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レーヴァティン

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第十七話 学術都市その二

「儲け、つまり生活を求めてな」
「集まることはですね」
「俺も商売人だったらな」
 その場合はというのだ。
「やっぱりな」
「その様にされますね」
「ああ、儲けられる場所なら」
「そこに行かれて」
「儲けるさ」
 実際にというのだ。
「それで大儲けだよ」
「それも生活の為ですね」
「働いて金儲けるのが悪いか?」
「いえ」
 順一もそれはいいとしていた、否定どころか肯定をしてそのうえで久志に対して話した。
「むしろいいことです」
「悪事で儲けるなら別だけれどな」
「それが真面目に働いて得たならば」
「いいよな」
「その辺り儒教やキリスト教の一派の考えは間違っています」
 商業を卑しむ考えはというのだ。
「あってはなりません」
「そうだよな」
「働いてです」
「金を儲ければな」
「それはいいことです」
 キリスト教で言えばカルヴァン派のこの考えはというのだ。
「それも非常に」
「だよな、だからな」
 それでというのだ。
「俺だってな」
「そうしてですね」
「儲けるさ」
 商人だったならというのだ。
「商売は世界を救うってな」
「ああ、それな」
 智もその考えについてこう言った。
「事実だよな」
「ああ、金儲けしてたらな」
「人の行き来が出来てな」
「それでどんどん儲けようってなって」
「平和を守ろうって思うからな」
「平和になりたいとな」
 若しそう思うならというのだ。
「商売を栄えさせることだよ」
「国と国を行き来するな」
「だから財閥とかもいいんだよ」
 久志は彼等の世界の資本主義のことも話した。
「世界を股にかけた商売をすればな」
「平和になりたいって思ってな」
「産業だって守るぜ」
 これも収益の元になるからだ。
「だからなんだよ」
「その通りだな」
「ああ、愛は地球を救うだけれどな」
「愛以上にだな」
「金は地球を救うだよ」
「食いものや水もな」
 そうしたものは言うまでもなかった、こうしたものも商いの対象になることは言うまでもない。 
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