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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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373部分:第三十話 典韋、曹操に試されるのことその五


第三十話 典韋、曹操に試されるのことその五

「驚かせてくれるよ」
「まさかと思ったけれど」
「本当にね」
「そうだな。私もな」
 趙雲も今は笑っていない。
「今のはぎくりとしたぞ」
「流石に人間は食べたことはないわ」
「私もよ」
 神楽とミナも他の面々と同じ顔になっていた。
「けれど鶏ならあるから」
「そうだったら喜んでいいわ」
「そうなのだ。美味しいのだ」
 張飛だけが平然としていた。話を聞かずに食べることに専念しているからだ。
「このお饅頭とても美味しいのだ」
「はい、召し上がって下さいね」
 笑顔で言う典韋だった。
「どうか」
「わかりました」
 劉備が頷いてだった。皆で食べるのだった。そして宿に帰るとだ。
 一行の下にだ。夏侯淵が来た。そうしてだった。
「宜しければですが」
「明日か」
「お食事にですか」
「はい、曹操様は月に一度御自身が作られたお料理でお客人を接待されます」
 そうするというのである。
「ですから。それに皆さんを」
「いいのですか?それは」
 劉備が遠慮する顔になっていた。
「あの、私達ってただこの街に来ただけですし」
「はい、構いません」
 夏侯淵は微笑んで劉備の言葉に返した。
「曹操様はお客人をお招きするのが趣味でして」
「そうなんですか」
「是非皆様いらして下さい」
 こうも言う。
「そして曹操様が作られた御馳走を堪能しましょう」
「よし、わかったのだ!」
 張飛はたらふく食べたばかりだがもうそちらに考えをやっていた。
「明日はお腹を空かせる為に朝御飯はお代わりを三杯までにしておくのだ」
「あたしもだ!」
 馬超も言うのだった。
「明日は楽しみにしておくか!」
「おお、馬超殿」
 夏侯淵は彼女の姿を認めて優しい笑顔になった。
「姉者が貴女と会いたがっていましたよ」
「夏侯惇がかよ」
「はい、また貴女と機会があれば槍を交えたいと」 
 だからだというのである。
「それでなのです」
「そうか、あいつもいるんだよな」
「はい」
「会うのが楽しみだぜ。元気だといいがな」
「うむ、私は元気だ」
 ここで本人が出て来た。
「馬超、久しいな」
「おお、夏侯惇!」
「明日は宜しくな」
「ああ、こっちこそな!」
 二人はお互いの右手と右手を絡め合わせて言い合う。
「できれば槍の手合わせといきたいな」
「全くだよ」
「ふむ、この二人は馬が合うのだな」
 趙雲はそんな二人を見て言う。
「仲良きことはだな」
「同じ槍使いだしな」
「それに馬超の性格は嫌いではない」
 その二人がそれぞれ言う。
「こうして会えたからにはな」
「一緒に楽しみたいものだ」
「そうだな、姉者」
 夏侯淵も姉の横で優しい笑顔になっている。
「そうしたところが姉者のいいところだ」
「そして夏侯淵さんはあれだよね」
 馬岱は彼女を見ながら笑顔になっている。
 
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