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夢幻水滸伝

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第十五話 傭兵の四人その四

「鬼の神通力とかそのままやな」
「そうでっしゃろ」
「強いわ、ただな」 
 ここでだ、中里はこうも言った。
「人間族が一番バランス取れてて何でも出来るな」
「はい、それぞれの種族に長所と短所がありますが」
 その人間族の太宰が応えた。
「人間族は一番バランスが取れていてです」
「汎用性もやな」
「あります」
 そうした種族だというのだ。
「体格、腕力、耐久力、知力、信仰、運勢等全てにおいて」
「人間が一番バランスがええか」
「はい」
 そうだというのだ。
「一番です」
「そやねんか」
「はい、どうした職業にもなりやすく」
 汎用性が高い故にというのだ。
「術も覚えやすいのです」
「どうした術もか」
「取り立てて長所はないですが」
 他の種族にある様なそれがだ。
「しかし短所もなく」
「癖もなくてか」
「どうした職業にもなれ術も覚えやすく武器もです」
「どうした武器もやな」
「覚えやすいのです」
「そうか、ただ汎用性が高いってことは」
 このことからだ、中里はこうも言った。
「長所もない」
「はい、そうです」
「汎用性が高いのは長所やろうけどな」
「そうした見方も出来ます」
 長所がないとも、というのだ。
「その様に」
「やっぱりそうか」
「はい、人間族はこの世界ではそうした種族です」
「色々な種族がおる中でか」
「そうなっています、ただ」
 太宰はこうも言った。
「どの種族も努力次第でどうにもなります」
「そうなんか」
「はい、術を使えば空を飛ぶことも水中での自由な移動もです」
 そうしたことまでというのだ。
「出来ますし種族ごとの差は個人の努力で何とでもなります」
「種族は違ってもか」
「その程度の違いでしかありません」
「成程な」
「だからどの種族も混在して暮らしているのです」
「日本でも他の国でも」
「それがこの世界です」
 彼等が本来いる世界と違ってというのだ。
「そうなっています」
「種族のこと、あらためてわかったわ」
「それは何よりです」
「どの国もこんな感じか」
 様々な種族が暮らしているかとだ、中里は太宰に問うた。 
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