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星河の覇皇

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第六十三部第三章 気付いている者といない者その三十四

「確実にです」
「なりますか、プロに」
「そうならない筈がありません」
 彼のその実力なら、というのだ。
「私は断言します」
「そうなればいいですね」
「全くです、では」
「はい、その方の漫画を」
「ネットで既に公表されています」
「もう既にですか」
「漫画投稿サイトで」
 こう言ってだ、モハマドは自分の携帯を取り出し金にあるサイトを見せた。それがまさに漫画投稿サイトであった。
「こちらで、です」
「掲載されていますか」
「左様です」
 金に笑みで話す。
「是非読まれて下さい」
「ペンネームを教えて頂けますか」
 金は言葉で身を乗り出してモハマドに言った。
「その方の」
「はい、それでは」
 モハマドは金の申し出を快諾した、そしてだった。 
 彼女もそのホラー漫画を読んだ、そのうえで内務省のスタッフ達に休憩時間の時に相当に甘い紅茶を飲みつつこんなことを言った。
「ホラー漫画も極端になりますと」
「内相も漫画を読まれるのですか」
 スタッフ達はまずこのことに驚いた。
「そうだったのですか」
「はい、そうですが」
「いや、それは」
「意外でした」
 こう言うのだった。
「難解な本ばかり読んでいると思っていましたが」
「違ったのですね」
「漫画も読まれるのですか」
「そうだったのですね」
「はい、それであるホラー漫画を読みましたが」
 その本題を言うのだった。
「忘れられません」
「あまりにも怖く」
「そして、ですか」
「忘れられないと」
「そこまで怖かったのですか」
「私には合わないですが」
 それでもというのだ。
「印象には残りました」
「トラウマも印象の一つですからね」
 スタッフの一人がこう言った。
「そうなりますね」
「はい、ですから」
 それで、というのだ。
「漫画としては成功ですね」
「極端に怖い漫画は」
「しかも絵が上手だとです」
 モハマドの言う通り彼の絵は確かに上手だった、そしてその怖さが余計に恐怖を引き出していたのである。 
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