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レーヴァティン

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第十五話 沼の屍竜その五

「何でも」
「オークもか」
「はい、この島にはいませんが」
「それ他の種族もだろ」
 エルフやドワーフ等もというのだ。
「文明を持った連中としてはいないぜ」
「そうです、しかし」
「しかし?」
「海の中に沈んでいる幾つもの大陸にはいるとか」
「エルフやドワーフがか」
「様々な他の種族達も」 
 つまりオーク達もというのだ。
「大陸と共に眠っている他の浮かぶ島達にも」
「この島は特別か」
「どうも人間賊だけがいる島の様ですね」
「文明を持った種族はか」
「はい、他の種族はどれもです」
 他の種族達もというのだ。
「他の島や海に眠っている大陸ではです」
「文明を持ってるんだな」
「そのうえで他の種族と共存しているとか」
「何だよ、人間と他の種族がか」
「全てです」
「一緒に暮らしてるのか」
「同じ町、同じ村に」
 まさに混住しているというのだ。
「そうなっている様です」
「そうした世界か」
「今現在眠っている世界は」
「そうか、しかし何でそんな世界が眠っているんだ」
「あれだろ?海の魔神のせいだろ」
 久志がいぶかしむ智に答えた。
「だからな」
「魔神の力でか」
「二つの島以外は眠らさせられてるんだろ」
 そうではないかというのだ。
「そうなんだろ」
「はい、ドラゴンもそう言っていたそうです」
 まさにというのだ。
「その著者に対して」
「そうか、魔神の力でか」
「そうされたとか、かなり前に」
「それで今もか」
「海の底には多くの人々、大陸、生きもの達が時を止めて」
「眠っているんだな」
「海のそこにありのまま」
 その沈められた時と同じくというのだ。
「多くの星達を抱えて」
「星?」
「はい、星だとか」
 順一はこう智に話した。
「言われている様です」
「星って空に輝くか」
「そうでは」
「それどういうことだよ」
 智はこの話は全くわからず首を傾げさせた。
「一体」
「著者もこの話は」
「知らないのかよ」
「十八の星、そして二百十六の星達が現れるとか」
「海に眠っている大陸にか」
「そうしたことも言っていたとか」
 そのドラゴンがというのだ。 
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