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全ては我が趣の為に

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変態・ウォー!

大洗女子学園には一人の男性教員が勤務している。
名前はヴァリオット・ゲイザー。
彼は今日も張り切って――

「縞パンとはやるなっ!」
「きゃあっ!?」

――変態だった。

「先生!何で何時もスカート捲るの!?」
「そこにスカートがあるからだ!」
「登山家かお前は」

武部沙織、冷泉摩子は各々に反応を見せた。

「先生、またですか?」
「ゲイザー教諭も懲りないですね」
「あ、あはは…」

そう言って現れたのは五十鈴華、秋山優香里、そして西住みほである。
この少女達5人は大洗女子学園、戦車道あんこうチームとして活躍した時の人である。

「あ、ところでゲイザーさん。今度お母さんが…」
「アディオス!」

ばひゅんっ!と、風を切るようにして姿を消したゲイザーに、五人は固まったまま放置されたのだった。



「ねーねーみぽりん。みぽりん
先生と仲悪いの?」
「ふえっ!?そ、そんなこと無いけど…」

場所は変わってみほの家。
恒例のように集まり、食事をとっていたとき、不意に沙織がそう言った。

「そうなのですか?見ていると、どうもみほさんを避けるようにしていますけど」
「そんなこと無いよ?学校ではよく話すし…勉強とか戦車とか…」
「そう言えば大長がセクハラされたところは見たことがないな」
「そうなんですか!?」
「え、ええっと…それは…」

だんだんと話が大きくなっていきます。これはちょっと危ない流れ…?

「何々!?セクハラされないくらいに嫌われてるの!?
もー!明日ちょっと文句いってやる!」

好きか嫌いかをセクハラで判断するのは…どうなんだろう?

「違うよ?ゲイザーさんは…そう、偶々私が狙われなかっただけなんだよ」
「そう言えば西住殿はゲイザー教諭をさん付けで呼ばれていますね。もしかして何か事情が?」
「ギクッ」

優香里さん…こう言うときだけ鋭い…!
けどまだ大丈夫!この事だけは知られるわけには…!

「ギクッって…大長はユーモアに優れているな」
「いやいや!それってもう白状してるような物じゃん!」
「みほさん。何かあったんですか?私たちでよければ、相談に乗りますが」
「そ、それは…そのぅ…」

不味いです。逃げ場がいつの間にか無くなっていました!
お姉ちゃん…わたしどうすれば…

「その説明、私がしよう!」
「お姉ちゃん!?」

突然、窓からお姉ちゃんが入ってきました。あ、後ろにエリカさんもいる。
と言うよりここ二階…。

「みぽりんのお姉さん!?」
「な、何か知っているでありますか!?」
「お前達、まずは窓から入ってきたことに突っ込め」

え、エリカさん!貴方だけが頼りです!
お姉ちゃんを止めてください!

「あの男…ヴァリオット・ゲイザーは西住家の婿養子候補なのよ」

エリカさんが言うの!?て言うか何でどや顔!?
お姉ちゃんも胸を張らないで!

「「「」えええぇぇぇ!?」」


彼の男、ヴァリオット・ゲイザーには伝説が存在する。
ゲイザーは西住家においてかなり高い位置からの発言権を有している。
その理由も、様々な伝説が助長をきたしているからだ。

曰く、不意に現れたゲイザーは、戦車に乗り込み、たった一人で西住流と渡り合った。(セクハラによる女性陣の全滅)
曰く、一人で戦車を乗りこなせる。(影分身で各役割をこなせるから。因みにバレてない)
曰く、何処からでも敵戦車を狙うことができ、逆に殲滅されたことは一度もない。(長年による勘と実力。あと気分で適当に撃ったらいつの間にか)
曰く、西住流の全門下生(みほ、まほを除く)から畏れられている。(度重なるセクハラと師範である西住しほの意向)
曰く、黒森峰では結構モテていた。(変態性さえ出さなければ十分にイケメンである)
曰く、戦闘だけでなく整備まで完璧である。(マニュアルをパラパラ捲って覚える。おまけに気分で改造)

兎に角、上げればキリがない。

「みぽりん
お母さん、なに考えてるんだろ…」
「えっと、それが
どうしてみほさんを避けることになるんでしょう?」
「別にみほを避けている訳じゃないだろう。
ただみほや私にセクハラをした瞬間、婿養子が確定するからだど私は考えている。因みに私もセクハラされたことがない(別にしてくれて良いのに…」

とうとう知られてしまいました…。
明日からどんな顔でゲイザーさんに会えば良いんだろう。

「それってつまり、色んな女の子と遊びたいからってこと!?」
「許せません!」
「ち、違うんです!ゲイザーさんは…その…」
「西住家において、ゲイザーさんは私かみほの婿となる。だが母はどちらを、と厳命せず、好きな方と、と言ったのだ。
彼は私達のどちらかを選ぶことが出来ず、かといって先伸ばしにすることも出来ない。
だから他の女性にセクハラをすることで『 自分は最低の人間です』と母にアピールしているのだろう」

それについては知らなかったけど、努力する方向が違う気がする。

「まぁ、その行いが逆に私とみほを大切にしていると思わせているのだがな」
「……」
「彼は優秀な人よ。戦車に乗れば敵なし。整備だって一人でこなす。セクハラについてはなにも言えないけど、彼が好きなら全く気にならないわ」
「「…?」」

エリカさんが発言した瞬間、空気が変わった気がした。
そう思った私も、聞き捨てならない言葉だった。

「エリカ…まさかこんなに近くに伏兵がいるとは思ってなかったぞ」
「え?」
「エリカさん…私、負けませんから!」
「は?」
「つまり、逸見さんも先生が好きだったと…」
「これは驚きですね」
「何々?三角どころか四角関係!?うわー!」

「ち、違!私は別にヴァリオットさんの事なんて…」
「へー…ヴァリオットさんね…」
「ひっ!?」
「エリカ。今夜は語り合おう。何なら戦車でも構わないぞ」
「隊長!?」
「お姉ちゃん。私も参加するよ。
ゲイザーさんは渡さない」

その日、彼女達は徹夜をした。
翌日になって寝坊した彼女達を起こしに来たのは、話題となった人物だったのは誰にも予想できない。

「きゃああああ!!?何するんですか!?」
「パンツなんかみて面白いのか?」
「はぁ…お嫁に行けません」
「「またセクハラされなかった…」」
「違うんです…私はただ…」

 
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