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夢幻水滸伝

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第十六話 内政その二

「既に」
「それでやな」
「これより新田開発ですが」
「そやな、奈良とか郡山とかな」
 そうした場所をだ、中里は見た。地図にそうした場所が書かれている。
「かなりええ田んぼ作られるな」
「そう思われますね」
「あと天理とか高田、郡山も」
 中里はそうした場所も見ていった。
「桜井とか宇陀は山が多うなってるけど」
「それでもですね」
「こうした場所も多くの田んぼを作られるわ」
「そうですね」
「御所もな、けどな」
 大和の中央部まで見て言う。
「明日香までやな」
「新田開発が出来るのは」
「ここまでや、後はな」
「出来ないですね」
「ほんまに山多いな」
 中里は大和の南もっと言えばその六割を占める山地を見て言った。
「この多さ凄いわ」
「この全てが山です」
「ここに盗賊とか化けものとかおるやろ」
「はい」
 その通りという返事だった。
「どちらもかなり退治しましたが」
「まだおるか」
「それで時折村や樵が襲われます」
「そうした連中の征伐も必要やな」
「それも進めています」
 実際にという返事だった。
「時折ですが」
「そうか」
「はい、その時もです」
「僕が行くんやな」
「基本は、あと佐藤兄妹もです」 
 芥川の弟子の彼等もというのだ。
「動いてもらっています」
「あの連中もか」
「芥川君は今は東の押さえですし」
「軍師の仕事と並行してか」
「本来は軍師なのでこの御所にいて欲しいですが」
 そして策を出して欲しいというのだ。
「何しろ人手不足なので」
「そやからか」
「東海、北陸に対するとなると」
 それこそというのだ。
「備えが必要なので」
「それなりのやな」
「佐藤兄妹ではです」
 彼等ではというのだ。
「東海、北陸を一度に抑えることは難しいです」
「そやからやな」
「彼に行ってもらっています」
 その芥川にというのだ。
「そうしてもらっています」
「そういうことやな」
「はい」
 太宰は中里に苦い顔で答えた。 
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