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俺のペットはアホガール

作者:猫丸
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顔が怖い生徒と幸せ笑顔の生徒の場合

時刻は8時40分。イライラ…。この時間帯に平然と登校してくる生徒を見ているとイライラしてきます。
前話で言ったとおり、8時45分から朝のHRが始まります。HRまであと5分もないんですよ!?
それなのに余裕綽々と登校してくるだなんて…


「許せません!」


「あー!! 見てくださいっ会長! あの生徒!!」


「あの生徒…?」


本当は人を指でさしてたいけないのですが、足田さんの指さす方向を見てみると―


「チッ、またアホのせいで…。急げアホ!」


「待って~あっくん~」


ダッシュで校門に向かって来る、男子生徒と女子生徒。


「あれは! 最籐くん!?」


…と彼の背後霊のように引っ付いている、千代紙ちよ子さん。


な、なななんで真面目で成績優秀な最籐くんがこ、ここんな時間に登校してくるのですか!?


「え? えぇええ?」


「会長! あの人たちすぐ近くまで来たっすよ!」


ハッ! いけない、私は生徒会長。学校の風紀を守る存在。こんな遅刻ギリギリに登校してくるだなんて、許せません。許してはいけないのです!ビシッと一言、言わなければ!


「ちょっと貴方た「急げーー!!」え?」


ビュイーン!! と最籐くんたちは私と足田さんの間を駆け抜け…


「させませんっ!!」


「なっ!?」


キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン


「なぁぁああ!? チャイム、鳴っちまった…」


「か、勝ったぁぁあああ!!」


「やりましたっすね、会長!」


走り抜けようとした最籐くんの腕をとっさに掴み、足止めに成功しました。これで彼らは遅刻決定です!


「おい…てめぇ…俺になんの恨みがあってこんなことを―」


「ひっ!?」


もしかして…最籐くん…ものすごく怒ってます…? 


「なに言ってっるすか! 悪いのは遅刻ギリギリに走って登校するあんたのほうすっ!」


「あ。足田さん…」


「それはこの、アホが起きないからだ」


「へ?」


「あははー。ごめんね、あっくん♪」


「お前はもっと、反省しろ!」


朝起きない…? = 朝起こしに行ってあげている? 目覚めの…キ…


「そんなの、駄目ぇぇぇぇええええええええ!!!」


「会長!?」「あれ? どったのりっちゃん?」 「今日はめんどうな奴に絡まれる…はぁ」


「いやあああああ!! 私だってまだ誰ともしてないのにぃぃぃいいい!!」




*それから二分後*

「ハッ!? 私したことが…!?」

「だ、大丈夫っすか? 会長…落ち着きましたっす?」

「え、ええ…ありがとう、もう大丈夫です」

私としたことがいけない妄想で発狂してしまったようだわ。いけない、いけない、しっかりしなさい、律子! 貴女は生徒会長でしょ!

「もう行っていいか…」

「いいえ駄目よ! 生徒会による持ち物検査を受けてもらいます!」

「(めんどくさっ)早く教室に行きたいんだが?」

「それでも駄目ったら、駄目なんです!」

いくら最籐くんでも規則は規則! ルールは守ろないといけないのです。

「待ってあっくん。ここはワタチに任せてちょうだいな」

「…は?」

「な、なにかしら、千代紙さん? 言っておくけど、ここを通す気なんて」

「まぁ…何も言わずにこれを受け取ってくださいなぁ~ダンナ~」

と言いながら私にナニカを握らせる千代紙さん。こ、これはもしかしてワイ…


”五円玉がコンニチハー”


「フンッ!!」

「えぇーー!! なんで投げ捨てるのぉぉおおーー!!?」


そうでした…この子、アホなんでした…。


「五円玉を笑う人は五円玉が泣くんだぞおおお!!」

「それは一円玉でしょぉぉおお!! とにかくここは通しません!」

「ふんだっ! じゃあプランBだ!」


プランBですって!? まだなにかするつもりなのですか!?


「グフフフフ……じゅるり」


うわっキモ!? 何故か突然大量のよだれを流しそれを気持ちの悪い笑顔で拭き取る千代紙さん。な、なに? 今度はなにをしてこようと言うの…?


「一度食べたら病み付きになって、体はもうそれなしではいられなくなるバナナをあげよう…じゅるり」


一度食べたら病み付きなって、体もうそれなしじゃいられなくなる"バナナ”ですって!? それってもしかして…

「いやらしい意味のバナナー!?」

「え? 1本1000円する高級バナナのことだよ?」

「…はぁ」

「何々ーー?? いやらしい方のバナナって何ー??

 あ! もしかしてちっ「いやあああああああああああああ!!!」

「会長ぉぉぉおおおお!!」

「なんだか知らんが、でかしたアホ子! 今のうちに行くぞ!」

「え? あっうん! じゃーねー、りっちゃん、また教室でね~♪」

「バナナ…バナナ…バナ…ン、バナナ…?」

「会長ーー!! しっかりしてくださぁあああい!!」


あまりの恥ずかしさに私はしばらくその場から動けませんでした―

 
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