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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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268部分:第二十二話 ガルフォード、見てはいけないものを見るのことその十二


第二十二話 ガルフォード、見てはいけないものを見るのことその十二

「いいわね」
「ああ、そうだな」
 ガルフォードは結果として荀彧のその言葉に頷いた。
「そうするか」
「そういうことよ。じゃあ皆今日は」
「今日は?」
「これからは?」
「飲みあかしましょう」
 満面に笑みを浮かべてだ。荀彧は言った。
「いいわね。覇王丸と一緒にとことんまで飲むから」
「性格変わった?ひょっとして」
「最初来た時はかなりツンツンだったのに」
「それが」
 一同でそんな荀彧を見て話すのだった。
「随分変わったなあ」
「本当にね」
「随分と」
「私だって変わるわよ」
 荀彧は周りの言葉に少しむっとして返した。
「だって。人間なんだから」
「人間だからか」
「それで」
「そうよ、だからよ」
 変わった理由をだ。人間だからだというのである。
「私だって変わるわよ」
「そういうことだな。じゃあ今日は仲良く飲むか」
「ええ、飲むわよ」
 また笑顔で覇王丸の言葉に応えてだった。
「派手にね」
「よし、いい心掛けだ」
「言ったわね、容赦しないって」
 荀彧は不敵に笑って 覇王丸の顔をまじまじと見てきた。
「そういうことよ」
「そうだったな。よし、受けるぜ」
「流石ね。じゃあ飲むわよ」
「拙者は甘いものの方が好きだが」
「それがしもだが」30
 十兵衛と半蔵はこう零した。
「だから酒よりもな」
「茶の方がな」
「ああ、それだったら」
 それを聞いてだ。許緒が早速言ってきた。
「僕と一緒に食べる?」
「そうだな。そうさせてもらうか」
「是非な」
 二人は許緒のその言葉に乗った。そのうえで誰もが仲良く飲み食いを楽しむのだった。
 そしてだ。フランコと斬鉄はこの時城壁を兵達を連れて見回っていた。夜の街は静まり返り何も聞こえはしない。街の灯りだけが見えるだけだ。
「今日も許昌は平和だな」
「うむ」 
 斬鉄はフランコのその言葉に頷いた。
「何もないな」
「そうだな。街は平和で村も平和だ」
「この国は平和そのものだ」
「曹操さんの政治がいいせいだな」
 フランコは笑ってこう言った。
「いい政治家がいるとやっぱり違うな」
「その通りだな。そしてだ」
「そして?」
「近頃聞いた話だが」
 こうフランコに前置きして話してきた。
「孫策殿の揚州でだ」
「ああ、南の方の国だよな」
「そこで紫鏡という外道が始末されたな」
「そうらしいな」
 この話はフランコも聞いていた。それですぐに頷いて返した。
「何でもな」
「うむ、それは何よりだが」
「だが?何かあるのかよ、そいつに」
「我はあの男を知っている」
 斬鉄はここでこう言うのだった。
 
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