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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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377部分:第三十話 典韋、曹操に試されるのことその九


第三十話 典韋、曹操に試されるのことその九

 張飛と馬超は不満な顔であった。
「何かちまちまとしているのだ」
「もっとがっつり食いたいよな」
「そうなのだ、これなら」
 ここで言う張飛だった。
「街の典韋の料理の方が美味しいのだ」
「何ですって!?」
 そしてであった。それを聞き逃す曹操ではなかった。
 強い顔になってだ。張飛に顔を向けて言った。
「聞き捨てならないわね、張飛」
「けれど本当のことなのだ。あの料理は美味しかったのだ」
「わかったわ。それじゃあ」
 そしてだ。曹操は言うのだった。
「その典韋という料理人をすぐに連れて来なさい」
「何か凄い展開になってきたわね」
 黄忠はぽつりと呟いた。そうしてであった。
 その典韋が連れて来られる。彼女は周囲を見回しおろおろとしている。
 しかしだ。その中でだ。
「あれっ、季衣ちゃん」
「流琉ちゃんじゃない」
 お互いを確認して笑顔になる。
「曹操様のところにいるって聞いたけれど」
「ここに来ていたの」
「うん、そうなの」
 料理人の場所と食事の席からそれぞれ話す。
「ねえ、今度ね」
「御馳走してね」
「知り合いみたいだな」
 グローバーはそんな二人を見て話す。
「また奇遇だね」
「はい、私達実は故郷が一緒なんです」
「親友同士なんですよ」
「世界は狭いわね」
「本当にね」
 神楽とミナがそんな二人を見て言う。
「私達もこの世界に来ているし」
「そうね」
「そう。二人は同郷だったの」
 曹操は二人のやり取りを見て笑顔になる。
「それでだけれど典韋」
「は、はい」
「貴女が作りたいものを作ってくれるかしら」
 こう言うのであった。
「量は多いだけいいわ」
「多いだけですか」
「何しろ数が多いから」
 見ればだ。とりわけ曹操の客将が多い。
「御願いするわね」
「そう言われましても」
 何を作るかだった。それがわからなかった。
 しかしである。ここで張飛が狼狽して周囲を見回し続ける典韋に対して手を振って言ってきた。
「典韋、頑張るのだ!」
「張飛さん、それに」
「頑張れよ!」
「期待してるからね!」
 それに馬超と馬岱の話も聞く。彼女達を見てだった。
「それじゃあ」
 典韋は明るい顔になってすぐに料理を作りはじめた。それは。
「お饅頭?」
「そうね」
 黄忠が劉備に応える。
「中は」
「メンマと鶏肉と麻婆豆腐ね」
 それだった。
 
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