暴れん坊達だ!!)
 藤木は彼らを見て体が震えていた。 
 

 
後書き
次回:「乱暴者(あばれんぼう)
 隣町の暴れん坊の集団に遭遇してしまった藤木達。暴れん坊に立ち向かう藤木達だが、ことごとく簡単にやられてしまい、武道を習っているという花輪は・・・。

 一度消えた恋が蘇る時、物語は始まる・・・!! 
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