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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第百五話 リューネブルク逆亡命


リューネブルグ本人は未だ出ません。

相変わらず筋肉痛。
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第百五話 リューネブルク逆亡命

帝国暦482年7月7日

■オーディン ノイエ・サンスーシ 日本庭園寝殿造り屋敷  テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
  
七夕ですよー、銀河帝国じゃ関係ないけど。
日本庭園の和室で庭を見ながら寛いでいたら、ケスラーがすっ飛んできた!!

「殿下、緊急連絡です」
「ケスラー落ち着いて、まあ御茶でも飲んで」
そう言って渡したのはリンディ茶じゃないですよ、チャンとした煎茶です。

「殿下、ありがとうございます」
「でどうしたの?」
「カプチェランカβⅢ基地からですが、予てより殿下が指摘しておられた、ローゼンリッター連隊の連隊長ヘルマン・フォン・リューネブルク大佐が我が国に逆亡命を求めてきました」

「なるほどね、やはり来ましたか、丁重に迎え入れたんでしょうね?」
「それは確りと、基地司令ヘルダー大佐に命令を出してありましたから、
丁重にイゼルローン要塞へと送り届けるとの事です」

「ヘルダー大佐は良くやってくれたわ、彼は家族の元に帰りたがっていたと資料に有るから、
ご褒美に准将への昇進と帰国と休暇を、それに一時金を密かに与えて下さいね」
「はっ、しかし殿下の推測がピタリと当たりましたね」

「まあ、良く資料を読んでいたし、偶然あたった方よ」
「それにしても、素晴らしい洞察力です」
まあ、原作知識だから、威張れたモノじゃないんだけどね。

「それで、リューネブルク大佐は、何時オーディンへ来るのかしら?」
「取りあえず、イゼルローンでの取り調べに2週間、移動に1ヶ月と言うところです」
「そうなると、8月後半ね」

「しかし、オーディンでも取り調べがありますので、最低1ヶ月は見て頂かないと面談は不可能です」
「あらいいんじゃ?」
「相手は、ローゼンリッター連隊長です素手で十分な凶器です。
その様なところへ殿下をお連れするわけにはいきません」

「オフレッサーとルッツが一緒にいれば大丈夫だと思うんだけどね」
「万が一のこともございます」
「仕方ないわね」

結局は暫くお預けになりました。
「所でケスラー」
「はっ」
「リューネブルク大佐ってあのリューネブルク侯爵家の出って本当なのですか?」

「我々が調べたところ、ヘルマン・フォン・リューネブルク、帝国暦450年5月27日生まれ。年齢32歳血液型A型、リューネブルク侯爵家は帝国暦452年のリヒャルト皇太子事件に連座して一族皆自害しておりますが、当時のリューネブルク侯爵ギュンターの孫に当たる人物にヘルマン・フォン・リューネブルクと言う人物が居たことは確認できます」

「となると、本物っぽい訳か」
「そうなります」
「そうなると、リューネブルクにしてみれば、我が母上は同士と言うことに成るわね」

「殿下、帝国に残り臥薪嘗胆を続けた、ベーネミュンデ侯爵夫人と叛徒の元へ亡命しあまつさえ、帝国に刃を向けたリューネブルクを同士など言わない方が宜しいかと存じます」
「けど、リヒャルト殿下の遺臣には違いないわけだけどね」

「問題は、叛徒のしかもローゼンリッター連隊長だったことです。彼等に斃された兵達にすれば彼を優遇することは、あまりにも理不尽と映るでしょう」
「そうは言うけど、叛徒からの亡命者は優遇するのが常識でしょう、
以前のローゼンリッター連隊長も優遇しているでしょう」

「それはそうですが、いきなり爵位授与は出来ません」
「まあ、それは判るわよ。何の実力もない逆亡命者が元侯爵の世継ぎだからと侯爵位を復活は駄目なぐらいね」

「それであれば、宜しいのですが。如何致すのですか?装甲擲弾兵はライムバッハ上級大将にオフレッサー大将がおりますので、其方に任せるわけですか?」
「んー、未だ考えていないのよね。リューネブルクがどの様な人物なのかそれで決まるのよ」

「人物が卑しければ、適当な閉職で飼い殺しをするわけですか」
「まあ、資料を見た限り、リューネブルクは能力はあるが、
野心がると叛徒では敬遠されていたみたいですからね」

「成るほど、叛徒の内部に居る亡命者系軍人のリストを求めた時に詳しい物を求めたのですね」
「そうよ、敵を知り己を知れば百戦危うからずって言うでしょ」
「それが判らない、将官がどれだけ多いかですね」

「そそ、だからこそ、ワーレン達に依るシミュレーションが活きてくるのよ。既に全軍の士官にはシミュレーションを受けさせてあるからね。あの幼年学校卒業少尉殿以外はね」
「殿下も悪戯好きですね」

「危ない輩は放し飼いより、コントロールして飼うのが一番ですからね」
「殿下にかかれば、天才も牛扱いですか」
「違うわよ、あれだけだから、他のみんなは我が同士ですからね」

「御意」
ケスラーも苦笑い居てくれるけどね、実際身内には優しいつもりですよ。出来る限り将兵や臣民の被害を無くすために日夜考えてますから。ラインハルトみたいに自分の権力のためにヴェスターランド核攻撃を正当化なんかしませんよ。ぷんぷん!!

