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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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304部分:第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその八


第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその八

「そういうことよ」
「そうなんですか。陽と陰なんですね」
「そして赤と蒼よ」
 この二つだというのだった。
「それよ。ただ」
「ただ?」
「両家は闘う宿命ではないわ」
「けれど草薙さんと八神さんは」
「ええ。その両家の因縁を終わらせる為にも」
 神楽の言葉が強いものになった。
「闘わなくてはいけないのでしょうね」
「そうなんですか」
 その話を聞いて沈んだ顔になる劉備だった。
「それであの人達は」
「宿命なのね。八神家は罪を犯してきたし」
 神楽はこのことも話した。
「その長い因縁もまた終わらせないといけないし」
「オロチと契約したことなのね」
 馬岱もそのことについて言った。
「それが罪なのね」
「そうよ。罪よ」
 神楽の言葉を続ける。
「一族の長い罪を。彼は終わらせないといけないのよ」
「八神さん自身はそのことをわかっておられるのでしょうか」
 孔明はこのことを問題にした。
「どうなのでしょうか、それは」
「わかっていない筈はないわ」
「そうなのですか。それでもなのですね」
「そうよ。わかっていてもそれでも」
「草薙さんとの闘いを」
「それがそのまま彼の宿命を終わらせることなのでしょうね」
 神楽は今ではこうも考えてもいた。
「だからこそ」
「しかしそれをすれば」
 黄忠は眉を顰めさせて述べた。
「どちらか、あるいは両方が」
「死ぬな」
「ああ、どっちも尋常じゃない強さだからな」
 趙雲と馬超も話す。
「それでもか」
「やらないといけないんだな」
「そういうことよ。けれどどちらも死なせないわ」
 神楽の言葉もまた強いものになった。
「それはね。私が」
「神楽さんがですか」
「両家の宿命には神楽家も関わるものだから」
 だからだと。劉備に話した。
「あの二人は死なせないわ」
「それが神楽さんの宿命なんですね」
「そうね」
 神楽は今の劉備の言葉にだ。少し微笑んだ。
「そうなるわね」
「そうですよね、やっぱり」
「劉備さんもまたそうなのかも知れないわ」
 今度は劉備にかかるのだった。
「貴女もまた」
「私もなんですか」
「だから今ここにいるのよ」
 また話す神楽だった。
「そうなるわ」
「?」 
 劉備は今の神楽の言葉には首を捻った。その首を左に傾けさせて述べた。
「どういうことですか、それって」
「やがてわかるわ。それじゃあ」
「そうですね、袁紹さんのところにですね」
 孔明がこのことに話を戻した。
「それじゃあすぐに」
「行きましょう。袁紹殿がどういう顔をするかわからないけれど」
「わからないところのある方だからな」
 関羽も難しい顔になっている。
「あの人は。どうも妙なところが多い」
「またあの変な大会をするのだ?」
 張飛もこのことを不安に感じていた。
 
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