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星河の覇皇

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第六十三部第五章 会見の申し入れその五

「どうしてもそうした輩はいるからな」
「国家には」
「どの国にも」
「そして害を為すのだからだ」
 国家元首、それも統一を目指す国のそれの立場からの言葉だった。
「置いてはおけない」
「そして連合は」
 ここでだ、フラームがまた言ったのだった。
「そうした輩が」
「多いな」
「はい、見たところ」
「マスコミ等にな」
「不思議とマスコミや市民団体、知識人に多いですね」
「一見して社会の木鐸であり警鐘を鳴らす者達だが」
 その実はなのだ。
「しかしだ」
「宇宙海賊やテロリストと結託していたり」
「妙な考えを吹聴したりとな」
「そうした者達も見受けられますね」
 連合には、というのだ。
「中にはエウロパと結託している者もいましたし」
「それを国賊と言うがな」
「その国賊達がです」
 連合には、というのだ。
「散見されますね」
「割合的にはサハラより多いな」
「これは民主主義の弊害でしょうか」
「どうした主義でも組織でも完璧ではない」
「アッラーの教え以外は」
「そうだ」 
 イスラムのことは別だった、サハラの考えがそのまま出ている。イスラム教、即ちコーランに書かれていることに無謬はないのだ。
「それ以外のものはな」
「必ず、ですね」
「欠点があるのだからな」
「だから民主主義もですね」
「どうしても弊害があるのだ」
「それで、ですね」
「言論の自由に付け込んでだ」
 そのうえで、なのだ。
「そうした主張を言い回ってだ」
「そして力を持ち」
「そのうえで」
「よからぬことをする」
 それが連合のマスコミ関係者や市民団体の中にいるというのだ。
「民主主義を悪用してな」
「まさに奸賊ですね」
 アブーも顔を顰めさせて言う。
「そうした者達は」
「まさにな」
「そうですね、そうした者が」
「サハラより多いな」
「はい」
 アブーもこう見ていた。
「どうしても」
「これが連合の弱みだ」
「害がいて、ですね」
「それがそれなりに力を持っている」
 このことこそが、というのである。
「連合の弱みだ」
「これでもかなり減ったのですね」
「中央警察、中央軍が設立されてな」 
 そこからというのだ。 
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