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レーヴァティン

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第十一話 空の港町その五

「俺の場合はな」
「まあぐだぐだあれこれ言ってもな」
「ワインの味が変わるか」
「そうじゃないからな」
「だからそうしたことはしない」
「美味いから飲む、か」
「それだけだ」
 言いつつ飲む、そして。
 実際に今度はフェットチーネを食べた、これは久志もだ。ペペロンチーノのあっさりとしたものを食べるとだった。
 二人共だ、こんなことを言った。
「これも美味いな」
「そうだな」
「ワインにも合う」
「赤のな」
「パスタはやっぱり赤だな」
 ワインはというのだ。
「本当にな」
「そうだな、ワインはな」
「白よりもロゼでな」
「ロゼよりも赤だ」
「肉料理もな」
「その二つは赤だ」
 英雄は言い切った。
「ワインならな」
「全くだな」
「そして魚介類はだ」
「やっぱり白だよ」 
 こちらはとだ、久志は言い切った。
「こっちだとムニエルやカルパッチョな」
「そうした料理になるな」
「こっちの魚介類の料理はな」
「あとアヒージョもある」
「パエリアとかブイヤベースもあるな」
「トマト系なら別だが」
 こちらの味付けならば赤ワインが合うというのだ。
「しかしだ」
「魚介類の料理は大抵はそうだな」
「白の方が合う」
「やっぱりそうだよな」
「俺は和食で飲む時ワインのことも多い」
「刺身とか天麩羅とかか」
「それを白ワインと一緒に楽しむ」
 そうしているというのだ。
「これもまたいい」
「日本酒じゃなくてもいいんだな」
「日本酒もいいがだ」
 しかしというのだ。
「白ワインも合う」
「そうなんだな」
「一度飲んでみるといい」
「ああ、ワインはどっちでも飲めるしな」
 白でも赤でもというのだ、同じ葡萄から作るが製造過程の違いで赤ワイン白ワインとなっていくのだ。
「そうしてみるな」
「俺達の本来の世界でな」
「そうするな、しかしな」
「しかしか」
「ああ、本当にパスタには赤だな」
 そのままフェットチーネを食いつつだ、久志はまたこう言った。 
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