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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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292部分:第二十四話 劉備、剣のことを聞くのことその七


第二十四話 劉備、剣のことを聞くのことその七

「やらなければいけないからな」
「わかったわ。けれどね」
「けれどか」
「貴方達は本来は戦う宿命にはなかった」
 神楽の目が過去、それも遥かな過去を見るものになっていた。
「けれど今は」
「あいつとはな。草薙の家や八神の家やそういう問題じゃない」
「もっと強い何かね」
「それがある。だから俺達は闘う」
 こう神楽にも話す。
「それだけだ」
「わかったわ」
「何か凄い因縁だな」
「そうだな」
 馬超と趙雲が二人の話を聞いて話す。
「草薙ってそんなことがあったのか」
「八神家か。何か妙なものを感じる名だな」
 趙雲は顎に右手を当ててそのうえで述べた。
「そして八神庵か」
「ああ、あたしも何か感じるな」
 それは馬超も同じだった。
「そいつと草薙が会ったらどうなるかな」
「それが問題ね」
 黄忠も話す。
「草薙家、八神家、そして神楽家」
 さらにだ。
「あの三つの家とオロチのこともね」
 彼女はこのことも考えていた。しかも深くだ。
 そしてだ。ここで孔明が神楽に問うた。
「それで神楽さん」
「ええ」
「今回ここに来られたことはそのオロチと関係がないんですよね」
「ええ、そうよ」
 その通りだと答える神楽だった。
「それはね」
「それじゃあどうしてここに?」
「仲間に入るのなら大歓迎なのだ」
 張飛はこう神楽に話した。
「是非入って欲しいのだ」
「それも御願いできるかしら」
 神楽は張飛の言葉にすぐに返した。
「このままどの陣営に属していないというのもいざという時に困るし」
「はい、わかりました」
 劉備は神楽の申し出を笑顔で受けた。
「それじゃあ神楽さんは今から私達の仲間です」
「仲間なのね」
「はい、お友達です」
 劉備はまた神楽に話した。
「それで宜しく御願いします」
「配下でなくて友達なのね」
「それが何か?」
「袁紹本初や曹操孟徳のところとは違うのね」
 神楽が名前を出したのはこの二人だった。
「あの二人も孫策や董卓も私達の世界の人材を多く集めているけれど何処も配下だって言っているのに」
「だって。一緒にいるからお友達じゃないですか」
 劉備はまさに何でもないといった口調で話した。
「だからです」
「そうなのね」
「はい、それで神楽さん」
 劉備もまた神楽に尋ねた。
「今日ここに来られた理由は」
「それはね」
 神楽は一呼吸置いてからだ。こう話してきた。
「劉備玄徳さん、貴女についてなのよ」
「私に?」
「そう、貴女になの」
 また劉備に話した。
「貴女はかつて剣を持っていたわね」
「あの中山靖王のですか?」
「そうよ。あの剣よ」
 話すのはこのことだった。
「あの剣だけれど」
「まさかあの剣が見つかったというのか」
 これまで話を聞いていた関羽が述べた。
 
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