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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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58部分:第六話 馬超、曹操の命を狙わんとするのことその一


第六話 馬超、曹操の命を狙わんとするのことその一

           第六話  馬超、曹操の命を狙わんとするのこと
 関羽達と会った馬超、まずは挨拶からだった。
「ええと、あたしはさ」
「うむ、貴殿の名前は」
「何というのだ?」
 関羽だけでなく趙雲も彼女に対して問うた。
「見たところ我々と同じ武芸者の様だが」
「腕が立つな」
「あたしの名前は馬超」
 こう名乗ったのだった。
「孟起ってんだ」
「何、馬超!?」
「貴殿がか」
 その名前を聞いてだ。二人は少し驚いた声を出してだ。そのうえでまた言った。
「西涼の馬家の嫡女のか」
「そして西方で随一の武勇を誇るという」
「あれっ、あたしのこと知ってるのか」
「翠は有名人だったのだ」
 横にいる張飛が彼女に顔を向けて言った。
「はじめて知ったのだ」
「みたいだな。あたしって結構有名だったんだな」
「その十字槍、確かにな」
「それを縦横に振るい戦うらしいな」
「そうさ。それであんた達の名前は何ていうんだ?」
 今度は馬超から彼女達に問うた。
「どうやらあんた達もかなり強いみたいだな」
「うむ、私は関羽」
「趙雲だ」
 二人は馬超の言葉に応えてそれぞれ名乗った。
「字は雲長」
「同じく字は子龍」
「関羽に趙雲かよ」
 今度は馬超が驚く番だった。あらためて二人を見て言う。
「美髪公に北で最強の槍使いだったな」
「むっ、私のことを知っているのか」
「私も有名だったのだな」
「ああ、二人共涼州にまで名前は届いていたぜ」
 馬超はこう二人に話した。
「山賊退治の英雄に。それで趙雲はええと、何とかいう領主のところの客将だったよな」
「誰だったのだ?」
 張雲もそれを聞いて首を傾げさせる。
「誰かいたのだ。思い出せないのだ」
「公孫賛殿だ」
 ここで関羽が呆れた顔で張飛に対して言った。
「ついこの前まで世話になっていたであろう」
「思い出せないのだ。かなり影の薄い人だったのだ」
「それを言うな」
 今更であったがそれでも言うのだった。
「本人も気にしているようだったしな」
「私も忘れていた」
 それは趙雲も同じだった。
「そうだ、公孫賛殿だったな」
「御主はわざとだな」
 関羽はもうこのことを見抜いていた。既にである。
「全く。悪ふざけにも程があるぞ」
「いいではないか、別にな」
「よくはない。全く」
「ところであんたは?」
 馬超は今度はナコルルを見た。彼女は四人が話すその傍に立っていた。その彼女に対して声をかけたのである。
「名前は何ていうんだ?」
「ナコルルです」
 素直に自分の名前を名乗った。
「それが私の名前です」
「へえ、ナコルルっていうのか」
 馬超はその名前を聞いてふと何かに気付いたような顔になった。そしてそのうえである者の名前を出したのであった。その名前は。
「そういえばな」
「そういえば?」
「ここに来るまでに。確か予州だったな」
 目を上にやって思い出す顔でだ。出した名前は。
「リムルルっていう小さいのに会ったんだけれどな。知ってるか?」
「妹です」
 すぐにこう返したリムルルだった。
「私の妹です」
「そうか、あんたの妹だったのか」
「そうですか、妹もこの世界に来たんですね」
「そうそう、何か違う世界から来たって言っていたな」
 馬超はこのこともナコルルに話した。
 
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