「話は戻るけど、ローゼンリッターの副連隊長のヴァーンシャッフェってヴァーンシャッフェ男爵家ですよね。それにワルター・フォン・シェーンコップはシェーンコップ男爵家の分家か結構爵位持つ貴族の末裔が流れているんだね」

「そうですね、叛徒との戦いから150年ですから、その間に向こうへ行った貴族の数も膨大な数ですから、全てを網羅することは難しいと思います」
「そうよね、途中で死んだりしたのとか、向こうで血筋が絶えたとか一杯ありそうだものね」

「色々有りますから」
「一般士官にも貴族が居るのね、エリザベート・ローザライン・フォン・クロイツェル中尉かクロイツェルも男爵家でリヒャルト殿下派だったわよね」

カリン母さんだから目聡く見つけたんだけどね、此処で旨くカリンと共に拉致してくれば万々歳なんだけどね。家でカリンを育てようぜ。リアルプリンセスメーカーだよー。

「そう聞いております」
「ふむ、6歳の子持ちで父親は不明、気の毒だね」
「しかし、叛徒で軍務に着いている以上は敵ですから」

「フフフ、ケスラー」
「何でしょうか」
ケスラーは思った、殿下の笑いは厄介事を押し付けられる前兆だと。

「この、エリザベート・ローザライン・フォン・クロイツェル中尉って子供込みで拉致できない?」
「それは、何を為さるおつもりで?」
「いや、同じリヒャルト殿下に仕えた家の子孫が不当に弄ばれ母子家庭で居る、此は由々しきことです。出来るだけで良いから、連れてきてあげて欲しいんだよね」

「はぁ」
「けど、味方の諜報員やスタッフが危ない目に会うなら、止めて下さい。
身内に犠牲を出してまで私の我が儘に付き合わすことは出来ませんから」

「殿下のご期待には添えないかも知れませんが、調査だけはしておきます」
「それで良いですよ、万が一の時のことです」
実際カリンのお母さんは軍の事故の影響で後に亡くなる訳だから、
その時カリンだけも引き取れれば御の字だな。

リューネブルクか、あのままの斜に構えた男なのだろうか、それとも・・・。
「殿下、お騒がせしました」
「ケスラー御苦労様」

さて短冊に青タン、赤タンと来たから、あのよろし、でも書きますかな。


帝国暦482年8月10日

■イゼルローン要塞 カイザーリング艦隊旗艦

「申告します。カイザーリング艦隊勤務を拝命いたしました、ラインハルト・フォン・シェーンヴァルト少尉です。よろしくお願い致します」

「申告します。カイザーリング艦隊勤務を拝命いたしました、ジークフリード・フォン・キルヒアイス准尉です。よろしくお願い致します」

「カイザーリング艦隊司令官ミヒャエル・ジギスムント・フォン・カイザーリング中将だ。よろしく頼む、詳しい配置は参謀長のリヒャルト・パーペン少将に聴くと良い、参謀長頼む」

「了解しました。参謀長のリヒャルト・パーペン少将だ、卿らは学校を出たばかりで右も左も判らんだろうが、確り教え込むからそのつもりで居てくれ」
「「了解しました」」

「他に副参謀長や補給担当参謀などが居るんだが、生憎半舷上陸で出払っていてな、今度紹介しよう」
「「了解しました」」
「まずは、卿らの仕事だが、艦橋に詰めて航海日誌に記録を書く仕事をして貰う」
「「了解しました」」

ラインハルトにしてみれば、貴族のぼんぼん艦隊でお遊びのような仕事を振られてあまり嬉しくはないが、キルヒアイスに諭されて多少は顔に出さなく成っていた。

「今日は艦を見学して、配置や何があるかを覚えることだ。
案内を付けるから付いていくように、キルドルフ大尉、来てくれ」
参謀長がマイクで呼び出しを行い数分後に髪がオールバックで筋肉隆々な大尉が艦橋へやって来た。

「少将閣下、お呼びでしょうか?」
「大尉、新人の艦橋要員だ、今日着任したので、艦内案内を頼む」
「了解しました」

キルドルフ大尉は司令官と参謀長達に見事な敬礼を行った後、
ラインハルトとキルヒアイスを連れていく。

「少尉、准尉、付いてくるように」
「「はっ」」
「俺は、エミール・キルドルフ大尉だ、主に艦内防衛を担当している。卿等の名前は?」

「ラインハルト・フォン・シェーンヴァルト少尉です」
「ジークフリード・フォン・キルヒアイス准尉です。よろしくお願い致します」
「まだ色々判らないだろうが、艦内についてなら俺に聞いてくれ」

その後艦内各所を回ってクタクタになる、ラインハルト達であった。
 
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