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星河の覇皇

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第六十三部第三章 気付いている者といない者その二十六

「そうも考えています」
「内政ですね」
「内政は終わりがありません」
「豊かになればさらにですね」
「豊かになるだけです」
 豊かさを手に入れそれで終わりではないというのだ。
「連合の内政は」
「開拓、開発を続け」
「そして豊かになり」
「さらに豊かになっていき」
「千年の間そうであった様に」
 連合はひたすら発展して来た、開発開拓を行い続けてだ。豊かさを手に入れてさらに多くの富を手に入れてきたのだ。
 そしてだった、金はさらに言ったのだった。
「しかも我々はです」
「連合はですね」
「我々は誰からも奪っていません」
「その富をですね」
「大航海時代、帝国時代とは違います」 
 エウロパのそれとだ。
「無限の開拓地には生物はいますが」
「知的生命体はおらず」
「そして生物の生態系も出来る限り崩さずに進み」
「そしてでしたね」
「発展してきました」
 連合はだ、そうだったというのだ。
「無人の地を」
「ましてやサハラを攻めるなぞは」
「はい、ああしたことも」 
 していないというのだ。
「当然十字軍の様なことも」
「連合は誰からも奪わず富を手に入れて来た」
「これは連合の誇りですね」
「富は奪わずに手に入れられます」
 そうだというのだ。
「我々は」
「エウロパとは違い」
「あの国は今後どうなるかわかりませんが」
「奪う国ですね」
「奪うことは野蛮です」
 このこともだ、連合では常に子供達にも教え大人達も反芻している。エウロパは奪う野蛮な者達だというのだ。
「そして無駄な力を使います」
「しかしそこにあるものを手に入れることは」
 奪うのではなく、というのだ。
「労力も少なく奪う悪も犯さず」
「有り難いことですね」
「連合の富は手に入れた富です」
 奪った富ではない。このことは連合にとっては非常に誇らしいことでありその開発開拓の歴史の栄光の一部なのだ。
「そのフロンティアが無限にありますので」
「我々はエウロパ以上に発展出来ますね」
「そこに国境も定めれば」
「よりいいというのですね」
「左様です、そうあるべきなので」
 それが為にというのだ。
「私は国境の厳格な確定を支持します」
「中央政府の権限拡大ではなく」
「そうです、まずはそちらを最優先させるべきです」
 こう言ってだ、そしてだった。
 金は紅茶をまた飲んだ、モハマドはその彼女にふと言った。 
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