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夢幻水滸伝

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第十七話 淡路合戦その九

「私がこれからな」
「あんたの兵法でだね」
「何度も言うが私は水の上と中では負けない」
 決してという言葉だった。
「誰が相手でもな」
「それじゃあだね」
「勝つ」
「その自信いいね」
「そうだな」
「ああ、吉川の旦那ならね」
「やるか」
「そう思ってるよ」
 玲子はここでも楽し気に微笑んでいた。
「そしてあたしもね」
「やってくれるか」
「ああ、船に乗り込んだり上陸の時は任せな」
「その時のことも考えている」
「ここに来るまでに話した通りだね」
「そうだ、では動く」
 吉川は玲子だけでなく周りの兵達に告げた。
「敵の場所はわかっている、だからだ」
「その敵に向かってだね」
「動く、まず三笠は正面に行く」
 敵のそこにというのだ。
「紀伊、播磨、大和。摂津、丹波、丹後と共にな」
「三隻かい」
「伊勢、志摩は右、近江と山城は左でだ」
 吉川は次々に言っていく。
「河内と和泉は後ろだ」
「完全に囲むんだね」
「敵と味方の場所は全てわかる」
 海図、そして羅針盤によってだ。
「後は貝殻で連絡を取り合いだ」
「密接に連絡し合ってだね」
「船長同士でな、そうしてだ」
「囲んでだね」
「一斉砲撃だ」 
 それを行うというのだ。
「それで倒す、しかしだ」
「そうそう上手くいくかい?」
「敵も馬鹿ではない」
 このことも頭に入れてだ、吉川は考えていた。まさに敵を知りということである。
「だからこちらの動きも読んでいる筈だ」
「駿馬ちゃん達も頭がいいしね」
「そのことは知ってるな」
「駿馬ちゃんとは同級生だからね」
 八条学園においてというのだ、彼等の起きている世界でのことだ。
「だからね」
「知っているか」
「だからね、わかるよ」
「頭の回転がいいな」
「織田ちゃんもね、賢いよ」
「だからだ、読んでくる」
 吉川の考えをというのだ。
「あちらもな」
「そうだね」
「軍勢はこちらの方が上だ、人の数も船の数もな」
 吉川は軍勢の状況も話した。
「鉄甲船があり鉄砲も多い、だが」
「こっちは兵が弱いからね」
「そうだ」
 そこが弱みだというのだ。 
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