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Re:童話姫たちの殺し合いゲーム

作者:猫丸
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お菓子な森(2)

『ポッポッポ~』








『ニゲロ~ニゲロ~』








「アハハハッ♪」









『怖い怖い~赤ずきん~』









『やってくるぞ~』








「追いかけっこでアソブのね♪ アハハッ、マテ待て~♪」









『ぐあああ!!』










「赤ずきんさん楽しそうですね」









「…だな」









楽しそうに森の住人を追いかけ殺していく赤ずきんの後をついて歩く。









『ポッポッポ~』










『マヨエ』










『サソエ』










『ココはお菓子の森』










『迷いの森』












『あのお家へサソエ』













『サソエばもうオワリ』













『オワリ~オワリ~』














『死んでも出られない』










『『ここは~お菓子な森~~~』』













「……?」











「あれは……家でしょうか?」










住人を殺して回る赤ずきんについて行くと、お菓子で出来た家に辿り着いた












お菓子で出来た家













お菓子の家














………なにか引っかかるモノがある これはなんだ?













『ブツブツブツ…』











「あっ。あそこに誰かいますよ」










ピノキオが指さす方向には











『ブツブツブツ』









鳥籠を大事そうに抱えた少女がいた その目は虚ろでまるで生気を感じない。










「あの人もこのおかしな森の住人でしょうか?」










「だろうな。見ろ、奴らあの少女の後ろに隠れようとしている。

 あの少女が此処の主のようだな」










「ええ!? 主!? それは駄目です! 危険です!

 逃げましょう、ツギハギさん、赤ずきんさ……」








「ネェ? アナタ なにしてるのですか?」







「ん!!? なぜ話しかけているんですか!!」










『ブツブツブツ』










少女は無反応












「ネェー、ネェー聞こえていますかー?」











『ブツブツブツ』









何度話しかけても少女は鳥籠になにかを語り掛けている。













「赤ずきんさん…放っておきましょうよ…その人 変ですよ…ヒッ!?」











ピノキオが小さく悲鳴を上げた 鳥籠の中身を見たからだ












中身? 鳥籠には黒い固まりが入っているのが見える











中身がなんなのかここからじゃ よく見えない












「……これは、頭部か?」











中身は頭だった 











人間の頭だった










『フフフ。兄さま…』











少女は鳥籠に入った自分とそっくりな顔に語り掛ける











『ヘンゼル兄さま……今日も日差しが暖かく、ピクニック日和ですね。

 フフフ、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ。全部食べたりしませんから』











俺達など 見えていない/見ていない











少女には鳥籠の中身しか 見えてない/見ていない











「ネェ? それはボール? ボールでしょ?」











「あ、赤ずきんさん!? それはボールじゃないです! ……人間の…うっぷ」











人間の頭と言おうとして、吐きそうになるピノキオ。











相手をしてくれない少女が持つ ボールという玩具をみつけた赤ずきんは












「え~~~い♪ お空へ飛んでゆけ~アハハハッ♪」










"ボール”を空高く蹴り上げた











『……あ』











大事に抱えていた物が突然なくなり 少女は動揺している












『兄さま? どこへ行ったの兄さま? ヘンゼル兄さま?

 兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま……ヘンゼル兄さまどこへ行かれたの?』











「あーあ…遠くへ飛んで行きすぎちゃった~……まっいっか♪ アハハハッ♪」













『……お前が兄さまを……』













虚ろな瞳が赤ずきんをうつした











『お前がヘンゼル兄さまを……』












「ニイサマ…? それは誰ですか?

 あの "ボール”のことですか?」












赤ずきんは空を指さす。 ボールは空高く飛んでいき消えたから












『許さない……魔女!!』










少女は持っていたサバイバルナイフのような小型の刃物を赤ずきんめがけて振り下ろす












「アハハハッ♪ やっとアソブ気になってくれました?
 サァ思う存分、アソビましょう♪」

 
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