| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と春の花達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二幕その三

「風流っていうか」
「そうだね」
「そんな典雅なこともしていたんだ」
「日本ではね」
「戦の前に和歌を謡い合っていたんだ」
「そして謡うとね」
「謡う?」
「そう、謡ってね」
 そしてというのです。
「戦の場に出ていたんだ」
「武士の人達もだね」
「そうだよ、そうしたこともしていたしね」
「ううん、凄いね」
「本当に誰もがね」 
 それこそというのです。
「文字さえ書けて謡おうと思ったら」
「誰でもだね」
「和歌は謡っていいんだ」
「そういうものなんだ」
「それが和歌というものなんだ」
「垣根はないんだね」
「ないよ」
 それこそ一切というのです。
「そうしたものだよ、だから僕達もだよ」
「外国人でもだね」
「そしてはじめてでもね」 
 王子もというのです。
「謡っていいんだよ」
「謡いたいなら」
「そうしたものなんだ」
「成程ね、そんなものなんだ」
「だからはじめてでも胸を張って」
 恥ずかしがることなく、というのです。
「謡えばいいんだ」
「そういうものだね」
「そうだよ、それじゃあね」
「和歌会に出ようね」
「そうするよ、いやそんなものなんだね」
 王子は紅茶を飲みつつしみじみとした口調で先生に言いました。
「和歌は」
「そうだよ、本当にね」
「それじゃあ」
「楽しんで謡おうね」
「そうさせてもらうよ」 
 こうお話してです、そしてでした。
 王子はさらにです、先生にこんなこともお話しました。
「桜楽しみだね」
「あっ、王子もだね」
「桜楽しみなんだ」
 オシツオサレツが王子の言葉を聞いてぱっと明るくなりました。
「やっぱりね」
「日本の春は桜だよね」
「何だかんだで桜がないとね」
 ジップも言います。
「春じゃないね、日本は」
「和歌会も桜の前でするし」
「他に梅や桃もあるけれど」
 チープサイドの家族も彼等の間でお話をします。
「日本の春は桜だね」
「それがないと日本の春じゃないから」
「それで王子もだね」 
 チーチーは王子を見ています。
「桜が楽しみなんだね」
「確かに桜はいいね」
 ガブガブは目を細めさせています。
「特に満開だとね」
「あの色合いと咲き方がいいのよ」 
 ダブダブの目には桜が見えています、まだ咲いていないのに。
「桜は」
「そうなんだよね、見ていてね」
 ホワイティもその桜を見ています、これから咲くそのお花を見ることが楽しみで。
「うっとりするからね」
「王子が楽しみなのもわかるわ」
 ポリネシアは王子を見ています。
「私達もそうだし」
「僕達は和歌は謡えないけれど」
 それでもと言ったトートーでした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