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夢幻水滸伝

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第二十四話 神星達の出会いその三

「これはな」
「こいつ等がほやまでいけることもか」
「くさやもな」
「どっちも癖強い匂いやけどな」
「アメリカ人は結構何でも食う」
 このことは多民族国家でありその民族だけ食文化が入っていて根付いている国だからである。
「それでや」
「ほやもか」
「こういうと思ってた」
「そうなんか」
「そや、それでな」
 さらに言うのだった。
「ほや位と思ってた」
「そうなんか」
「こっちは少ないけどな」
 関西では、というのだ。
「ほや食う機会はな」
「あくまで東北やな」
「伊達政宗さんはその汁まで飲めと言うてた」
 実話である、尚伊達政宗は自分で料理も作ってその腕もかなりであったかなりの食通だった。
「完全に東北のもんや」
「そやから関西ではな」
「あまりない、けどな」
「この二人は知ってるか」
「そう思ってた、そやからほんまにや」
「こいつ等が軍門に降ったらか」
「刺身や天婦羅や蕎麦だけでなくな」 
 そうした和食の定番以外にもというのだ。
「そういうのも出すつもりや」
「そうなんか」
「軍門に降るのはそっちやけどな」
「こっちも肉料理出すわ」
 メルヴィルもトウェインも笑ってこうも言ってきた。
「ステーキにバーベキューにな」
「ハンバーガーもな」
「スパムもあるやろ」
 中里はこの缶詰を聞いてきた。
「それも食わせてくれるな」
「おお、スパムか」
「望むところや」
 二人も笑ったまま返す、実に余裕の感じだ。
「スパムステーキもスパムバーガーも出すわ」
「あと分厚く切ったベーコンも出すからな」
「アメリカのベーコンはそれでこそやな」
「日本ではそうそうないのを出すわ」
「そっちも楽しみにしておくんやな」
「あと北京ダッグもどや?」
「海やと海老蒸し餃子も欠かせんな」
 新たな二人の声がしてきた、見れば話をする日本組とアメリカ組のところにだ。
 二人の少年が来た、二人共黒髪だが外見と制服はそれぞれだ。
 右の少年は背は一八〇程で髪型はボブだ。切れ長の目に赤らんだ感じの顔だ、しっかりとした眉に自信に満ちた感じの唇だ。オレンジのネクタイに白いブラウス、赤いブレザーにグレーのズボンという制服だ。もう一人は一七五位の背で細い眉で長い髪を後ろで束ねている。奥二重で薄い唇に高い鼻を持っている。白いブレザーとブラウスに青いズボンとネクタイという制服である。
 その二人を見てだ、芥川は中里に言った。
「中国の神星の連中や」
「今度は中国組か」
「そや」
「羅淑宝や」
 まずは切れ長の目の男が名乗った。
「神猛星、職業は部将や」
「施子義や」
 次に髪を後ろで束ねている男が名乗った。
「神威星、職業は弓手や」
「我の生まれや北京や」
「自分は上海や」
「わかった、二人共やな」
 中里も話を聞いて頷いた。
「中国の棟梁やな」
「そや、やっぱり共同や」
「どっちが正でどっちが副かは統一の時に決める」
「あと中国も統一してる」
「それで今は頑張って内政中や」
 そちらに励んでいるというのだ。 
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